新日鐵住金/山陽特殊製の子会社化等に関する契約を締結 SCM・製造拠点 2023.06.17 新日鐵住金株式会社による山陽特殊製鋼株式会社の子会社化等に関する契約の締結について 新日鐵住金株式会社(以下「新日鐵住金」といいます。)及び山陽特殊製鋼株式会社(以下「山陽特殊製鋼」といいます。)は、2018年3月15日付プレスリリース「新日鐵住金(株)による山陽特殊製鋼(株)の子会社化等の検討開始について」において公表いたしましたとおり、2019年3月を目途に新日鐵住金が山陽特殊製鋼を子会社化(以下「本子会社化」といいます。)し、新日鐵住金が2018年6月1日付で完全子会社化したOvako AB(スウェーデンに本社を置く特殊鋼メーカー。以下「Ovako」といいます。)との3社連携も視野に、両社の特殊鋼事業の強化とグローバル事業推進体制の構築についての検討を進めてまいりました。今般、両社は、本子会社化の具体的な方法、新日鐵住金の山陽特殊製鋼に対する出資の条件等について協議が整ったことから、本日開催のそれぞれの取締役会決議に基づき、本日付で、契約(以下「本子会社化等に関する契約」といいます。)を締結いたしましたので、お知らせいたします。 今後、両社は、本子会社化等に関する契約に基づき、2019年3月28日に、以下の取引を実施する予定です。 (1)山陽特殊製鋼がOvako株式(Ovakoの完全親会社であるTriako Holdco AB(所在地:c/o Ovako AB, Box 1721,111 87 Stockholm, Sweden)の発行済株式をいいます。以下同じとします。)の全部の取得のための資金調達を目的に行う、新日鐵住金を引受人とする第三者割当増資(以下「本第三者割当増資」といいます。)。これにより、新日鐵住金の山陽特殊製鋼に対する議決権所有割合が、本第三者割当増資前の15.3%から51.5%(2018年3月31日現在の山陽特殊製鋼の株主名簿を基準に算出しており、また、新日鐵住金の連結子会社による間接所有分を含みます。)となり、その結果、山陽特殊製鋼は新日鐵住金の連結子会社となります。 (2)新日鐵住金から山陽特殊製鋼に対するOvako株式の全部の譲渡(以下「本株式譲渡」といい、本子会社化と併せて「本子会社化等」といいます。)。 なお、本子会社化のその他の条件については下記「II.本子会社化等の内容」の「1.新日鐵住金による山陽特殊製鋼の子会社化」を、本株式譲渡のその他の条件については同「2.新日鐵住金によるOvako株式の山陽特殊製鋼への譲渡」をご参照下さい。また、本第三者割当増資については、本日、山陽特殊製鋼が開示した「新日鐵住金株式会社に対する第三者割当による新株式の発行及び親会社の異動に関するお知らせ」により、本株式譲渡については、同「Ovako AB社の買収(子会社化)に関するお知らせ」により、別途開示しております。 本子会社化等は、本子会社化について国内外の競争当局の承認を得られること、本第三者割当増資について2019年2月に開催予定の山陽特殊製鋼の臨時株主総会でのご承認を得られること等を条件としております。また、本子会社化は、山陽特殊製鋼株式の上場廃止を企図するものではなく、本子会社化後も、山陽特殊製鋼の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部における上場は維持する方針です。 Ⅰ.本子会社化等の目的等 (1)特殊鋼事業を取り巻く環境 世界の鉄鋼マーケットは、長期的には需要の着実な増加が見込まれる一方、日本国内の人口減少、世界的な 保護主義化の動き、お客様のグローバル展開に伴う現地調達化の進展、自動車の車体軽量化・高強度化ニーズ の高まり、EV などの新エネルギー車の普及、再生可能エネルギーの利用拡大、製造業・サービス業におけるロ ボット活用など、社会・産業構造の変化に直面しております。 このような中、新日鐵住金及び山陽特殊製鋼が手がける特殊鋼製品は、自動車・産業機械・風力発電・ロボ ット等の様々な産業における重要部品の素材として使用されており、今後も堅調な需要の伸びが期待されると ともに、高品質な特殊鋼製品のニーズはより一層高まっていくものと考えられます。一方、特殊鋼マーケット における国内外の競争は激化しており、技術力・商品開発力・コスト競争力を強化し、国内外の競合者に対す る優位性を強化・拡大することが、両社の特殊鋼事業にとって必要であると認識しております。 (2)両社のこれまでの取組み 新日鐵住金は、新日本製鐵株式会社(1950 年設立)と住友金属工業株式会社(1949 年設立)との経営統合に より 2012 年 10 月に発足いたしました。発足以降、「総合力世界 No.1 の鉄鋼メーカー」を目指し、経営統合に よる旧両社の技術融合や効率化によるコストダウン、設備集約、海外下工程の投資、グループ会社統合再編等 により、統合効果を着実に発揮してまいりました。