日本郵船/木材チップ専用船における荷役クレーン自動運転装置の実荷役試験に成功 物流全般 2023.06.17 世界初 木材チップ専用船における荷役クレーン自動運転装置の実荷役試験に成功 2021年09月09日 貨物の7割を自動荷役し、クレーン運転者の負担軽減 株式会社相浦機械日本製紙株式会社日本郵船株式会社 株式会社相浦機械(以下、「相浦機械」)、日本製紙株式会社(以下、「日本製紙」)および日本郵船株式会社(以下、「日本郵船」)は、木材チップ荷役クレーン運転者の負担軽減を目指す取り組みの一環として、相浦機械が開発している世界初の木材チップ専用船向けクレーン自動運転装置の揚げ地での実荷役試験を8月下旬に苫小牧港で行い、効果を確認しました。 背景 木材チップ専用船に積載されている木材チップは、本船に搭載されている専用クレーンで荷揚げされます。荷揚げ作業は、本船の貨物倉に積まれた木材チップを、船上クレーン装置の一部である専用グラブでつかみ、巻き上げ、上甲板に設置されているホッパー(仮受け皿)に投入する繰り返し作業です。荷揚げ作業のためのクレーン操作は、本船乗組員ではなく、陸上側から派遣された専門免許を所有する運転者によって実行されます。クレーン運転者は通常、昼夜交代で作業し、一つの港で全貨物を荷揚げする場合、約3日間にもわたって連続で作業を行います。 <木材チップ専用船各部の名称> <木材チップのクレーン荷揚げの様子> クレーン部分 貨物倉への投入前のグラブ グラブで木材チップをつかむ様子 デッキクレーン等の船舶用甲板機械メーカーである相浦機械は、昼夜に渡る荷役作業でのクレーン運転者の負荷を軽減するため、かねてから国土交通省の「先進船舶導入等計画認定制度」の支援の下に、クレーン自動運転の研究を進めていました。クレーン運転者の手配者である日本製紙は、クレーン運転者の作業負荷軽減と作業環境の向上を課題としていました。日本郵船は、ESG経営を掲げる中で、サプライチェーンにかかわる関係者と社会課題を共有し、その解決に資するよう、あらゆる観点から取り組むことを目指しており、かねてから同装置の開発に協力してきました。以上の背景から三社の目的が合致し、船主・管理会社、その他のご関係者のご理解とご協力を得て今回の実荷役試験の実施に至りました。 実荷役試験の概要 今回、実荷役試験を実施したクレーン自動運転装置は、船上クレーンの運転室内に自動運転操作盤を実装し、運転者があらかじめ数種類定められた定型荷役動作を選択することで自動荷揚げ作業が実施されるものです。グラブに装着した3つのセンサーで、貨物倉に積まれた貨物の表面を検知し、信号をクレーンに無線送信し、グラブが下降し貨物の表面に近づくとスピードを落として着地します。安全かつ効率的なクレーン作業のため、グラブ転倒防止機能やホッパー満載検知センサーを備えています。 グラブ装置 クレーン自動運転装置の全体図 今回の実荷役試験では、日本製紙と日本郵船との長期輸送契約に従事する木材チップ専用船Growth Ringにおいて、クレーン自動運転装置をレトロフィットで船上クレーンに搭載し、クレーン運転者立ち合いのもと、約4時間もの間、木材チップのクレーン荷揚げ作業を自動運転で行い、初期の目的である貨物の7割程度の自動荷役が可能であることを確認しました。立ち会ったクレーン運転者からは、「ボタンを押せば誰でも運転ができ使いやすい」「自動運転でも安全に荷役ができた」などの感想が聞かれました。 今後、相浦機械では、本試験で明らかになった自動システムの有効性を踏まえ製品化を行います。日本製紙では、各チップ船への自動システムの導入と展開を検討し、作業負荷軽減と作業環境の向上に取り組みます。日本郵船は木材チップ荷役クレーン運転者の負担を軽減する技術の開発に協力し、ESG経営の根幹と位置付ける安全運航を追及するとともに、”Sustainable Solution Provider”としてサプライチェーン全体の社会課題解決に取り組んでいきます。 各社概要 ・株式会社相浦機械本社:長崎県佐世保市代表者:代表取締役会長兼社長 野中眞治ウェブサイト: https://www.iknow-m.jp/ ・日本製紙株式会社本社:東京都千代田区代表者:代表取締役社長 野沢 徹ウェブサイト: https://www.nipponpapergroup.com/ ・日本郵船株式会社本社:東京都千代田区代表者:代表取締役社長 長澤仁志ウェブサイト:http://www.nyk.com/
