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NECファシリティーズ/YDKの物流拠点を組立加工場に改造するリメイク工事を受注

物流不動産・施設 2023.06.17

YDKの物流拠点を組立加工場に改造するリメイク工事を受注

~既存建物のリメイク工事で、早期かつ低コストでの生産能力拡大を支援~

NECファシリティーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:松下 裕、以下NECファシリティーズ)は、株式会社ワイ・デー・ケー(本社:東京都稲城市、代表取締役社長:坂本 洋子、以下YDK)より、同社の物流倉庫の一部を組立加工場に改造するリメイク工事を受注しました。当社は、本年4月稼働に向けて新しい組立加工場の整備を進めてまいります。

リメイク工事とは、既存の建物を他の用途に転用するために必要となる内外装の補強、防音や断熱など居住性の向上、空調や照明などの電気設備や各種配管などの見直し、および地震や火災対策などを実施するものです。リメイク工事には用途変更に伴う煩雑な法対応が必要となるものの、新しく建物を建設する場合と比べ、お客様は保有する不動産の有効活用および早期かつ低コストでニーズに合う環境を整備することができます。

写真:YDK本社(東京都稲城市)
YDK本社(東京都稲城市)

背景

YDK は1952年(昭和27年)創業以来、半導体/液晶製造・検査装置、産業用設備、放送・伝送通信機器、制御機器などの設計・製造を一貫体制で実現しているメーカーで、国内に5工場を展開し国内大手製造業のサプライチェーンにも多数組み込まれています。
新型コロナウイルスの感染拡大により加速した世界的な半導体市場の活況から得意先への供給体制強化と物流の効率化を目的に、YDKは東京都内に所在する物流拠点を組立加工場に改造し、本社工場内の同機能を移転する構想を検討していました。
このような要望を受けてNECファシリティーズは、具体的なプロジェクト計画の立案と実行スキームの構築、設計から工事までをワンストップで実行しました。

建物概要(施工前)

用  途:倉庫業を営む倉庫(特殊建築物:建築基準法第35条適用)
防火地域:準防火地域
敷地面積:11,937.37m2/延べ床面積:8,947.20m2
鉄骨造一部鉄筋コンクリート造3階建て(耐火建築物)

本件の特徴

(1)お客様のリスクを低減し費用対効果を最大化するアットリスク型CM方式(注1)

アットリスク型CM方式では、高度な専門技術を持った当社のコンストラクション・マネージャーがお客様の立場に立って品質、コスト、スケジュールなどを戦略的にマネジメントするとともに施工上のリスクを当社が負うため、お客様には安心して当社に一任いただきました。CM方式の主なメリットは以下のとおりです。

  • ・分離発注によるコスト低減とVE(Value Engineering)提案
  • ・建設コストの妥当性評価と費用構造の見える化
  • ・集中購買による価格折衝と抑制
  • ・適正な工程管理、安全管理、品質管理、リカバリプランニング
(2)半導体工場のクリーンルーム施工で培った設計技術

設計にあたり、単なる建屋・設備のリメイクではなくサプライチェーンの重要拠点であることを大前提に、当社が培ってきた半導体工場の設計技術をベースに以下の重要な要素を反映しました。

  • ・新しい組立加工場で製造される製品の品質とデリバリを最優先とした設計(作業導線とレイアウト、物流導線、電源容量、建屋内の除湿と圧縮空気配管など)
  • ・従業員の作業効率と居室空間としての快適性への配慮(照明、空調、騒音、振動、臭気対策など)
  • ・環境配慮(外壁の断熱、LEDや省エネ機器の採用、低天井化による空調効率の向上など)
  • ・供給体制の更なる増強/物件解約時の原状回復を見据えたフレキシブルな設計(壁、内壁、床、窓など補修範囲の最小化、オーナー企業との折衝など)
(3)法制度対応における豊富なノウハウ

NECグループ・製造業のお客様の工場施設運営やBCP(注2)立案の実績、また不動産事業も営む当社ならではのノウハウを生かし、倉庫の一部を組立加工場(作業居室化)へ転用するために必要な建築基準法や消防法などの法制度対応に向けて、以下の点を計画に織り込みました。

  • ・採光、換気、排煙、消火設備や非常用照明装置の設置基準の確認と対策
  • ・直通階段や避難経路の設置の確認と対策
  • ・その他工場立地法、倉庫業法等の関係法令の遵法確認

また、自治体や消防局との協議・折衝などもYDKと当社が協働して実施いたしました。

写真:施工前
施工前
写真:施工中
施工中
写真:竣工前
竣工前

今後の展開

今回NECファシリティーズは、当社の保有する高度な工場設計技術・知見、建設工事に関する法制度対応のノウハウを高く評価され、採用いただきました。今後当社は、需要拡大による組立加工場エリアのさらなる増強含め、YDKの事業拡大支援に向けた様々な提案を行う計画です。
NECファシリティーズは、お客様工場のライフサイクルマネジメントにTotal IFM(注3)で貢献し、総合的な課題解決を提供しています。

以上

  • 注1

    CM(Construction Management)方式

    建設工事の発注方式のひとつで、一般に知られている顧客を施主とした請負方式と異なり、発注者の補助者・代行者であるコンストラクション・マネージャーが技術的な中立性を保ちつつお客様の立場に立って一連の工事プロジェクトを戦略的にマネジメントする。CM方式には、工事は請け負わずマネジメントのみ行うピュア型CM方式と、工事とマネジメント業務の両方を請け負うアットリスク型CM方式があり、当社はいずれの方式にも対応可能。

  • 注2

    BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)

    自然災害・事故・不祥事などが生じた際に、被害を最小限に抑え、最も重要なビジネスを素早く再開させることで、損害の発生を最小限に留める経営管理計画。

  • 注3

    Total IFM (Integrated Facility Management)

    NECファシリティーズの持つ施設管理・建設・環境・不動産・保険の5つの事業のシナジーにより、製造業を中心にお客様の事業活動の「探す」「建てる」「使う」「守る」を提供。今後もお客様の工場ライフサイクルマネジメント(Factory Life Cycle Management)に貢献し、お客様価値の最大化を推進します。

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