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大王製紙/セルロースナノファイバーのパイロットプラント稼動

SCM・製造拠点 2023.06.17

セルロースナノファイバーのパイロットプラント稼動のお知らせ
~『省エネルギー』を追求した製造プロセスの開発~

 大王製紙株式会社(東京本社:東京都千代田区富士見二丁目10番2号、以下 「当社」)は、革新的先端材料として注目を浴びているセルロースナノファイバー(以下CNF)について、これまでの研究開発成果を基盤としたパイロットプラントを当社三島工場(愛媛県四国中央市)内に設置、本年4月に稼働させました。
 これにより、CNF事業化に向けた課題である「製造コストの低減」に対し、省エネルギー型CNF製造プロセス研究開発を加速させるとともに、CNFサンプル供給量ならびに供給先を増やし、早期の事業化を図ります。

1. パイロットプラントについて
《設備概要》
 ・生産能力 年間100トン(最大生産時)
 ・稼働時期 2016年4月
 ・設置場所 当社三島工場
 グレードの異なる解繊工程を組み合わせたCNF製造プロセスにより、エネルギー使用量を従来の5分の1に削減する目途が立ちました。

2. CNF用途・事業化について
 当社では、三島工場で生産される種々のパルプから、多様な特徴を持つCNF製品を品揃えできます。今後、本プラントの稼動を通じて産学官での研究開発を加速させるとともにCNF利活用企業等へサンプル提供を増やし、様々な用途開発を進めていきます。
《用途の可能性》
 増粘・分散材料用途:化粧品、食品増粘剤、塗料 など
 分離・担持材料用途:フィルター、セパレーター、特殊紙 など
 包装材料用途:バリアフィルム、バリアシート など
 構造材料用途:ゴム補強剤、樹脂補強剤 など

3. 今後の計画について
 ・本年6月には、薬品等による前処理工程を設置し、エネルギー使用量を従来の10分の1に削減するCNF製造の実証を開始する予定です。
 量産化時には、経済産業省のロードマップ目標の製造コストである1,000円/kg以下になる見込みです。(※1)
 ・複合材料の製造に適したドライパウダーCNF(※2)供給に向け、来春に乾燥設備を設置する計画です。
 ・更に、本プラントのスケールアップに係る検討、品質改善を進め、2020年に商業プラントの建設を計画しています。

 ※1:本CNF省エネルギー型製造プロセスの開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の成果によるものです。
 ※2:本研究の一部は、2015年度に環境省の委託事業として実施した「低炭素型ナノセルロース複合ゴム製造工程の開発」の成果です。

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