伊藤忠商事/鉄鋼業界のグリーン化に貢献する低炭素還元鉄のサプライチェーンを構築 グリーン物流(環境) 2023.06.17 鉄鋼業界のグリーン化に貢献する低炭素還元鉄のサプライチェーンの構築について 2022年9月1日 伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、JFEスチール株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長(CEO):北野 嘉久、以下「JFEスチール」)、アラブ首長国連邦(UAE)鉄鋼最大手のEmirates Steel Arkan(本社:UAEアブダビ、Group CEO:HE Eng. Saeed Ghumran Al Remeithi、以下「エミレーツ・スチール」)と共に、鉄鋼業界のグリーン化に貢献する低炭素還元鉄のサプライチェーン構築にコアメンバーとして参画し、プロジェクト候補地をアブダビとする詳細な事業化調査を共同で推進することで合意いたしました。 世界的にカーボンニュートラルの動きが加速する中で、鉄鋼業界においても脱炭素化への対応が喫緊の課題と位置付けられており、伊藤忠商事としても顧客である鉄鋼業界と共にこの課題解決に取り組んでいます。 エミレーツ・スチールが生産を担う還元鉄は、徹底した低炭素化により生産される製鉄原料となります。鉄鉱石の還元には価格競争力のある天然ガスを使用しますが、そのプロセスで排出されるCO2はUAEの油田へ圧入(EOR)するCCUSで処理します。電源については、天然ガス由来から太陽光等の再生エネルギー由来へ切り換えることを想定しています。また、将来的には水素還元法の導入によるCO2排出量のネット・ゼロ化も視野に入れています。 この低炭素還元鉄は、JFEスチール他製鉄会社に供給され、主に製鉄原料として活用され、CO2排出量の削減に貢献します。鉄鋼生産で発生するCO2の約80%が高炉による鉄鉱石還元プロセスに由来していますが、鉄鉱石をコークスで還元する高炉法に比べてCO2排出量の少ない低炭素還元鉄に鉄源を代替することでCO2排出量の削減が可能となります。 グリーン化に貢献する低炭素還元鉄のサプライチェーンにおいて、伊藤忠商事は低炭素還元鉄生産に不可欠な高品位鉄鉱石の安定調達と供給を担います。更にはグローバルネットワークを活かした低炭素還元鉄の販売網構築や、豊富なプロジェクト・ファイナンスのノウハウ活用など、サプライチェーンの幅広い分野で強みを発揮してまいります。 当プロジェクトにおいて、伊藤忠商事は高品位鉄鉱石の安定調達、エミレーツ・スチールは低炭素還元鉄の製造、JFEスチールは生産される低炭素還元鉄を製鉄原料として積極活用を担い、3社で連携して鉄鋼業界のグリーン化に向けたサプライチェーンの構築を目指してまいります。今後は、コアメンバー企業で実施済みの事業コンセプト検証を踏まえて、詳細な事業化調査及びサプライチェーンの構築を進めていく計画で、UAEに設立予定の合弁会社のもとで2025年度下期から低炭素還元鉄の生産を開始し、JFEスチールを中心としたアジア市場に供給していくことを目指します。 伊藤忠商事は中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の基本方針のひとつとして「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げており、今回「グリーン鉄源のサプライチェーン」にコアメンバーとして参画することで、パートナーとともに鉄鋼業界の脱炭素化及びSDGsの達成に向けて貢献してまいります。 エミレーツ・スチール会社概要 会社名 Emirates Steel Arkan 所在地 Abu Dhabi Industrial City (ICAD), Musaffah, Abu Dhabi, UAE 設立 1998年 代表者 HE Engineer Saeed Ghumran Al Remeithi (Group CEO) 事業内容 鉄鋼業 主要株主 SENAAT(アブダビ政府系投資会社)、一般投資家