トルビズオン/桑折町、伊達西根堰土地改良区、日本工営等と農業用水路上空を航路としたピザのドローンデリバリー実証実験を実施 物流システム 2023.06.17 株式会社トルビズオン、桑折町、伊達西根堰土地改良区、日本工営等と、農業用水路上空を航路とした、ピザのドローンデリバリー実証実験を実施 旬の野菜で作ったピザを、農業用水路上空を「空の道」としてドローン配送 株式会社トルビズオン(代表取締役社長:増本 衛、以下「トルビズオン」)は、桑折町(町長:髙橋 宣博)、伊達西根堰土地改良区(理事長:佐藤 秀雄)、日本工営株式会社(代表取締役社長:新屋 浩明、以下「日本工営」)、の協力のもと、桑折町におけるドローンを活用したフードデリバリーに関する実証実験を、2022年4月14日に実施致しました。また本実験を契機とし、農業用水路上空を軸としたドローン航路網の構築に向け、検討を開始します。 1 本実証実験の趣旨現在の地方が抱える課題として、物流業におけるドライバー不足、山間部に居住されている高齢者の方の免許証返納等のライフスタイルの変化、公共交通機関の不便性などが挙げられます。これらを解決する手段として、ドローン配送サービスが社会的に注目されています。 他方、農業水利施設を維持管理している土地改良区や自治体の抱える課題として、多くの地区で施設の老朽化や、農業者減少による維持管理負担の増大が挙げられます。この現状を踏まえ、国会では農業用水利施設の維持管理費確保に向けた収益事業を可能とする土地改良法改正案が本年4月施行に向けて審議されています。 伊達西根堰土地改良区(福島県伊達郡)は、西根堰や藤倉ダムをはじめとする農業用水利施設を所有・管理する組織であり、施設見学やノルディックウォーキングの開催等を通じた地域づくりに意欲的に取り組んできました。しかし、農業者の減少等により、今後の維持管理費を確保していくことが課題となっていることから、日本工営と共に、施設の新たな利活用方法(収益事業)の検討を進めてきました。 そこで、日本工営は農業用水路上空をドローン空路として活用することを伊達西根堰土地改良区に提案し、「sora:share(ソラシェア)」というサービス提供を行っているトルビズオン(2021年5月プレスリリース https://pdf.irpocket.com/C1954/qlkO/uXzB/WZFP.pdf )、桑折町と連携して本実証実験を行いました。 今回の実証実験は、農業用水路の利活用と地域の課題解決を目指しており、桑折町と伊達西根堰土地改良区が主体となり、桑折町の農業用水路上空をドローン空路として活用する方法について検討を開始します。本年4月には、地元で人気を集めるピザ屋であるレガーレこおり『Pizza Sta』のピザを地元住民の方に向けてドローンでデリバリーを行うという実証実験を実施しました。ピザに用いる食材には、桑折町産の季節の野菜をふんだんに使用しています。 また、ドローン飛行は、トルビズオンが展開するサービス「sora:share(ソラシェア)」を利用し、自動航行で行います。「sora:share」は土地所有者とドローンユーザーを繋ぐシェアリングエコノミーであり、両者が合意形成したうえで安心なドローン飛行を支援するサービスです。今般、農業用水路上空を活用した「町の住民が手軽に注文できるドローン・フードデリバリーサービス」をテーマとした実証実験を行いました。 2 実証実験概要■日時:2022年4月14日(木) 10時00分~12時00分 ■場所:福島県伊達郡桑折町ドローン飛行離発着場所:福島県伊達郡桑折町大字下郡字下郡前5−2飛行ルート:下図参照 ■実験内容:-農業用水路上空におけるドローン飛行のリスクアセスメント-農業用水路上空におけるピザのドローン配送の検証(レベル2飛行)-sora:shareを活用したドローン航行に対する社会受容確保-離発着便数…計1便(往復)-使用機体…マルチコプター型ドローン(DJI M300)-搬送重量…1.5kg -搬送距離…約3km ■今回の実証実験の配送ルート 実証実験で使用する機体(DJI M300)、配送するピザのイメージ、レガーレこおり外観 ◆実証実験参加団体(実施主体)あいうえお順・株式会社トルビズオン…プロジェクトマネジメント、上空シェアリングsora:share・桑折町…関係者調整、広報・伊達西根堰土地改良区…空路情報および飛行ルートのフィールドの提供、関係機関との連絡調整・日本工営株式会社…電子地図を利用した水路上空の空路デザイン、コンサルティング (協力団体)あいうえお順・JAふくしま未来…配送用ピザの具材提供、広報協力・伊達果実農業協同組合…配送用ピザの具材提供、広報協力・笹川工建株式会社(SCOL SORA)…ドローン機体提供・レガーレこおり…配送用ピザの提供、飛行発着点のフィールド提供 3 今後の展開について我々は2022年度に予定している有人地帯での目視外飛行(レベル4)の実施に向けた航空法改正を見据えて、桑折町での採れたて農産物やテイクアウトのドローン配送による労働負荷の軽減、災害時の物資支援、また、ドローンによる災害現場や有害鳥獣の被害状況確認等への活用、町が抱える課題を官民連携により解決していきたいと考えております。 桑折町は交通の要所でもあることから、将来的には空飛ぶクルマの活用等も見据えて、今後も検討を進めてまいります。また、福島市や伊達市、国見町といった周辺の自治体との広域連携を進めることで、より広範囲に空路を繋げていくことも検討していきます。 桑折町の名産である献上桃、今が旬のアスパラガス 本実験の位置付けはその第一弾であり、JAふくしま未来や伊達果実、伊達西根堰土地改良区といった地元事業者と今後とも協力し、桑折町全体でドローンを活用した地域課題解決を推進してまいります。 日本工営・トルビズオンはこのような「農業用水利施設上空のドローン空路利用」モデルを全国の施設所有者・管理者へ提案していきたいと考えております。