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日本郵船/減収も444億8600万円の経常黒字を計上(2020年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2020年3月期  決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

       売上高     営業利益    経常利益  当期純利益

2020年3月期 1,668,355 △8.8  38,696 249.1   44,486 -   31,129 -

2019年3月期 1,829,300 △16.2  11,085 △60.2  △2,052 -  △44,501 -

(注)包括利益 2020年3月期 △11,216百万円 (-%) 2019年3月期 △60,308百万円 (-%)

(略)

(1)当期の経営成績の概況(略)

(概況)

当連結会計年度は、世界各国の経済は成長を続けましたが、高まる貿易問題や地政学的な情勢をめぐる 不透明感の増大により、その勢いは減速基調になりました。第4四半期には新型コロナウイルス感染症 が世界の広範囲に拡大し、当社の各事業運営に影響を及ぼし始めましたが、当年度の業績に与える影響 は限定的でした。 コンテナ船部門では、大型船の供給増は継続しましたが、荷動きは堅調で、スポット運賃市況は底堅く 推移しました。ドライバルク輸送部門では、上期は鉄鉱石・石炭・穀物の荷動きの堅調さに牽引され市 況は上昇しましたが、第4四半期は季節的な荷動き減少と新型コロナウイルス感染症拡大による市場心 理の悪化が重なって低迷し、変動の激しい1年となりました。エネルギー輸送部門では、中東域での地 政学的要因に端を発した市況の高騰が見られました。航空運送事業や物流事業では、米中貿易問題によ る一部出荷地からの荷動き減少やトレードパターンの変化が発生しました。燃料油は、2020年1月より 施行された国際的な硫黄酸化物排出規制強化により、低硫黄分の適合油使用に移行したため、価格は上 昇しました。 このような環境下、定期船事業では、営業開始後2年目を迎えたOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD. (“ONE社”)が積高・消席率を改善するとともに、貨物構成や航路・投入船の最適化を計画通りに進め て収支を大幅に良化させ、利益を計上しました。不定期専用船事業では、ドライバルク輸送部門の構造 改革を進めるとともに、自動車輸送部門での配船合理化や選択的な貨物集荷を進め、エネルギー輸送部 門のLNG船や海洋事業が安定的に稼働した結果、増益となりました。一方で、米中貿易問題等による荷 動き減少が継続し、航空貨物市況が想定以上の低迷を続けたことを受け、航空運送事業では減損損失と して特別損失を計上しましたが、政策保有株式と保有不動産の売却を含む資産の流動化に伴う特別利益 も計上しました。 これらの結果、当期の業績につきましては、売上高1兆6,683億円、営業利益386億円、経常利益444億 円、親会社株主に帰属する当期純利益311億円となり、業績は大きく改善しました。

(略)

<セグメント別概況>

(略)

<定期船事業>

コンテナ船部門では、ONE社は北米・欧州航路の積高・消席率が順調に推移しました。運賃は第3四半 期に季節的な需要減退や米中貿易問題の影響等で一時的に下落しましたが、第4四半期には回復し、前 年同期を上回りました。また、採算性向上に向けて、統合シナジー効果を積み上げ、貨物構成を最適化 して往復航のインバランスを改善しました。新型コロナウイルス感染症拡大の直接的影響は、第4四半 期で積高の減少等に現れたものの、機動的な減便等を実施して消席率の悪化を防ぎました。 前年度には開業直後のサービス混乱の影響や当社による定期コンテナ船事業の終了に伴う多額の一時費 用が発生しましたが、それらの要因がない当期は収支が大幅に良化しました。 国内及び海外ターミナルでは、前年度末に北米港湾荷役子会社を売却したことや、その他のターミナル でも取扱量が前年を下回ったことで、前年度比減収となりました。 以上の結果、定期船事業全体では前年度比減収となりましたが、業績は大幅に改善し利益を計上しまし た。

