資生堂/最先端の生産技術を備えた「福岡久留米工場」を竣工 SCM・製造拠点 2023.06.17 資生堂、最先端の生産技術を備えた「福岡久留米工場」竣工 ~スキンケアの国内新3工場がすべて完成~ 資生堂は、「エリクシール」など中価格帯のスキンケア製品の生産工場として、5月20日に福岡県久留米市に福岡久留米工場を竣工し、6月より本格稼働を開始します。当社は19年に那須工場、20年に大阪茨木工場を設立し、この度福岡久留米工場の竣工をもって国内新3工場がすべて揃い、メイドインジャパンの高品質な製品をグローバルに安定的に提供する生産体制が整いました。 資生堂は、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」のもと、抜本的な経営改革を実行しています。長期安定的な供給基盤構築のために国内に工場を新たに3つ設立し、2030 年までにスキンビューティー領域における世界 No.1 の企業になることを目指しています。福岡久留米工場は最先端のIoTを取り入れた効率的な生産を特長とし、資生堂のスキンビューティー領域の生産をグローバルでリードしていきます。 [外観] Download Small Image[52.0KB]Download Large Image[884KB] [リニアモーター駆動の梱包装置] Download Small Image[74.4KB]Download Large Image[1970KB] 福岡久留米工場の特長 ① アジアに向けたスキンケア製品の生産工場福岡久留米工場は、日本発のエイジングケアブランドで、日本以外にも中国やトラベルリテールなどアジアを中心に展開している「エリクシール」をはじめとした中価格帯のスキンケア製品を生産します。2026年以降生産数量を最大約1.4億個まで引き上げ、将来の需要に対応していきます。また、九州の立地を生かし、生産した製品は博多港から短期間でアジアのお客さまに出荷することが可能となります。 ② 最先端のIoTを取り入れた効率的な生産体制 福岡久留米工場は、最先端IoTテクノロジーなどを取り入れた化粧品工場です。これまでベテラン社員が長年培った知識や高度な技術で設備運転の条件を調整していたことを、経験の浅い社員でも匠の技を発揮できるようセンシング技術と情報処理技術で支援し、生産技術の標準化、高度化につなげます。具体的には、グローバルで業界初となる「化粧品の中身製造において、複数の品質項目をリアルタイムでモニタリングし、設備を自動制御する製造方法」に加え、少人数でのオペレーションのための複数ラインの作業進捗可視化システムなども活用し、さらなる品質の安定性と生産性の向上を実現します。また、一部の化粧品の充填仕上げラインにおいては、最新のロボットや化粧品業界初のリニアモーター駆動の梱包装置を導入し、生産性が約3倍(当社既存設備比)に向上します。効率化により生み出された時間を他の製造エリアでのさらなる改善に費やし、より一層の品質向上に結び付け、効率的な生産と高品質を実現します。 ③ 環境に配慮したサステナブルな工場福岡久留米工場は環境に配慮した建屋構造を有しており、工場建造物としては評価の高い、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)のAランクの評価を取得しました。当工場では外壁や屋根の断熱性能を高め、照明器具も全館LED照明を採用するなど、建築物省エネ法が定める基準建築物に対し19%の省エネルギー(BEI値※1)で建設しています。 また、施設内で利用する電力は100%再生可能エネルギーを用いています。駐車場の敷地には太陽光パネルを設置しており、2023年にはさらに倍の太陽光パネルを設置し、当工場で使用する年間消費電力の11%※2にあたる合計1,800MWhの発電量を見込んでいます。また工場正面の白い外壁タイルは、原料に再生材料を20%以上用いることとされているグリーン購入法の基準を満たした特注タイルを使用しています。さらに地震や自然災害への対応として、太陽光パネルで発電した電力を使用し、地下水をろ過した水を飲料水として供給することや一部トイレを停電時にも使用できるなど、災害時には地域の皆さまが活用頂ける設備を備えています。※1 BEI値:設計一次エネルギー消費量(その他一次エネルギー消費量を除く)を基準一次エネルギー消費量(その他一次エネルギー消費量を除く)で除した値。新築時の一次エネルギー消費性能基準においては、BEIが1.0以下であれば基準適合となる。※2 89%の電力は九州電力の再エネECOプランにて水力・地熱に由来する電気を使用 ④ 「PEOPLE FIRST」な職場環境資生堂は「PEOPLE FIRST」という考えのもと、人財が会社にとって最も大切な資産であり、「強い個が強い会社をつくる」という組織を目指し、人財育成へ積極的に投資しています。生産現場でも高い品質を支えるのは人財という考えのもと、働きやすい環境を取り入れています。当工場でも従業員の6割以上を占める女性目線でのワークプレイス改革をはじめ、場所とスタイルを自由に選択できるABW(Activity Based Working)の考え方に基づいたフリーアドレスのオフィス環境を取り入れ、全スタッフ部門を集約した広い空間を設計することで、部門間の交流による業務効率の最大化や、新価値の創出を生み出すオフィスを実現しています。 ⑤ 地域のみなさまと共に当工場は地域に開かれた工場として、民間、官公庁、学校など、地域の交流活動の場となれるよう、地域との共存共栄を目指します。単なる工場としての機能だけではなく、工場から世界の人々にブランド価値と品質へのこだわりを発信し、資生堂ファンを増やす拠点としても位置付け、一般のお客さま向けに見学施設「BEAUTY PLANET」をオープンし、2023年以降に工場見学をスタートする予定です。 福岡久留米工場の概要 住所: 福岡県久留米市田主丸町鷹取808土地面積: 9.7万㎡ (2022年5月現在)建築概要: 地上4階(鉄骨造)投資規模: 約450億円生産品目: 国内外向け中価格帯のスキンケア製品生産能力: 年間約1億4千万個 (2026年以降)稼働開始: 生産開始2022年4月、出荷開始2022年5月20日 資生堂、新たなサプライチェーン拠点を大阪茨木市に設立 ※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。