兵機海運/経常利益は前年比149・5%増(2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)) 決算短信 2023.06.17 2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)単位・百万円 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 2022年3月期 16,087 23.7 488 162.3 523 149.5 358 10.72021年3月期 13,001 △7.0 186 △31.6 209 △34.2 324 100.2(注)包括利益 2022年3月期 427百万円 (△29.3%) 2021年3月期 604百万円 (―%) (略) 1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況当連結会計年度におけるわが国経済は、上半期は緊急事態宣言などが断続的に発出され、行動制限により個人消費が低迷するなど、力強さを欠いた経済活動を強いられました。下半期は、緊急事態宣言などが解除されたことにより、経済活動の制限緩和に伴って景気持ち直しの明るい兆しを見せましたが、2022年の年明け以降にはオミクロン株の感染拡大、2月下旬以降のロシアによるウクライナ侵攻ならびに原材料供給逼迫やエネルギー資源高騰など、予断を許さない状況で推移しました。このような状況下におきまして、当社グループは「安全・迅速・信頼」をモットーに、国民生活と企業活動のライフラインを支える物流業者として、如何なる時世にも顧客に対する輸送責任を果たす「堅実な兵機」との信頼を得るべく、事業展開を進めてまいりました。内航事業では、社船及び傭船による鉄鋼輸送が順調に推移しました。一方で、船舶燃料油価格の高値推移によるコスト増もありましたが、輸送量の増加でカバーして利益を伸ばしました。外航事業では、当連結会計年度中は概ね極東ロシア航路が好調に推移したことに加え、委託船による建機類の輸送を新規に引受け、前期実績を大幅に上回る売上・利益を確保出来ました。港運事業では、海上運賃高騰や海上コンテナ不足などにより取扱量に懸念があったものの、新規貨物の受注及び前期に引き続き輸入食品貨物の取扱いが順調に推移し、利益を伸ばしました。倉庫事業では、堅調な姫路地区倉庫に加えて、神戸地区倉庫の危険品貨物取扱量の増加が利益に貢献し、設備投資が功を奏した結果となり、収益向上に繋がりました。これらの結果、当連結会計年度の実績は、次のとおりとなりました。当期は取扱輸送量3,984千トン(前期比650千トン増 119.5%)と増加し、売上高は16,087百万円(前期比3,086百万円増 123.7%)と増収になりました。また、経常利益も523百万円(前期比313百万円増 249.5%)と増益になりました。なお、前期は固定資産売却益298百万円を特別利益に計上したことより、最終利益を押し上げました。当期はその様な多額の特別利益の計上はありませんでしたが、親会社株主に帰属する当期純利益は358百万円(前期比34百万円増 110.7%)と増益になりました。 当連結会計年度におけるセグメントの営業状況は次のとおりです。① 海運事業(イ)内航事業・・・・・国内鉄鋼市場が総じて堅調に推移したことにより、鋼材及び原材料スクラップの輸送量が増加しました。なお、燃料価格の高騰が続いており、また所属船の傭船料改定を実施したことによりコストが増加しましたが、効率的な配船により運航稼働率を向上させ、収益を押し上げることが出来ました。 結果としまして、取扱量が1,853千トン(前期比381千トン増 125.9%)と増加しました。売上高は6,632百万円(前期比1,020百万円増 118.2%)、営業利益も272百万円(前期比157百万円増 236.9%)と増収増益になりました。 (ロ)外航事業・・・・・第4四半期半ばにロシアがウクライナへ侵攻した影響により、当社の主力航路である極東ロシア航路に地政学リスクが顕在化しました。しかしながら、当連結会計年度に関しましては、極東ロシア航路が3月上旬までは好調に推移したこと、また、台湾航路も堅調に推移したことに加えて、新規に委託船を用いた建機類の輸送及び三国間輸送の取扱い、ならびに円安によるドル建ての海上運賃差益もあり、収益を大きく伸ばしました。 結果としまして、売上高は1,966百万円(前期比770百万円増 164.4%)、営業利益も108百万円(前期比93百万円増 697.5%)と大幅な増収増益になりました。 ② 港運・倉庫事業(イ)港運事業・・・・・コロナ禍による海外港湾作業の停滞や各国の海上コンテナ需要の増加などにより、世界的な海上輸送費の高騰が前期より続いております。また、原材料や半導体不足がメーカーの生産計画に影響を与え、輸出入スケジュールが不安定となりましたが、新規スポット案件の獲得により、取扱い通関件数も輸出が前期比103.4%、輸入が前期比109.3%とその成果が現れました。 結果としまして、売上高は5,984百万円(前期比1,233百万円増 126.0%)、営業利益も83百万円(前期は12百万円の営業損失)と黒字回復を果たしました。 (ロ)倉庫事業・・・・・普通品倉庫での一般貨物取り扱いは、コロナ禍による物流の停滞で苦戦を強いられましたが、港運・倉庫事業が一体となる営業活動を実施したことにより、付加価値の高い危険品貨物の取扱いが順調に伸びました。また、神戸物流センターと兵庫埠頭物流センターで取扱い貨物の振り分けや作業員、荷役機器の適正性を考慮した相互配置により、効率的な運営体制をとれました。 一方で、施設修繕や作業能力強化の戦略的実施に加えて、管理経費の増加が利益を圧迫しました。 結果としまして、売上高は1,503百万円(前期比61百万円増 104.3%)、営業利益は22百万円(前期比44百万円減 33.7%)と増収減益になりました。 (略)