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明治海運/売上高は前年比11%増、経常利益は前年比24・3%減(平成28年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

平成28年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

単位・百万円  

      売上高    営業利益   経常利益    当期純利益

28年3月期 35,469 11.0  4,438 59.0  4,237 △24.3  1,063 △56.5

27年3月期 31,940 13.5  2,792 10.6  5,601 △18.3  2,446 73.0

(注) 包括利益 28年3月期 3,128 百万円 ( △55.0%) 27年3月期 6,954 百万円 ( 16.9%)

(略)

〈経済環境〉

当連結会計年度における世界経済は、原油価格の下落と中国経済減速の2大要因に大きく影響を受けました。先進 国では原油価格低下の恩恵を受け、回復基調に転じましたが、新興国では、中国経済減速のあおりを受け、資源価格 安から通貨不安が発生し、減速しました。しかしながら、世界経済全体としてはかろうじて拡大基調を維持したと言 えます。 米国では、連邦公開市場委員会(FOMC)が、2015年12月経済指標好転を背景に約10年ぶりに利上げに踏み切りまし たが、2016年3月に開催された同委員会では、世界経済における減速感が強いことから、その後の利上げに慎重な姿 勢となっています。またポピュリズムの蔓延している大統領選候補者選びが、今後の政治・経済に与える影響が大き なものになると懸念されています。 欧州経済は欧州中央銀行(ECB)が2016年3月デフレ懸念払拭のため、追加金融緩和策を発表しましたが、引き続 く難民流入問題や、EU各国で発生しているテロの脅威等が欧州経済回復に重くのしかかっています。 中国経済は以前の勢いはありませんが、かろうじて6%台後半の成長率を保っています。ロシア・ブラジル等の資 源国家は資源価格の低迷で財政が圧迫され、自国通貨の防衛に躍起になっている状況であり、景気は減速基調にあり ます。 一方、我が国経済は輸出・生産は上向いたものの、個人消費の落ち込みが大きく、GDPは2014年比+0.6%と低成長 でした。起爆剤として日銀は2016年1月に日本で初めてマイナス金利政策の導入を発表しましたが、残念ながら現在 のところその効果は現れていません。

〈外航海運業〉

このような状況のもと、為替は対ドル円レート120円前後で推移しましたが、2016年2月以降円高基調となってい ます。バンカー価格は原油価格の下落を受け、トン当たり300ドルから160ドルに急落しました。 大型タンカー市況は、2014年後半からの好況が続き、2015年の夏場に一旦下落したものの、秋以降は回復し、2015 年末には中東/日本航路の運賃市況がワールドスケール(WS)80台後半となりました。原油安でトレードが活発化し 新造船の流入圧力を吸収、中国の石油備蓄を含む需要が底上げをしました。また、2016年3月積の市況はVLCC船型で 中東/日本航路でWS95となり、2010年5月以来の最高値を記録しました。 バルカー市況は、全船型で記録的な安値を更新し、2016年2月にはバルチック海運指標も1986年7月以来およそ30 年ぶりに過去最低記録を更新しました。老齢船のスクラップは増えましたが、引き続きの船腹過剰に加え、中国の景 気後退を背景とする需要停滞が追い打ちをかけることになりました。また、国内外オペレーターの経営破綻や船主へ の傭船料減額要請が相次ぎ、オペレーターの信用問題も再燃しました。 自動車船市況は、円安およびガソリン価格の下落等の影響により、北米向船腹需要が2014年と同水準で堅調に推移 したものの、中近東向けの建設機器、自動車販売が伸びず、日本出しは減少傾向となり、ロシア向けも2014年比4割 と減少し、新興国への輸送は減少しました。7,000台積ポストパナマックス型や、鉄道車両などの背高重量貨物にも 対応できる新造船が次々と竣工し船型の大型化が進む一方、既存の4,000-5,000台積の中型船の需要が減り、傭船マ ーケットで余剰感が出ています。 このような状況下、当連結会計年度の外航海運業部門は、前連結会計年度に売却した船舶の稼働減の影響はあった ものの、ドル建て傭船料の円安基調による増加に加え、当連結会計年度に投入した新造船の稼働により、売上高は 22,438百万円(前年同期比7.7%増)となり、船舶コストの減少もあり、外航海運業利益は2,874百万円(前年同期比 117.9%増)となりました。なお、船隊近代化の一環として、当連結会計年度に連結子会社において新造船バルカー 3隻、チップ船1隻を投入した一方で、タンカー、バルカー各1隻を売船し、その売却益873百万円を特別利益に計 上しました。また、一部船舶の収益性の低下等による減損損失3,753百万円を特別損失に計上しています。