2021年09月09日 貨物の7割を自動荷役し、クレーン運転者の負担軽減 株式会社相浦機械日本製紙株式会社日本郵船株式会社 株式会社相浦機械(以下、「相浦機械」)、日本製紙株式会社(以下、「日本製紙」)および日本郵船株式会社(以下、「日本郵船」)は、木材チップ荷役クレーン運転者の負担軽減を目指す取り組みの一環として、相浦機械が開発している世界初の木材チップ専用船向けクレーン自動運転装置の揚げ地での実荷役試験を8月下旬に苫小牧港で行い、効果を確認しました。 背景 木材チップ専用船に積載されている木材チップは、本船に搭載されている専用クレーンで荷揚げされます。荷揚げ作業は、本船の貨物倉に積まれた木材チップを、船上クレーン装置の一部である専用グラブでつかみ、巻き上げ、上甲板に設置されているホッパー(仮受け皿)に投入する繰り返し作業です。荷揚げ作業のためのクレーン操作は、本船乗組員ではなく、陸上側から派遣された専門免許を所有する運転者によって実行されます。クレーン運転者は通常、昼夜交代で作業し、一つの港で全貨物を荷揚げする場合、約3日間にもわたって連続で作業を行います。 <木材チップ専用船各部の名称> <木材チップのクレーン荷揚げの様子> クレーン部分 貨物倉への投入前のグラブ グラブで木材チップをつかむ様子 デッキクレーン等の船舶用甲板機械メーカーである相浦機械は、昼夜に渡る荷役作業でのクレーン運転者の負荷を軽減するため、かねてから国土交通省の「先進船舶導入等計画認定制度」の支援の下に、クレーン自動運転の研究を進めていました。クレーン運転者の手配者である日本製紙は、クレーン運転者の作業負荷軽減と作業環境の向上を課題としていました。日本郵船は、ESG経営を掲げる中で、サプライチェーンにかかわる関係者と社会課題を共有し、その解決に資するよう、あらゆる観点から取り組むことを目指しており、かねてから同装置の開発に協力してきました。以上の背景から三社の目的が合致し、船主・管理会社、その他のご関係者のご理解とご協力を得て今回の実荷役試験の実施に至りました。 実荷役試験の概要 今回、実荷役試験を実施したクレーン自動運転装置は、船上クレーンの運転室内に自動運転操作盤を実装し、運転者があらかじめ数種類定められた定型荷役動作を選択することで自動荷揚げ作業が実施されるものです。グラブに装着した3つのセンサーで、貨物倉に積まれた貨物の表面を検知し、信号をクレーンに無線送信し、グラブが下降し貨物の表面に近づくとスピードを落として着地します。安全かつ効率的なクレーン作業のため、グラブ転倒防止機能やホッパー満載検知センサーを備えています。 グラブ装置 クレーン自動運転装置の全体図 今回の実荷役試験では、日本製紙と日本郵船との長期輸送契約に従事する木材チップ専用船Growth Ringにおいて、クレーン自動運転装置をレトロフィットで船上クレーンに搭載し、クレーン運転者立ち合いのもと、約4時間もの間、木材チップのクレーン荷揚げ作業を自動運転で行い、初期の目的である貨物の7割程度の自動荷役が可能であることを確認しました。立ち会ったクレーン運転者からは、「ボタンを押せば誰でも運転ができ使いやすい」「自動運転でも安全に荷役ができた」などの感想が聞かれました。 今後、相浦機械では、本試験で明らかになった自動システムの有効性を踏まえ製品化を行います。日本製紙では、各チップ船への自動システムの導入と展開を検討し、作業負荷軽減と作業環境の向上に取り組みます。日本郵船は木材チップ荷役クレーン運転者の負担を軽減する技術の開発に協力し、ESG経営の根幹と位置付ける安全運航を追及するとともに、”Sustainable Solution Provider”としてサプライチェーン全体の社会課題解決に取り組んでいきます。 各社概要 ・株式会社相浦機械本社:長崎県佐世保市代表者:代表取締役会長兼社長 野中眞治ウェブサイト: https://www.iknow-m.jp/ ・日本製紙株式会社本社:東京都千代田区代表者:代表取締役社長 野沢 徹ウェブサイト: https://www.nipponpapergroup.com/ ・日本郵船株式会社本社:東京都千代田区代表者:代表取締役社長 長澤仁志ウェブサイト:http://www.nyk.com/