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ファイズホールディングス/経常利益は前年比67・5%増(2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2021年3月期  決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

       売上高   営業利益 経常利益 当期純利益

2021年3月期 12,951 21.7  595 70.6  584 67.5  376 104.7

2020年3月期 10,638 -   349 -   348 -   183 -

(注)包括利益 2021年3月期 381百万円 (56.4%) 2020年3月期 243百万円 (-%)

(略)

(1)当期の経営成績の概況

当連結会計年度における我が国経済は、世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症(以下「新型コ ロナ」という)の感染拡大の影響で大打撃を受けました。年度後半に入ると世界各国でワクチン接種が本格化し、 日本においても医療従事者や高齢者などを対象にした接種がスタートしたものの、その一方で変異株の出現などが 明らかとなりました。国内の感染状況は依然として一進一退の状態が続いており、それに伴い、景気の回復も大幅 に遅れてしまっているのが実情です。国内のワクチン接種は当初計画から大きくずれ込んでおり、景気低迷のさら なる長期化も懸念され始めています。 国内の物流市場も新型コロナにより多大な影響を受けています。トラック輸送の領域では、企業間を行き来する 貨物の荷動きが落ち込み、運賃は値下げ基調に転じています。ネット通販などのECや流通業の分野では、比較的 荷動きが活発に推移しているものの、トラック輸送の市場全体は縮小傾向にあります。 このような厳しい経済・社会情勢下において、当社グループでは、主にEC(注1)ビジネスを手掛ける企業を 対象にしたサードパーティー・ロジスティクス(3PL)(注2)事業である「ECソリューションサービス事 業」として、①物流センターの運営機能(業務)を提供する「オペレーションサービス」、②拠点間の幹線輸送や 配車プラットフォーム機能の提供(利用運送)などを手掛ける「ロジスティクスサービス」、③ルート配送やラス トワンマイル配送などを担う「デリバリーサービス」の3つのサービスメニューを軸に、事業拡大を進めてきまし た。 「オペレーションサービス」では、大手ネット通販会社向け物流センターの運営受託業務を中心に事業を展開し ました。全国各地の物流施設において、従業員の新型コロナへの感染や事業所内クラスターの発生などが懸念され る中、ファイズオペレーションズでは「『ソーシャル・ディスタンス』の確保を大前提とした新たな庫内オペレー ション体制」を確立・運用し、スタッフの安全確保や「物流を止めない」センターオペレーションを実現してきま した。その結果、「巣篭もり消費」で出荷ボリュームが軒並み拡大する環境下でも、高い作業生産性を維持するこ とができました。 また、EC向け以外でも、新規プロジェクトとして第1四半期にスタートした関東エリアでの大手流通業向け一 括物流センターの運営業務や、第4四半期にスタートした関西エリアでの大手消費財メーカー向けマザーセンター の運営業務などにおいて、安定した稼働を実現できました。 「オペレーションサービス」では、既存クライアントの出荷増や販促キャンペーン実施などを背景に、通期にわ たってスタッフ採用に積極的に取り組みました。労働力不足で売り手が優位だった採用市場は、新型コロナ以降、 買い手市場に転じました。こうした環境の変化もあり、広告出稿費など採用に掛かるコストを低く抑えながら、人 員増強を図ることができました。 「ロジスティクスサービス」では、利用運送事業である配車プラットフォームサービス(T-Board)の育成に力 を注ぎました。EC領域をはじめ、食料品や生活関連商材など新型コロナの影響を受けにくい領域にターゲットを 絞って営業活動を展開したことが奏功し、利用登録事業者数(荷主および実運送会社)、成約件数ともに大きく伸 ばすことができました。 一方、実運送では、EC関連貨物を対象にした拠点間輸送の受託件数が大幅に伸長しました。また、当連結会計 年度内に中央運輸が当社グループに新たに加わり、稼働トラック台数が増加しました。メーカーの工場〜メーカー の物流センター間、配送デポ間といった新規の定期輸送案件の開拓にも成功しました。 「デリバリーサービス」では、宅配便の集配代行業務での対象エリア拡大や、既存受託エリアでの増車対応など を推進しました。さらに、ラストワンマイル領域では、EC関連貨物の個人宅への配送や、百貨店の配達代行、フ ードデリバリー代行といった既存サービスを強化するとともに、新たに生活必需品の定期個配サービスをスタート しました。 管理面において翌連結会計年度以降のさらなる成長を見据え、従業員の採用及び教育について積極的に投資を行 いました。 以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高12,951,260千円(前年同期比21.7%増)、営業利益 595,703千円(同70.6%増)、経常利益584,383千円(同67.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益376,499千円 (同104.7%増)となりました。

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

ECソリューションサービス事業

「巣篭もり消費」拡大や販促キャンペーンなどによって、ネット通販会社向け物流センターの運営受託事業で は、入出荷量が大幅に増加しました。また、大手流通業向け一括物流センターの運営業務や、大手消費財メーカー 向けマザーセンターの運営業務も堅調に推移しました。 輸配送事業では、配車プラットフォームサービスの取り扱い件数が伸長するとともに、新規荷主の獲得に成功 し、ファイズトランスポートサービスや中央運輸といったグループ会社での実運送事業収入が拡大しました。 センター運営事業および輸配送事業での収入増を図る一方で、採用コストの抑制や運行経費見直しなどコスト削 減策に取り組んだ結果、当セグメントの売上高は12,902,049千円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益は 649,871千円(同8.8%増)となりました。 ECソリューションサービス事業の各サービス別の売上は次のとおりであります。

① オペレーションサービス

コロナ禍での購買行動の変化などを受けて、国内のEC化率は右肩上がりで推移しています。それに伴い、EC 向け物流センターの運営業務ニーズは旺盛で、既存クライアントの入出荷量は拡大傾向が続きました。また、一括 物流センターやメーカー向けマザーセンターといったEC以外のセンター運営事業も安定的に推移しました。その 結果、売上高は9,129,239千円(前年同期比18.1%増)となりました。

② ロジスティクスサービス

国内全体の荷動き低迷が続く中、ECや食料品、生活関連商材などをターゲットにした営業活動を強化した結 果、配車プラットフォームサービスや実運送サービスにおける新たなクライアント獲得に成功しました。物流セン ター間で発生する横持ち幹線輸送業務、メーカー工場〜物流センター間、配送デポ間といった輸送案件の新規開拓 にも取り組みました。その結果、売上高は3,257,760千円(前年同期比47.9%増)となりました。

③ デリバリーサービス

大手宅配便会社(日系および外資系)向けに提供する集配代行業務での投入車両数の増加や対象エリアの拡大を 進めました。贈答品の宅配やフードデリバリー、生活必需品の定期個配といったラストワンマイル領域での事業拡 大も図りました。その結果、売上高は515,048千円(前年同期比25.4%減)となりました。

その他

その他サービスとしては、IT技術者の派遣や各種情報システムの開発、ウェブサイト制作といったシステムコン サルティングサービスを提供しました。当連結会計年度より本格化している人材紹介事業では、取り扱い実績を大 幅に伸長させることができました。その結果、売上高は49,211千円(前年同期比173.2%増)となりました。

(注1)ECとは、インターネットやコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称。また、Webサイトな どを通じて企業が消費者に商品を販売するオンラインショップのこと

(注2)サードパーティーロジスティクスとは、荷主が第三者であるロジスティクス業者に対し、物流業務全般を長 期間一括して委託すること

(略)

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