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日立金属/ナノ結晶軟磁性材料ファインメットの生産能力を増強

SCM・製造拠点 2023.06.17

ナノ結晶軟磁性材料ファインメット®の生産能力増強

~高周波化需要に対応~

 近年、xEV※1、鉄道、再生エネルギー用の電源系回路の小型・軽量化に対応したパワー半導体の高機能化(駆動周波数の高周波化)が加速し、高周波領域において特性を発揮する軟磁性材料のニーズが高まっております。このニーズの急拡大に応え、日立金属株式会社(以下 日立金属)は、ファインメット®の増産投資を行い、生産能力を3倍に増やします。

1.背景

 日立金属の特殊鋼事業は、自動車関連分野において、グローバル市場でのさらなる成長をめざしています。この中でも特に、xEV を中心とした環境性能に優れたエコカー関連製品を成長ドライバーと位置付け、重点施策としてグローバル拡販に取り組んでいます。
 近年、xEV、鉄道、再生エネルギー用の電源系回路の小型・軽量化のため、Si(ケイ素) を用いたIGBT※2の高性能化や、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)などの次世代半導体の登場により、従来にも増して高周波での駆動が要求されるようになりました。しかし、この高周波領域では、電磁鋼板を使用した変圧器やリアクトルでは鉄損※3が大きく、これに起因する温度上昇を抑制するために、小型化が難しくなる課題があります。また、小型・省スペース化と同時に、従来製品では抑えられない高周波領域でのノイズが発生しています。
 これら背景により、xEV 関連を主とする新用途の需要急拡大に伴い、変圧器、リアクトル、ノイズフィルター用チョークなどの用途において、高い透磁率と磁束密度の両側面を合わせ持つファインメット®の材料特性が注目されています。

2.概要

 市場のニーズに応えるため、このたび日立金属は、製造ラインの増強を実施し、2018年度末までに生産能力を3倍(2017 年度対比)に増やします。さらに、工程改善により製品個々の品質向上も追求します。
 日立金属特殊鋼事業では、今後とも本製造ラインの導入をはじめとする成長戦略の実行に注力することで、生産能力増強と製品力の強化を実現し、本市場の先駆者として自動車の電動化および環境性能向上に貢献して世界のお客様とともに持続的成長をめざします。

3.投資内容

(1)場所:
メトグラス安来工場、Hitachi Metals (Thailand), Ltd.
(2)目的:
xEV 関連を主とした需要の急拡大への対応
(3)投資規模:
2018 年度末までに生産能力を3倍に増加(製造ラインの増強、工程改善)
写真:ファインメット®リボン/ファインメット®コモンモードチョーク

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