フォーカスシステムズ/BLE ビーコンと LPWA 技術による広域位置測位システムでの 工場内物流の効率化に向けた実証実験を開始 物流システム 2023.06.17 BLE ビーコンと LPWA 技術による広域位置測位システムでの 工場内物流の効率化に向けた実証実験を開始 株式会社フォーカスシステムズ(東京都品川区、代表取締役社長:森啓一、以下「当社」)は、国立 大学法人名古屋工業大学(愛知県名古屋市、学長:鵜飼裕之)大学院工学研究科の大塚孝信准教授及 びフタバ産業株式会社(愛知県岡崎市、代表取締役社長:吉貴寛良)と協力し、IoT 機器、LPWA(*1) 技術を活用した工場内の工程物流の効率化実証実験に着手しました。 (*1)LPWA(Low Power Wide Area)は消費電量を抑えながら遠距離での通信を実現する通信方式。 Low パワーな IoT 機器向けの通信手段として注目されています。 ■実験概要 ①物流における在庫位置の特定 指向性機能を高めた BLE 受信機により、発信機である BLE(*2)ビーコン(FCS1301、timbe) を付帯した物流在庫が工場内のどの位置にあるか特定し、データ収集をおこないます。 (*2) BLE(Bluetooth Low Energy)は低消費電力で近距離無線通信ができる Bluetooth 規格です。 ②工場内のネットワーク構築 工場のような LAN 構築が難しい環境におけるビーコンの発信データの収集は、LPWA 技術を 用いることで解決します。名古屋工業大学大塚研究室が開発した LPWA 通信モジュール (LoRaPAN)は通信キャリアを必要としないプライベートネットワーク形態のため、LPWA 通 信が可能な受信機を使用することで、広範囲ネットワークをシンプルに構築できます。 ■「FCS1301」と「timbe」がもたらす効果 位置情報を発信するビーコンは、到達距離性能の高い当社の「FCS1301」及び「timbe」を使用し ます。当社のビーコンは通信可能範囲が広いため、受信機の受信可能範囲から外れることによるデー タ欠落のリスクが軽減されることから、位置測位システムの精度向上が期待できます。また、設置す る受信機の必要数も抑えることが出来るので、コストの削減にもつながります。 ■背景とねらい フタバ産業の製造現場では、作業員の高齢化、人員不足、働き方改革による効率化やコスト削減、 トレーサビリティによる品質要求などに伴い、IoT 化、デジタル化が進んだ一方で、物流においては まだこれらの課題解決が進んでいませんでした。 本実証実験では、現状のデータ収集と分析をおこない、フタバ産業が抱える在庫状況把握のリアル タイム化、物流時間の短縮といった効率化を実現するための課題解決に取り組みます。 ■今後について 大塚研究室及び当社は、低電力、低コストで汎用性の高い BLE 技術を用いた位置測位システムを、 広範囲ながらシンプルに構築できるソリューションの開発を進めます。 将来的には、自社製品であるビーコンを使用した本ソリューションと、当社がこれまでシステムイ ンテグレーターとして様々な業界のシステム開発を行ってきた経験をもとに、物流のみならず、同じ く人手不足や効率化といった課題に悩む医療、介護、見守りといった分野での適用を目指します。 【フタバ産業株式会社について】 愛知県岡崎市に本社を置く自動車用プレス部品のトップクラスメーカーです。特にマフラーの国内 シェアはトップクラス。排気系システムの他にボディ部品やサスペンション部品の軽量化、コスト競 争力に強みを持っています。東京証券取引所、名古屋証券取引所ともに第 1 部に上場しています。 HP:http://www.futabasangyo.com/ 【国立大学法人名古屋工業大学 大塚研究室について】 社会の継続的な維持、形成に寄与する IoT システムを研究し、ハードウェア及びソフトウェアの実 装、開発をおこなっています。特にセンサーデータと画像データを統合して学習させる研究を得意と し、これらを活用した効率的な輸送・交通環境の予測の研究に多数の実績を持ちます。これらを多岐 にわたる分野に活用できるように研究を進めています。 HP:http://otsukalab.web.nitech.ac.jp/