NS ユナイテッド内航海運/リチウムイオン電池搭載型内航鋼材船「うたしま」就航 物流全般 2023.06.17 リチウムイオン電池搭載型内航鋼材船「うたしま」就航 当社グループの NS ユナイテッド内航海運株式会社(代表取締役社長:菅原 泰)では、小池造船海運株式会社(広島県大崎上島町、代表取締役社長:小池英勝 以下、「小池造船海運」)で建造したリチウムイオン電池搭載船「うたしま(総トン数 499 トン)」が 2019 年 2 月 27 日に就航いたします。同船の船主は向島ドック株式会社(広島県尾道市、代表取締役社長:杉原 毅 以下、「向島ドック」)で、就航後は新日鐵住金株式会社の鋼材製品輸送に従事する予定です。本船は、船主の向島ドックと、船舶用電機システムを構築した西芝電機株式会社(兵庫県姫路市、取締役社長:小林一三 以下、「西芝電機」)、本船を建造した小池造船海運が共同開発した最新鋭の省エネ船です。 本船の最大の特徴は、日本国内の内航貨物船として初のリチウムイオン電池を利用したハイブリッ ド推進システムを搭載する省エネ船であることです。 動力源には、従来のディーゼルエンジンに加え、推進電動機兼軸発電機の2つの異なる推進機関を 装備しています。通常はディーゼルエンジン運転で太平洋上などを航行しながら、同時に軸発電機を 回転させリチウムイオン電池の充電を行います。また、陸上の電源供給設備からも急速充電すること が可能です。東京湾や大阪湾などの湾内においてはディーゼルエンジンを停止し、充電されたリチウ ムイオン電池から推進電動機へ給電し、プロペラを回転させることで、内燃機関を使用しない運航を 行なうことができます。これにより CO2 排出ゼロとする「港湾内ゼロエミッション」の実現も可能と しました。また推進電動機で航行しているときは、低騒音、低振動であるとともに、船員の労務負荷 もディーゼルエンジン運転時より軽減できます。 さらには荷役、停泊時の船内電力も、リチウムイオン電池から給電することになり、停泊時の無騒 音、無振動の船内環境を確保することが可能となりました。 「うたしま」に搭載されるリチウムイオン電池の総容量 3,500kWh は、リチウムイオン電池を搭載 する一般的な普通自動車 2,700 台分に相当します。 独創的、革新的技術を採用した本船「うたしま」は内航船の様々な課題解決に挑戦し、地球環境と 船員の両方にやさしい次世代船「ゼロカーボン・シップ」実現への道筋を示し、SDGs の達成に貢献す る取り組みの開始と位置付けることができると考えております。 NS ユナイテッド海運グループは今後も最新鋭の船舶技術を積極的に採用し、「安全」且つ「高品質」 な海上輸送サービスを提供できるよう取り組んでまいります。 【うたしま 主要目】 総 ト ン 数 : 499 トン 載 貨 重 量 : 1,700 トン 主 要 寸 法 : 全長 76.19m × 幅 12.00m × 深さ 7.13m 航 海 速 力 : 11.0 ノット 最 大 搭 載 人 員: 7 名 主 機 関: 阪神内燃機工業 LA-30(1,800PS) 推進電動機 兼 軸発電機: 西芝電機(発電 180kW/推進 300kW) 電池充放電システム: 西芝電機(放電 711kW/充電 120kW) リチウムイオン電池: 東芝インフラシステムズ SCiB(3,500kWh)