<航空運送事業>

航空運送事業では、米中貿易問題等の影響により一年を通じて荷動きの減少が継続しましたが、第4四 半期終盤には新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う国際旅客便の大幅な減便・運休により需給が逼迫 し、貨物積載率が改善しました。機材の稼働率が低かった前年度と比べ、供給量は増え、輸送量及び輸 送重量が増加して増収となり、燃料油価格も下落したものの、市況の低迷や定期的なエンジン整備の集 中、リースアウト機材の一過的整備による費用増があり、通期では前年度並みの損失を計上しました。

<物流事業>

海上貨物取扱事業は機動的なマーケティングにより取扱貨物の見直しを行いましたが、米中貿易問題や 香港情勢の混乱、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に取扱量が大幅に減少しました。航空貨物取 扱事業は、日本やアジアでの需要が低迷し取扱量が減少しました。ロジスティクス事業は欧州・米国で の採算性改善の取り組みが進む一方で、東南アジアの収支改善に時間を要しています。内航輸送事業は 概ね堅調に推移し、新規航路の開設もあり取扱量は増加しました。 以上の結果、物流事業全体では前年度比減収減益となりました。

<不定期専用船事業>

自動車輸送部門では、荷動きは欧州向け、アジア域内で堅調に推移し、資源国向けは一定程度回復しま したが、北米向けは前年度比で減少しました。三国間航路を中心とした配船合理化や選択的な貨物集荷 により、前年度比で輸送台数は減少したものの、輸送効率が改善しました。自動車物流では、一部既存 事業の合理化を行うとともに事業ポートフォリオの再編に着手し、トルコ・エジプトでの新規事業開始 や中国・中央アジア間の鉄道輸送などグループネットワークを活かした新たな物流提案を行うなど、事 業基盤強化と成長分野の事業拡大の双方を目指して活動しました。 ドライバルク輸送部門では、環境規制に備えた入渠船の増加が船腹供給を引き締めましたが、船腹過剰 の本格的な解消には至りませんでした。主要貨物の荷動きは、鉄鉱石は前年度末に発生したブラジル及 び豪州での出荷障害から回復し、石炭及び穀物も第2四半期末までは堅調に推移したものの、第3四半 期以降は、季節性や雨期の早期到来によって減退し、第4四半期には新型コロナウイルス感染症拡大に よる市場心理の悪化が重なって低迷した結果、市況は変動の激しい1年となりました。このような環境 の下、引き続き長期契約の獲得に努めるとともに、先物取引を含めた収入の固定化、効率的な運航の徹 底をはじめとしたコスト削減、高コスト傭船の期限前返船等の施策を重ね、収支の安定化に取り組みま した。 エネルギー輸送部門では、VLCC(大型タンカー)は地政学的要因による中東への配船リスクの高まりや 米国による一部の中国船社に対する制裁を契機に市況が一時高騰しました。第4四半期では、新型コロ ナウイルス感染症の拡大の影響やOPECの協調減産の枠組が決裂したことによる原油価格の急落を受け、 貯蔵目的での船腹需要が高まり市況が急騰するなど不安定な局面が続きました。石油製品タンカーは第 4四半期に原油価格急落の影響から市況が高騰し、LPG船は米国出しアジア向けの好調な荷動きに加 え、米中貿易問題による商流の変更により海上輸送トンマイルが増加したことが年間を通して市況を大 きく押し上げました。LNG船は当期中に新造船が3隻竣工し、安定的な収益を生む長期契約に支えられ て想定通りに推移し、海洋事業はFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)・ドリルシップが順 調に稼働しました。 以上の結果、不定期専用船事業全体で前年度比減収増益となりました。

(略)

<不動産業、その他の事業>

不動産業は、堅調に推移し、売上高、経常利益ともにほぼ前年同期並みとなりました。その他の事業 は、燃料油や化学品製品の販売が好調であった一方、客船事業では第4四半期で予定していた改装入渠 による不稼働や、新型コロナウイルス感染症拡大の予防措置として出渠後の3月クルーズの不催行を決 定し、前年度比減益となりました。 なお、売上高は郵船クルーズ株式会社が持分法適用会社となったことも影響し、前年度比で減少しまし た。

(略)

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