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日本貨物鉄道/経常利益は前年比98・9%増(2020年3月期 決算短信(連結))

決算短信 2023.06.17

2020年3月期  決算短信(連結)
単位・百万円  

       売上高     営業利益   経常利益  四半期純利益

2020年3月期 198,954 3.8   10,079 73.2   8,987 98.9  5,049 -

2019年3月期 191,693 △1.5  5,818 △52.6  4,518 △56.8  △208 -

(注)包括利益 2020年3月期 4,861百万円 (13.9%) 2019年3月期 4,267百万円 (△49.0%)

(略)

(1)連結経営成績に関する定性的情報

当社グループにおいては、当年度よりスタートした「JR貨物グループ 中期経営計画2023」のもと、各種施策 に取り組んできました。 当年度は、2018年度に発生した「平成30年7月豪雨」からの回復を図るとともに、収支改善のための運賃改定の 取組み、新規顧客の開拓、並びにダイヤ改正での、お客様からの要望が強く収益性の高い区間の輸送力増強等の施 策により収入の確保に努めてまいりました。しかしながら、2019年10月の「令和元年東日本台風」では、貨物鉄道 における主要線区である東北線が2週間以上に亘り寸断され、グループの総力を挙げ、トラック・船舶の活用と迂 回輸送による代替輸送力の確保に努めたものの、大幅な減収を余儀なくされました。 一方、2020年2月に東京貨物ターミナル駅構内にマルチテナント型大型物流施設「東京レールゲートWEST」が竣 工しました。貨物駅の物流結節点機能が強化され、全国を繋ぐ鉄道ネットワークと相俟って、物流生産性の向上が 図られ、「鉄道を基軸とした総合物流企業グループへの進化」に向けその第一歩を踏み出しました。 新たな視点からの経営改革である「業務創造推進プロジェクト」では、OA端末の刷新をはじめとする次世代ITイ ンフラシステムを導入し、リモートワーク・在宅勤務等の柔軟な働き方の推進など、数々の取組みが実行段階に移 行しました。同時に社会課題解決型をキーワードに新規事業の検討にも着手し、事業案の選定等を進めました。 この結果、当連結会計年度は営業収益1,989億円(前年同期比+3.8%)、営業利益100億円(前年同期比+ 73.2%)、経常利益89億円(前年同期比+98.9%)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、50億円 (前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2億円)となりました。

ⅰ)鉄道ロジスティクス事業

最大の事業基盤は「安全」との認識のもと、鉄道輸送の商品力強化や信頼性向上に取り組みました。 安全面では、グループ一体となって、更なる安全性の向上に取り組みました。現場管理者による自職場の課 題把握とPDCAに基づく改善活動を行うほか、厳正な資質管理の一つとして、動力車を操縦する運転士に対して は、乗務前のアルコール検知器による確認、携帯電話等の電源「切」の徹底を図りました。 商品づくり・営業面では、人手不足や労働時間の規制強化等からモーダルシフトの流れが続く中、2019年3 月のダイヤ改正において、お客様からの要望が強く収益性の高い九州向けの輸送力増強に加え、関西~九州間の 中長距離帯の輸送力増強も行い、お客様のニーズを取り込んだ輸送サービスの提供に努めました。この他、輸送 需要の旺盛時期には弾力的に輸送力を増強するほか、営業活動においては貨物鉄道のご利用に積極的なお客様と の勉強会を通じての新規開拓等を進めてまいりました。 輸送面では、2019年10月の「令和元年東日本台風」により、貨物鉄道における主要線区である東北線が2週 間以上に亘り寸断されました。この間、利用運送事業者各社の協力を得ながら、グループの総力を挙げ、トラッ ク・船舶の活用と迂回輸送による代替輸送力の確保に努めましたが、大幅な減収を余儀なくされました。 一方で、「平成30年7月豪雨」を機に社内に設置した災害リスク検討会において、この間、災害発生時のBCP (事業継続計画)強化に取り組んでまいりました。トラック及び船舶代行を含めた代替輸送力・輸送手配の精緻 なシミュレーションを行うほか、代行トラック駐車場及び代行トラックドライバー用の宿泊施設の事前の選定 等、BCP強化の一環として進めてきた施策を、今回の災害(令和元年東日本台風)時に実際に活用し、円滑な代 替輸送体制の構築が出来ました。 総合物流サービスの展開に向けては、当社として、総合物流を「鉄道輸送サービスの提供にとどまらず、お 客様の物流効率化に向けて、課題・ニーズに基づき様々なサービスを組み合わせた最適な物流ソリューションの 提案」と定義し、2019年6月には「総合物流推進室」を新設する等、総合物流事業の実現に向けた戦略・具体策 等に着手するとともに、グループ内の倉庫事業会社再編により事業基盤の強化を図りました。 また、当社初となるマルチテナント型大型物流施設「東京レールゲートWEST」が2020年2月に竣工、3月より 本稼働する等、「鉄道を基軸とした総合物流企業グループへの進化」の第一歩を踏み出しました。 経費面では、安全の確立、安定輸送の確保、輸送品質の維持等の事業継続に必要な経費は確実に執行しつ つ、維持・更新投資に加え、会社の持続的成長につながる成長・戦略投資も進めました。また調達コスト低減に も継続して取り組み、競合環境の強化と発注条件の見直しによりコスト削減を進めたほか、機関車の新製では安 定供給の確保とコスト抑制の両立を図るため、複数年契約を導入しました。 この結果、当連結会計年度は営業収益1,778億円(前年同期比+6.4%)、営業損失12億円(前年同期は営業損 失53億円)となりました。

ⅱ)不動産事業

2018年度においては、八王子南口分譲マンション等の大規模な不動産事業を実施してきており、2019年度は その反動減があったものの、2020年2月に竣工した磐田駅北口分譲マンションの売却や既存物件の賃料の維持に より収入確保に取り組みました。また関連事業の新たな柱とするべく、市場から不動産物件を購入し、安定した 賃料収入を得ることも継続しました。 加えて、開発計画の実行性を高めるため、不動産事業に精通した社員や技術系社員を採用するなど、体制強 化や人材育成を進めました。 この結果、当連結会計年度は営業収益224億円(前年同期比-10.7%)、営業利益112億円(前年同期比+ 2.2%)となりました。

ⅲ)その他

子会社におけるリース収入および建設資材販売収入の減少とそれに伴うリース原価および仕入経費の減少等に より、当連結会計年度は営業収益102億円(前年同期比-7.1%)、営業損失0億円(前年同期比-108.5%)とな りました。

(略)

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