商船三井/LNG燃料タグボート「いしん」がカーボンニュートラルLNGを使用 グリーン物流(環境) 2023.06.17 国内初、LNG燃料タグボート「いしん」がカーボンニュートラルLNGを使用 2021年09月02日 株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)のグループ会社である日本栄船株式会社(代表取締役社長:西尾哲郎、本社:神戸市中央区、以下「日本栄船」)が運航するLNG燃料タグボート「いしん」(註1)は、大阪ガス株式会社(代表取締役社長:藤原正隆、本社:大阪市中央区、以下「大阪ガス」)とDaigasエナジー株式会社(代表取締役社長:井上雅之、本社:大阪市中央区、以下「Daigasエナジー」)より、2021年9月1日に国内で初めて舶用燃料としてカーボンニュートラルLNG(以下「CNLNG」)の供給を受けました。 今回供給を受けたCNLNGは、大阪府堺泉北港においてTruck to Ship方式(註2)で供給されました。天然ガスの採掘・液化・輸送・製造・燃焼の工程を含むライフサイクル全体で発生する温室効果ガス(GHG)をクレジット(註3)で相殺したLNGであり、CNLNGは今後船舶でも広く利用されることが期待されています(註4)。 「いしん」は、2019年2月に竣工したLNGを燃料とするタグボートで、商船三井が保有し、日本栄船が運航しています。就航当初(註5)よりDaigasエナジーより燃料となるLNGの供給を受けており、この度、Daigasエナジーと日本栄船の間で、数年間にわたるCNLNGの供給に関する覚書を締結しました。 近年、船舶からの排出ガスに対する規制を強化する動きは加速しており、国際海事機関(IMO)が2018年4月に策定した船舶からのGHG排出削減戦略では、2008年の排出量を基準とし、2050年までに総排出量を50%以上削減し、また、今世紀中の可能な限り早期に総排出量をゼロにすることを目標としています。 商船三井グループは、2021年6月に発表した「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」(註6)において、2050年までにネットゼロ・エミッションを達成することを目標としています。その実現に向け「クリーン代替燃料の導入」戦略(図1)を掲げ、LNG燃料船に関しては2030年までに約90隻を導入する予定です。「いしん」は商船三井が保有する初めてのLNG燃料船であり、今後もGHG排出削減に向けた新しい取り組みを積極的に推進します。 商船三井は、LNG燃料船の普及を図ると同時に、更なるGHG削減に寄与することが期待される合成メタンの利用に向けた研究開発のほか、アンモニアなどの新規代替燃料の導入も積極的に進め、自社からのGHG排出削減のみならず、お客様や社会の環境負荷低減のニーズにも応えて参ります。 (図1) 【LNG燃料タグボート「いしん」へのCNLNG供給の様子】 【「いしん」の概要】総トン数:247トン全長:43.6m全幅:9.20m喫水:3.15m航海速力:16.4ノット以上主機関:ヤンマー 船舶用Dual Fuelエンジン「6EY26DF」2基 (註1) 詳細は2019年2月28日付プレスリリース「LNG燃料タグボート「いしん」の竣工引渡式を開催」、および2020年7月15日付プレスリリース「LNG燃料船「いしん」、「さんふらわあくれない」、「さんふらわあむらさき」、内航船省エネ格付け最高評価を取得」をご参照下さい。「いしん」は、国土交通省が認証する「内航船省エネルギー格付け制度」において、A重油使用時と比較して二酸化炭素(CO2)排出量を約25%削減するなどの優れた環境性能が評価され、最高ランクの星5つの格付けを得ました。 (註2) Truck to Ship方式とは岸壁のLNGローリーから船へLNG燃料を供給する方式。詳細は2019年1月31日付プレスリリース「LNG燃料タグボート「いしん」関西初のLNG燃料補給」をご参照下さい。 (註3) カーボン・オフセットで用いられるクレジットとは、再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率の良い機器の導入、もしくは植林や間伐等の森林管理により実現できたGHG削減・吸収量を、特定の方法に従って数値化し取引可能な形態にしたものを指します。 (註4) 船舶燃料としてCNLNGを使用した場合のGHG排出量の取り扱いについては、今後、IMO等でのルールの策定が必要となります。 (註5) 当初は株式会社OGCTSが供給。2020年4月1日にDaigasエナジーが同社を吸収合併し事業承継。 (註6) 商船三井グループ環境ビジョン2.1 | 環境 | サステナビリティ | 商船三井 (disclosure.site)