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花王/和歌山下津港RORO船の定期航路化による製品安定供給と環境負荷低減の取り組み

グリーン物流(環境) 2023.06.17

和歌山下津港RORO船*1 定期航路化による製品安定供給と環境負荷低減の取り組み

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、和歌山工場から首都圏への製品輸送に、トラックの運転車両を切り離してトレーラー(貨物部分)のみを運搬するRORO船*1 を利用することにより、トラックドライバーの長時間・長距離輸送の負担を軽減し、CO2排出量削減など環境負荷の低減を進めます。

積み荷の移動にクレーンが不要で、災害時の支援物資などの輸送に有効なRORO船*1 の定期航路化を進める和歌山県と連携し、和歌山市近隣企業や運送会社と協力して2022年6月に試験輸送を実施した結果、2022年10月8日(土)から毎週土曜日の定期航路として就航が実現しました。

本取り組みでは、和歌山工場から約1kmの和歌山下津港において、製品を積載したトレーラーを愛媛県の大王海運が運行するRORO船*1 に積み込み、ドライバーは運転車両を切り離して下船、トレーラーのみ千葉中央港へ海上輸送します。千葉中央港に到着後は別のトラックドライバーが運転車両をトレーラーに連結して、沼南(千葉県)、岩槻(埼玉県)、八王子(東京都)、川崎(神奈川県)の各物流拠点へ輸送します。

■RORO船への貨物搬入

■和歌山工場/RORO船航路/首都圏物流拠点

■2022年10月8日 定期航路就航式典の様子

安定した輸送能力を確保するためには、トラックドライバー不足対策と労働環境改善への対応が重要です。今回のモーダルシフト*2 により、600km近い距離を無人で輸送することができ、陸送距離が短くなることでドライバーは日帰りで運行が可能となります。運送費用は一部輸送ルートでは増加しますが、CO2排出量を年間355トン削減できる見込みのため、ICP*3 価格(18,500円/トン-CO2)を考慮することにより当取り組みが可能となりました。

  • *1 RORO(Roll-on Roll-off)船:トラックの貨物を積載したトレーラー部分のみを輸送する船舶
  • *2 モーダルシフト:トラック等の貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶による輸送へ転換すること
  • *3 ICP(インターナルカーボンプライシング):CO2排出量に企業が独自に価格付けし低炭素投資・対策を推進するしくみ

花王グループは、「豊かな共生世界の実現」をパーパスに、2019年にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、2021年より「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」に取り組んでいます。
私たちは、資源や環境への負担が少ないESG視点でのよきモノづくりを推進し、人々のこころ豊かな暮らしと、持続的に発展し循環する思いやりある社会の実現に取り組んでいます。
急速に進化するデジタル技術の活用や多様なパートナーとの協働により、革新的な技術を開発し、社会の期待に応える、人と社会と地球にやさしい持続可能なサプライチェーンの構築をめざしています。

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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