川崎近海汽船/売上高は前年比11・4%増、経常利益は前年比31・7%減(2019年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)) 決算短信 2023.06.17 2019年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)単位・百万円 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 2019年3月期第3四半期 34,661 11.4 1,528 △33.1 1,603 △31.7 1,401 32.0 2018年3月期第3四半期 31,102 11.1 2,283 95.4 2,348 111.3 1,061 136.9 (注) 包括利益 2019年3月期第3四半期 1,403百万円 ( 4.6%) 2018年3月期第3四半期 1,342百万円 (136.8%) (略) (1)経営成績に関する説明 当第3四半期連結累計期間(2018年4月1日から2018年12月31日まで)におけるわが国経済は、企業収益の改善 を背景に雇用・所得情勢の改善が継続し、個人消費が堅調に推移するなど、景気は緩やかな回復が続きました。 海運業界を取り巻く環境は、外航海運では運賃市況の回復基調が続きましたが、原油価格の上昇に伴う燃料費の 増加や国内で台風や地震などの自然災害が多発し、物流へ影響を及ぼすなど、変化の激しい経営環境となりまし た。 こうした情勢下、当社の第3四半期連結累計期間では、売上高は燃料油価格の上昇に伴い燃料調整金収入が増加 したことに加え、近海部門での運賃市況の改善や内航部門での清水/大分定期船航路のデイリー化、八戸/苫小牧フ ェリー航路の航海数の増加による貨物量の増加などにより、前年同期に比べ11.4%増収の346億61百万円となりまし た。営業利益は近海部門での市況の改善により8年振りの黒字化を達成したものの、内航部門で新造船シルバーテ ィアラの竣工による減価償却費の増加に加え、入渠による修繕費の増加や夏場に頻発した台風による欠航の影響な どで前年同期に比べて33.1%減益の15億28百万円となり、経常利益は前年同期に比べて31.7%減益の16億3百万円 となりました。 また、船隊整備計画の一環として外航船1隻を7月に売船し、特別利益として固定資産売却益5億79百万円を計 上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期に比べ32.0%増益の14億1百万円となりました。 事業のセグメント別業績概況は次のとおりです。 「近海部門」 鋼材輸送では、国内需要の増加や一部高炉の不調などに伴い引き続き輸出の出荷量は伸び悩んだものの、当社の 輸送量は前年同期並みの輸送量となりました。 木材輸送では、日本への合板の輸入量は減少傾向にあり、当社の輸送量も減少しましたが、バイオマス発電用燃 料のPKSやウッドペレットについては前年同期を上回る輸送量となりました。 バルク輸送では、穀物輸送などは前年同期を下回る輸送量となりましたが、主要貨物である日本向けの石炭輸送 では、前年同期を大幅に上回る輸送量を確保しました。 以上の結果、同部門全体では前年をやや上回る輸送量になりました。 同部門では、前年同期に比べ市況が改善したことなどから売上高は98億65百万円で前年同期と比べて10.7%の増 収となり、営業利益は前年同期の6億73百万円の損失から当四半期は黒字となり、期初の計画を上回る80百万円の 利益となりました。 「内航部門」 定期船輸送では、常陸那珂/苫小牧航路において夏場に頻発した台風の影響により前年同期比で航海数は減少し ましたが、船体の大型化によるスペース拡大の効果もあり前年同期を上回る輸送量を確保しました。また清水/大 分航路においては、航路のデイリー化に加え、西日本豪雨の影響により運休となった鉄道輸送の代替需要を取り込 んだことや復旧後も一部の貨物が当航路に定着したことなどにより貨物量は大幅に増加しました。 不定期船輸送では、夏場の台風の影響による不稼働はあったものの、石灰石・石炭の各専用船は概ね安定した稼 働となりました。 フェリー輸送では、八戸/苫小牧航路において大型化した新造船シルバーティアラの投入による輸送力の増強や 新航路準備中の船舶活用による航海数の増加などにより、トラックの輸送量は増加しました。一方で新規に開設し た宮古/室蘭航路では、無料の高速道路である三陸復興道路が全線開通していないことなどにより想定を下回る輸 送量に留まっておりますが、10月6日の室蘭発より南下便では八戸寄港を開始するなど定期利用の促進を図るべく サービスの向上を図りました。 同部門では、燃料油価格の上昇に伴う燃料調整金収入の増加や航海数の増加による貨物の増加などにより売上 高は232億8百万円となり前年同期に比べて10.4%の増収となりましたが、営業利益は新造船シルバーティアラの 竣工に伴う減価償却費の増加に加え、入渠修繕費の増加や夏場に頻発した台風の影響、宮古/室蘭航路で定期貨物 の利用が想定通り進まなかったことなどから、期初の計画を下回り、前年同期に比べて50.7%減益の13億66百万円 となりました。 「OSV部門」 オフショア支援船事業では、渥美沖のメタンハイドレート海洋産出試験終了に伴う廃坑作業の支援を含む複数の 支援作業に従事しました。加えてサルベージにおいても国内最強の曳航能力を誇るオフショア支援船”あかつき” の能力を活かし、中東から原油輸送中に自力航行不能に陥った超巨大タンカー(VLCC)の台風回避、原油揚港経由 修繕ドックまでの曳航等、一連の救難作業に1ヶ月以上従事したことから、船隊全体で一定の稼働率を維持するこ とができました。 同部門では、通常の支援作業のほか救難作業にも従事した結果、売上高は15億85百万円となり、前年の第2四半 期より連結範囲に加わった前年同期の売上高に比べて35.5%の増収となりました。一方で営業利益は、前年同期に 比べ、当四半期は季節要因もあり稼働率が低下した第1四半期が会計期間に含まれているため、56.8%減益の80百 万円となりましたが、期初の計画は上回りました。 なお、同部門では一層の事業効率化と営業力の強化を目的に、2018年7月1日付けで、株式会社オフショア・オ ペレーション(以下、OOC)を存続会社とする吸収合併によりOOCと株式会社オフショア・ジャパンを統合しており ます。 (略)