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日本郵船/自動車専用船の運航スケジュール策定支援システムを開発

物流システム 2023.06.17

自動車専用船の運航スケジュール策定支援システムを開発

GHG排出最小化と業務改善を追求

日本郵船株式会社(以下、「当社」)は、当社グループの株式会社NYK Business Systems(以下、「NBS」)と共に、環境負荷低減と業務改善の双方を実現する自動車専用船の運航スケジュール策定支援システムを開発し、運用を開始しました。

1. 背景

当社の自動車専用船の運航スケジュールは、本船と貨物の安全確保を大前提に、寄港地やブッキング台数、本船の貨物積載状況、お客様の到着日ご要望などを元に、港の混雑状況や予想される航路上の天候などの変動要素を総合的に判断して策定されています。一方で、複数の港で積み荷・揚げ荷をする特性から、最適なスケジュールを割り出すために多くの手動計算や関係者との調整を行う必要があり、運航担当者の業務負荷軽減や、ノウハウ継承の仕組みづくりが課題となっていました。
この課題解決のため、当社はDigitalizationの取り組みの一環として、NBSと共に自動車専用船のスケジュール策定業務支援システムの開発を進めてきました。

2. 自動車専用船の運航スケジュール策定支援システムの概要

この度、完成し運用を開始した運航スケジュール策定支援システムは、従来の手動計算では導き出せなかった最適スケジュールを提示することで、運航担当者の業務を効率的に支援するものです。
船舶ごとの運航データをタイムリーに収集するSIMS(注1)などの社内システムと連携しており、寄港地や積み降ろし台数などの条件を指定すると、短時間に数十万通りのシミュレーションを行い、寄港地への到着日時、航行速度設定等、本船毎の最適な航行スケジュールを提示します。

このシステムを活用することにより、従来よりも迅速な意思決定が可能となるほか、長期的な知識の蓄積・継承にも寄与します。また、船舶が排出するGHG(温室効果ガス)を最小化するスケジュールの策定も可能となり、気候変動へ対応したサービス実現に大きく貢献すると見込んでいます。

3.今後の展開

当社は引き続き、運航スケジュール策定支援システムの演算ロジック改良と既存の社内システムとの連携を深度化させ、更なるシミュレーション精度の向上を目指します。また、外部の優れた技術や知見を積極的に取り入れ、業務効率化による働き方改革をさらに進めると同時に、GHG排出量削減に取り組んでいきます。
本システムを始めとした各種の運航支援システムの開発・改良は、2050年までに輸送単位当たりのCO2排出量を半減させる当社の環境経営目標の達成に向けたソフトウェアイノベーションの一つであり、Sail GREENプロジェクト(注2)の一環です。次世代環境対応船の投入を始めとしたハードウェアイノベーションと共に、ESG経営戦略の両輪として積極的に推進してまいります。

当社グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」(※)を2021年2月3日に発表し、よりクリーンな輸送サービスの提供を通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めております。今後もESG経営を力強く推し進めるべく、気候変動に対応した事業戦略を通じ、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進してまいります。

※NYKグループ ESGストーリー
当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースよりご覧いただけます。

(注1)SIMS (Ship Information Management System)
運航状態や燃費、機器の状態など毎時間の詳細な本船データを船陸間でタイムリーに共有するための、当社グループが開発したシステム。

(注2)Sail GREENプロジェクト
従来の重油焚き船と比較しCO2排出量の少ないLNG燃料自動車専用船の投入を中心に、世界各地で展開する完成車ターミナルや、陸上輸送も含めた全輸送期間でCO2排出量低減を図り、お客様のサプライチェーンに還元していく、当社自動車輸送本部のプロジェクト名称。

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