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川崎汽船/納期短縮およびコストダウンを実現する新形式 FLNG ハルの概念設計を確立しアメリカ船級協会から設計基本承認(AIP)を取得

物流全般 2023.06.17

納期短縮およびコストダウンを実現する新形式 FLNG ハルの概念設計を確立
~アメリカ船級協会から設計基本承認(AIP)を取得~

川崎汽船株式会社(以下、「当社」)は日揮グローバル株式会社(以下、「日揮グローバル」)と共同で、既存 LNG 輸送船の LNG 貯蔵タンクを利活用した新形式 FLNG ハル(注 1)の概念設計を確立し、アメリカ船級協会(以下、「ABS」)から、設計基本承認(AIP:Approval in Principle)(注 2)を取得しました。
FLNG(浮体式 LNG 生産設備)は、原料ガス輸送用のパイプライン敷設コストを削減し、ガス田枯渇後も FLNG を別の海域に転用できることなどから、陸上から遠く離れた海底ガス田、なかでも陸上 LNG プラントでは採算が合わない中小規模ガス田の開発に適しています。中小規模海底ガス田は、世界各地の海底に数多く存在し、新興国を中心とするエネルギー需要の増加と、化石エネルギーのなかでも環境に優しい LNG への転換に伴い、アジア・アフリカ地域を中心にFLNG による事業化計画が複数進展しています。
当社と日揮グローバルは、国土交通省の支援(注 3)を得て、新形式の FLNG ハルの開発を進めてまいりました。本 FLNG ハルは、その中心的な機能である LNG 貯蔵設備として、旧世代の既存の LNG 輸送船から球形(モス型)タンクを移設・再利用することで、以下の効果を追求したものです。
 高価で特殊技術を要する LNG 貯蔵タンクの新造を不要とし、ハルの建造費を低減
 それに伴い、ハルを建造することが可能な造船所の選択肢を増やし、納期短縮や価格低減が期待される
当社は、LNG 船事業に長年にわたり従事し、LNG 船の建造・運航に関する豊富な経験を有しております。また、FPSO の運用に参画する(注 4)などオフショア事業にも取り組んでおります。
共同開発者の日揮グループは、世界にて稼働中・建造中の FLNG 計 7 隻の内 2 隻の設計・調達・建設(EPC)を手掛けているほか、コミッショニング(試運転)支援などにも関与しており、FLNGに関して世界トップクラスの実績があります。
LNG は化石燃料の中でも比較的低炭素でクリーンな燃料と位置付けられ、今後も新興国の需要増を背景に堅調に推移すると見込んでおります。当社は日揮グローバルとの本 FLNG 開発成果も活かし、多様化する顧客ニーズに対応すべく引き続き LNG バリューチェーン事業に注力してまいります。
(注 1)FLNG は主に、LNG 貯蔵タンクを含むハル(船体)部分と、トップサイドと呼ばれる上載プラントにより構成され、天然ガスの液化による LNG の生産・貯蔵・出荷を洋上にて行います。
(注 2)設計基本承認とは、新規技術や既存規則が詳細に規定されていない分野において、認証機関が基本設計を審査し、安全性や技術要件の基準を満たすと承認されたことを示すものです。

(注 3)海洋資源開発関連技術高度化研究開発事業:
海洋開発分野の船舶に用いられるパッケージ化製品や低コスト化に貢献する製品の製品化に向けた研究開発に取り組む事業者に対して支援するものです。
(注 4)FPSO サービス概要について:https://www.kline.co.jp/ja/service/energy/about/fpso.html

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