会長  浅井 隆

 明けましておめでとうございます。会員事業者の皆様をはじめ関係各位には、平素から格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。令和2年の新年を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

 さて、昨年は、元号が「平成」から「令和」へと変わり、天皇陛下御即位や消費税増税など変革の年でした。そんな中、台風・豪雨などの自然災害が大変多い年でした。犠牲となられました方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に謹んでお見舞い申し上げます。
 東ト協では、台風15号及び19号等の被災地への緊急支援物資輸送を実施し、被災者救済のため、尽力してまいりました。

 また、高齢運転者による悲惨な交通事故、運転中のスマートフォンの使用やあおり運転などが社会問題化し、道路交通法が改正強化されるなどドライバーを取り巻く環境は大きく変わってきています。

 明るい話題としては、ノーベル化学賞受賞、スポーツ界では女子アスリートの活躍で、テニス全豪初制覇や全英ゴルフ優勝、卓球ワールドツアー優勝など、女性の活躍が目立った一方、ラグビーワールドカップでの日本チームの活躍がありました。

 昨年9月に代々木公園で開催しました「トラックフェスタ TOKYO 2019」(親子で体験!安全と環境)には、約3万2千人もの多くの都民の皆様にご来場いただき、東ト協の取り組みなどPRを行い成功裏に終わることが出来ました。
 フェスタのテーマでもある「安全と環境」の推進に至っては、警視庁管内における会員の第1当死亡事故は一昨年と同じく過去最低となりました。また、グリーン・エコプロジェクトは13年間で、約18万4千トンのC02削減、事故削減率は約30%となりました。フェスタ実行プロジェクトの方々と本部・支部の皆様のご努力並びに会員の皆様のご協力に感謝いたします。本年は「トラックフェスタ TOKYO 2020」(親子で体験!安全と環境:仮称)を9月に駒沢オリンピック公園で開催いたしますので、引き続きご協力をお願い申し上げます。

 国内は依然として、少子高齢化による影響で、特にトラック業界の人手不足は著しく、全産業の中でも厳しい状況が顕在化しております。

 トラック業界は、一昨年成立した「働き方改革関連法」により、時間外労働について罰則付きの上限規制が導入されることとなり、自動車運転業務の時間外労働は、2024年度から年960時間(月平均80時間)以内の上限規制を適用されることとなり、将来的には一般則(年720時間:月平均60時間)の適用を目指すこととなっております。

 昨年開催した「働き方改革」、「貨物自動車運送事業法の改正」や「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」、「ホワイト経営」などのセミナーを本年も引き続き開催し会員の皆様の経営環境を支援してまいります。

 働き方改革に関連し、一昨年に議員立法で成立した「貨物自動車運送事業法」により、昨年7月には「荷主対策の深度化」として、荷主の配慮義務、荷主勧告制度の強化、国土交通大臣の荷主への働きかけ等、11月には「規制の適正化」として、許可基準の明確化、参入制限、遵守すべき事項の明確化などが図られました。本年には、時限措置(2023年度末)である国土交通大臣による「標準的な運賃」が定められ告示される予定となっております。

 東ト協としては、働き方改革や労働時間改善に向け、昨年12月の東京都知事のヒアリングでは、「働き方改革と労働者不足対策への支援策」や「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催時の一般道路等に対する渋滞緩和対策の追加対策」等について要望し、一般道路等に対する渋滞緩和対策の追加要望については、警視庁、オリパラ準備局、大会組織委員会や国土交通省等に要望を行ったほか、駐車問題につきましては、昨年8月に、都内52箇所78枠が警視庁から規制緩和されましたが、昨年12月に、更なる規制見直し・緩和措置について再度「要望書」を提出しました。

 いよいよ本年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。東ト協として、あらゆる機会をとらえ「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催時の渋滞緩和対策」について意見を発出してまいります。特に一般道路の渋滞が懸念されるため、その対策を要望するとともに会員の皆様への情報発信に努めてまいります。

 4月には、本部事務局の組織改正と新たな人事制度を実施し、組織機能を強化し、効率的かつ高品質な業務運営体制を構築するため4部9グループに再編し大括り化、業務効率化を図り、一層の会員サービスの向上に努めてまいります。

 本年は特に、オリンピック・パラリンピック対策を最重点に取り組むとともに、国民生活、産業活動を支えるライフラインとしての使命をもって、課題であります労働力不足、長時間労働改善、事故防止対策、適正運賃・料金収受、環境対策、駐車問題等の多くの山積する課題の克服を目指し、業界の更なる発展に向け全力で尽くしてまいります。

 協会運営を円滑に行い、「会員重視の協会」、「会員のための協会」を実現するには、会員の皆様のご理解とご協力が必要不可欠でございますので、引き続き、更なるお力添えをお願い申し上げます。

 結びになりますが、関係各位の一層のご支援・ご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げますとともに、本年の皆々様のご事業のご隆盛とご健勝・ご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

 令和2年 元旦 

 一般社団法人 東京都トラック協会
   会長   浅井 隆