〈ホテル関連事業〉

ホテル関連事業部門においては、宴会部門で2014年に引き続き上半期は厳しい市場環境が続きましたが、年度末が 近づくにつれて僅かながら持ち直しの基調も見えてきました。国内外からの観光客の動きも堅調で宿泊部門は各ホテ ルとも好調に推移しました。また、ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパが期初から通年稼働していることによ り、当連結会計年度においてホテル関連事業の売上高は12,556百万円(前年同期比18.1%増)となり、ホテル関連事 業利益は1,285百万円(前年同期比7.1%増)を計上しました。

〈不動産賃貸業〉

不動産賃貸業部門では、売上高は473百万円(前年同期比0.2%増)、不動産賃貸業利益は277百万円(前年同期比 2.0%増)となりました。 以上の結果、当連結会計年度において売上高は35,469百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は4,438百万円 (前年同期比59.0%増)、前連結会計年度において為替差益3,034百万円を計上しましたが、当連結会計年度では為 替差損196百万円に転じた影響もあり、経常利益は4,237百万円(前年同期比24.3%減)となり、特別利益には前述の 船舶売却益873百万円、特別損失には前述の減損損失3,753百万円をそれぞれ計上しました。また、第1四半期連結会 計期間より平成27年度税制改正に伴う繰延税金資産・繰延税金負債の調整および、当社の在外子会社(連結子会社) の2社が、当期から外国子会社合算税制の適用除外基準を充足したと判断し、前期までに計上していた繰延税金負債 を取り崩すこととしました。その結果、これらを含めた法人税等調整額△2,887百万円を計上し、親会社株主に帰属 する当期純利益は1,063百万円(前年同期比56.5%減)になりました。

〈次期の見通し〉

今後の世界経済を展望しますと、2016年も引き続き米国と中国が主役となるものと思われます。米国経済は引き続 き個人消費の増加をけん引力に緩やかなペースでの成長が見込まれます。2016年に予定されている追加利上げは世界 経済に対する影響度合いが大きいと考えられます。 EU圏では、英国のEU離脱国民選挙、またフランス・ドイツでの極右政党の台頭が、経済回復に影を落としかねない 状況にあり、また中国経済への依存度が大きいため、さらなる中国経済減速も経済の下振れリスクとして大きいもの と思われます。中国経済は中庸な成長率を目標に運営される予定ですが、その政治体制から内包されている問題も多 く、輸入量の減少等の実質的経済減速もあり得る状況にあり、世界経済はますます不透明感を増しています。 日本ではマイナス金利の導入、消費税率の再引き上げの延期といった政策が、経済活動の段階的な回復を支えるこ とが見込まれます。しかしながら、米国の利上げ、世界経済の減速等の要因により、株式の下落、円高の進行等の下 振れリスクも大きいものと予見されます。 このような経済状況のなか、当社グループの経営方針は従前と変わりなく、安全、安心、安定を根本に経営基盤の 一層の充実を図っていきます。 外航海運業部門は、平均為替レートを当期比円高想定とするものの、新たに投入した船舶がフル稼働し、加えて新 造船2隻が稼働することなどから、当期並みに、売上高は22,400百万円となり、外航海運業利益も2,900百万円とな る見通しです。次期以降もこれまで円高対策として取り組んできた船費、主に入渠費の予算管理を徹底し、中長期の 定期傭船契約に基づく安定的な利益体質の確保に努めていきます。 ホテル関連事業部門では、国内外の観光客の増加もあり宿泊稼働率の増加、宴会部門もやや回復基調にあることな どから、ホテル関連事業の売上高は当期比増の13,100百万円、ホテル関連事業利益も1,500百万円と増益となる見込 みです。ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパで、新たに中華レストランをオープンするなど、収入の拡大を図 りつつ、引き続き費用の適正化に努めることで事業の安定化を図っていきます。 不動産賃貸業部門は、保有不動産の品質の維持・向上を図りつつ、今後とも安定的な収益確保を目指していきま す。不動産賃貸業の売上高は500百万円、不動産賃貸業利益は300百万円となる見通しです。 以上により、通期の連結売上高は36,000百万円(当期比1.5%増)、連結営業利益4,700百万円(当期比5.9%増)、 連結経常利益は3,000百万円(当期比29.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は900百万円(当期比15.4%減)と 予想しています。なお、次期の平均為替レートは1US$=108円の想定としています。

(略)

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