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日本郵船/洋上風力発電設備の設置事業の協業について蘭国Van Oordと覚書締結

物流全般 2023.06.17

洋上風力発電設備の設置事業の協業について蘭国Van Oordと覚書締結

SEP船イメージ(提供:Van Oord社)

当社は蘭国Van Oord Offshore Wind BV社(以下Van Oord社)と、洋上風力発電設備の設置作業に使用する自航式SEP船(注1)の共同保有および運航についての覚書を締結しました。Van Oord社の技術や作業船運航経験と当社の日本における知見を活かし、洋上風力発電事業において今後の協業を検討します。

日本では2019年4月に一般海域における洋上風力発電の利用ルールなどを定めた海洋再エネ法(注2)が施行され、洋上風力発電市場の拡大が見込まれています。一方で、経験豊富な作業員の手配やコスト面、大型化する風車および基礎構造物の敷設に対応可能なSEP船の不足が予想されるなど、普及へ向けては課題も多いのが現状です。

Van Oord社は洋上風力発電の導入が進んでいる欧州において、40件以上の洋上風力プロジェクトを手掛けた実績を持つ大手SEP船船主およびEPCI(設計、調達、建設と据付)業務のコントラクターです。当社は700隻を超える船舶を運航し、また日本の作業船において必須となる本船の日本籍化についても多数の実績があります。これら両社の強みを活かし、大型の風車にも対応可能な1000トン以上のクレーン能力をもつ自航式SEP船を早ければ2022年から所有・運航するべく現在協議中です。また、洋上風力関連のその他の作業船分野においても協業の可能性を検討しています。

当社グループは中期経営計画〝Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green”においてESGと経営戦略の統合を掲げ、グリーンビジネスの創出を目指しています。洋上風力発電事業においては既にNYKバルク・プロジェクト(株)が重量物船による発電設備の輸送サービスを提供した実績があります。今後も広くサプライチェーンに関わり、洋上風力発電普及への貢献を目指します。

<洋上風力発電事業における当社グループのサービススコープ>

※当社グループは事業活動を通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を推進しており、洋上風力発電の普及に貢献することは以下の目標達成に寄与します。

(注1)SEP船

Self-Elevated Platform船、自己昇降式作業台船のこと。
SEP船は風車建設に必要な重量機器や部品を港から建設地まで輸送するだけではなく、洋上で風力発電装置の設置作業にも使用されます。昇降式の脚(レグ)を海底に固定し、台座部分を海上に上昇させることで、気象・海象条件に関わらず洋上でも安定した作業環境を作り出し、本船に搭載した大型クレーンにより高所での風車据付作業を可能にします。さらに運転開始以降は設備のメンテナンスにも利用されます。

(注2)海洋再エネ法

海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に関わる海域の利用の促進に関する法律

<Van Oord Offshore Wind BVの概要>

本社所在地:Jan Blankenweg 2, 4207 HN Gorinchem, the Netherlands
株主:Van Oord BV社 100%
事業内容:浚渫事業、石油天然ガス開発事業、洋上風力発電事業

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