パナソニック/水素ステーション「H2 Kusatsu Farm」が稼働 グリーン物流(環境) 2023.06.17 水電解とガス改質の2方式を採用し、水素エネルギーの実用性を検証 水素ステーション「H2 Kusatsu Farm」が稼働 パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、次世代エネルギーとして関心が高まる水素の実用性を検証するため、滋賀県草津市にあるアプライアンス社草津拠点構内に水素ステーション「H2 Kusatsu Farm」を建設し、同ステーションから水素補給した燃料電池フォークリフトの構内運用を開始しました。 「H2 Kusatsu Farm」は、太陽光パネルの電力で水を電気分解して水素を製造する水電解水素製造装置と、家庭用燃料電池「エネファーム」で培った技術を生かして開発を進めているガス改質による小型水素製造装置の2つの方式を採用し、天候に左右されず安定的に水素を供給できます。1日に燃料電池フォークリフト約2台分(*1)の水素を製造する能力を有し、約3分間(*1)でフル充填できるため、長時間の充電が必要なバッテリー式フォークリフトに比べ、時間的なロスがなく効率的に稼働できるメリットもあります。水素を充填したフォークリフトは構内の「エネファーム」工場の完成品などの運搬に用い、水素エネルギーの安定運用や経済性などを検証しながら、水素製造装置の技術開発を加速していきます。 水素は、クリーンかつ安定供給が可能で、長期貯蔵や運搬が容易という特長を持ち、太陽光・水力・風力発電などの再生可能エネルギーとの組み合わせによる電力の有効活用も含めて、脱炭素社会に向けた次世代エネルギーとしてグローバルに関心が高まっています。当社は、2009年に都市ガスから生成した水素を用いて電気と熱をつくる世界初の家庭用燃料電池「エネファーム」を日本で発売して以来、発電耐久時間の向上、高効率化、コンパクト化などの進化に力を注ぎ、現在はドイツやイギリスなど欧州7カ国(*2)にも展開するなど、燃料電池事業を発展させてきました。 これらの実績を踏まえ、水素を燃料として効率的に発電する純水素燃料電池の開発も進めており、2012年以降、山梨県「ゆめソーラー館やまなし」や「静岡型水素タウン」プロジェクトなどで実証実験を重ね、2021年4月を目途に純水素燃料電池を製品化する計画です。 また、東京2020大会 選手村跡地として開発される東京都晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業「HARUMI FLAG」にも、当社の純水素燃料電池や「エネファーム」が導入される予定です。 当社は、今後も家庭用燃料電池のリーディングカンパニーとしての知見と技術を生かしながら水素エネルギー活用の技術開発に取り組み、脱炭素社会の実現に貢献していきます。 【H2 Kusatsu Farmの外観】 【H2 Kusatsu Farmの基本仕様】 水素供給方式 オンサイト方式(*3) 充填圧力 35 MPa 充填能力 29 Nm3/日 設置面積 10 m2(5 m×2 m) 【注釈】 (※1)水素タンクを空の状態からフル充填した場合 (※2)ドイツ、オーストリア、フランス、イギリス、ルクセンブルグ、ベルギー、オランダ(2019年11月18日時点) (※3)水素ステーション内で水素を製造し、圧縮、蓄圧、充填する方式