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日立金属/高強度と高熱伝導率を両立したモバイル機器向けクラッド材を本格量産

SCM・製造拠点 2023.06.17

高強度と高熱伝導率を両立したモバイル機器向けクラッド材を本格量産

 日立金属株式会社(以下、当社)および株式会社日立金属ネオマテリアル(以下、日立金属ネオマテリアル)は、ステンレス(SUS)と銅(Cu)を組み合わせることにより、高強度と高熱伝導率を両立したクラッド材を開発し、本格量産を開始します。スマートフォンをはじめとするモバイル機器の薄型化、軽量化、部品点数の削減等などへの寄与が期待されます。

1.背景

 近年、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器は、ますます高性能化や薄型・軽量化が進んでいます。これに伴いモバイル機器のシャーシ材は、組立構造を維持する機械的強度とCPUなど電子回路の半導体素子から発せられる熱を拡散させ、局部的に高温になることを抑制する放熱性への要求が高まっています。

2.概要

 日立金属ネオマテリアルが開発したモバイル機器向けクラッド材は、芯材を熱伝導率に優れるCuとし、表層材に機械的強度に優れるSUSを用いた三層クラッド材です。既存のシャーシ材と比べ、熱伝導率はSUSの10倍以上、機械的強度はアルミ合金の約2倍の特性を持っています。また、ホットスポット(局部的温度上昇)の温度は、SUS単体に高熱伝導率を有するグラファイトシートを貼り付けた部材よりも、本クラッド材の方が低い温度に抑えられています*1

 今後、当社グループは、本開発品の量産に加え、顧客ニーズに対応する品揃えの拡充、生産能力の増強、販売体制の強化といった成長戦略の実行により、クラッド材を含む電子材料事業の2020年度売上規模1,000億円をめざします。

■参考:開発品の特性

  クラッド材
(開発品)
ステンレス材 アルミ合金
材質 SUS/Cu/SUS SUS304 A5052
熱伝導率(W/m・K)*2 200 17 137
引張強度(MPa) 500 858 260

■補足資料:熱解析シミュレーション結果

熱解析シミュレーション結果
  • *1:当社調べ
  • *2:面内方向の数値
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