昭和シェル石油/海月研究所とクラゲコラーゲン・ムチン供給の共同事業化を検討 SCM・製造拠点 2023.06.17 昭和シェル石油と海月研究所、クラゲコラーゲン・ムチン供給の共同事業化を検討 ~新規事業に関する社内提案制度により、クラゲの処理と有効活用を目的に実施~ 2018/09/04 昭和シェル石油株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 CEO:亀岡剛、以下「昭和シェル石油」)は、株式会社海月研究所※1(本社:神奈川県高津区、代表取締役:木平孝治、以下「海月研究所」)とクラゲの採取およびコラーゲンやムチンなどの化粧品・医療品の原料成分の生産に関する共同事業化(2018年末目標)検討について、基本合意書を締結しました。 昭和シェル石油グループの発電所や製油所は製造工程における冷却水として海水を利用していますが、海水取水時に取水口を閉塞させてしまうほどの大量のクラゲが発生することがあり安定操業上の問題となっています。これは当社のみならず、海水を利用する工場所有の事業者や漁業事業者の間でも同様の問題を抱えており、クラゲ対策は社会的課題となっています。 共同事業化を検討する海月研究所は、世界各地で大量発生するクラゲへの対策として、クラゲからコラーゲンやムチンなどの成分を生産し利用する技術を開発し、同成分の医療分野での活用について、大学との研究にも取り組んでいます。 クラゲコラーゲンは他の原料から作られるコラーゲンにはない※2特性を有し、化粧品や人工皮膚の材料として、世界中の化粧品原料メーカーや食品関連企業から注目を集めています。ただし、事業化に向けては、原料となるクラゲの安定的な確保、量産化技術、販売パートナーの獲得がポイントとなっています。 今回、共同事業化に向け原料となるクラゲの供給元として昭和シェル石油グループの所有する発電所を活用するとともに、クラゲを化粧品・医療品の原料成分として使用できる鮮度の高い状態で採取する技術の確立、販売パートナー獲得を図り、クラゲの有効活用と社会的課題の解決を目指します。 グループ発電所に集まるクラゲ 事業化検討に至る経緯 昭和シェル石油は、社員の多様な知見を活用し既存の枠にとらわれないイノベーションの創発を目指すため、昨年7月から約半年にわたり、新規事業に関する社内提案制度を導入しました。今回、海月研究所との共同事業化の検討は、社内提案制度で提案されたアイデアが発端となり実施に至りました。 基本合意の内容 原料となるクラゲの採取技術、効率的にコラーゲンやムチンなどの原料成分を生産できる装置、生産した成分の用途開発などの共同検討を実施すること。 今後の展開 2018年末をめどに事業化の可否を検討し、クラゲの有効活用と社会的課題の解決を目指します。 株式会社海月研究所について 設立:2009年4月資本金:7,400万円代表者:木平孝治本社:神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1HP:https://www.jfish-lab.com理化学研究所発のベンチャー企業として2009年設立、エチゼンクラゲやミズクラゲなどの生物からコラーゲンやムチンなどの生物に必要な有効成分を抽出する技術およびその特許を所有し、クラゲコラーゲンを添加した美容液なども販売しています。現在、国内の大学などと様々な分野での共同研究を進めています。 クラゲコラーゲンについて クラゲから採取されたコラーゲンは主にII型、IV型、V型と呼ばれており、現在大量に生産されているI型とは違った特性を持ち、人獣共通感染症のリスクがないと言われています。また、他種由来コラーゲンよりも生体親和性や安全性が高く、上皮系細胞の増殖を活性化させる効果があることが確認されていることから、化粧品や人工皮膚の材料として注目されています。 ※参考 クラゲムチンについて クラゲから採取されたムチンは、現行の変形性関節症治療薬に添加することにより軟骨の修復が促進されることが確認されており、その他にドライアイ治療薬としての効果が期待されています。