とりわけ特殊鋼事業については、品質対応力と生産能力の 一層の向上を目的に、2019 年度に八幡製鐵所において棒線製品向け最新鋭連続鋳造設備の立上げを予定するほ か、2018 年3月に策定・公表した「2020 年中期経営計画」の「グローバル事業展開の強化・拡大」に係る施策 として、2018 年6月には、欧州向けを中心に特殊鋼製品を製造・販売し、軸受鋼等で世界トップレベルの高清 浄度鋼製造技術と同地域最大規模の生産能力を有する Ovako を完全子会社としました。新日鐵住金は、Ovako の 完全子会社化により、特殊鋼事業における技術力・商品開発力を一層強化するとともに、欧州における製造・ 販売拠点を拡充しております。 一方、山陽特殊製鋼は、1935 年の設立で、「社会からの信頼」、「お客様からの信頼」、「人と人との信頼」の確 立を目指す「信頼の経営」を経営理念とし、この経営理念のもと、開発・品質・安定供給等、全ての面にわたっ て市場から高い信頼を獲得する「高信頼性鋼」の提供を通じて社会の更なる発展に貢献することを使命として、 日本国内有数の特殊鋼メーカーとして成長を続けてまいりました。また、山陽特殊製鋼は、2017 年4月に第 10 次中期経営計画「Sanyo Global Action 2019」を公表し、「事業基盤の強化を通じた盤石な企業体質の確立」、「研 究開発・品質競争力の強化による技術先進性の更なる追求」及び「「高信頼性鋼の山陽」のグローバルブランド 化の推進」を掲げて持続的な成長の追求に取り組んでおり、2018 年7月に公表した「極超高清浄度鋼製造プロ セス(SURP:Sanyo Ultra Refining Process)」の開発など、軸受鋼をコアとする品質競争力の強化に向け、着 実な成果を上げております。 両社は、2006 年2月に、鉄鋼需要の変動や国際的な競争激化へ対応するため、生産受委託等の提携施策のメ リットを相互に享受することを狙いとし、業務提携を実施することに合意しました。また、当該合意に基づき、 新日鐵住金は、同年6月に山陽特殊製鋼の株式を追加取得し、山陽特殊製鋼を持分法適用関連会社としました。 両社は、当該業務提携関係のもと、鋼材、原料、資材などの売買取引等を通じて相互の競争力強化を図りなが ら、事業を展開してまいりました。 (3)両社が目指す姿 このような中、両社は、自動車分野をはじめとした国内外のお客様のグローバル化の進展及び高品質な特殊 鋼製品のニーズに応え、それぞれの特殊鋼事業の中長期的な競争力強化を実現するためには、Ovako を含めた3 社の事業基盤と技術力・商品開発力・コスト競争力を融合することにより、グローバル事業展開に向けた体制 整備と高品質な特殊鋼製品への対応力強化を進めることが必要であると考え、その具体的な方法として、山陽 特殊製鋼を新日鐵住金の連結子会社とすること、及び新日鐵住金の完全子会社である Ovako を山陽特殊製鋼の 完全子会社とすることを決定いたしました。 これにより、新日鐵住金は、山陽特殊製鋼をグループに加えることで、特殊鋼事業における国内主要製造拠 点である八幡製鐵所、室蘭製鐵所等を含めた特殊鋼分野全体での最適生産体制の構築や資機材等の調達コスト 削減を進め、新日鐵住金グループの強みである技術力・コスト競争力を一層高めてまいります。 また、山陽特殊製鋼は、新日鐵住金グループの一員となることで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向 上を図るためのより安定した経営基盤を構築するとともに、欧州における有数の特殊鋼メーカーである Ovako との一体的な事業運営が可能となり、両社の強みである世界トップレベルの高清浄度鋼製造技術の融合、営業・ 販売・物流ネットワークの相互活用等を通じて、グローバルマーケットにおける特殊鋼製品とりわけ軸受鋼分 野での更なる競争力強化を図ってまいります。 新日鐵住金及び山陽特殊製鋼は、本子会社化等の実現により、新たに山陽特殊製鋼を加えた新日鐵住金グル ープとして「総合力世界 No.1 の鉄鋼メーカー」の地位を強化し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を 図ってまいります。 (4)期待される相乗効果等 本子会社化等により、新日鐵住金、山陽特殊製鋼及び Ovako の3社間で、以下のような相乗効果の創出が可 能になると考えております。これにより、山陽特殊製鋼としては年間 50 億円以上の効果の発現を目指し、また、 当該効果を含め、新日鐵住金グループとしては年間 100 億円程度の効果の発現を目指してまいります。国内外 の競争当局から承認が得られた後、具体化、実現に向けた検討を深めることといたします。 <相乗効果例> ①グループ全体での効率的な生産の追求 ・地域別最適生産体制の構築、操業ノウハウの共有による高効率・安定生産 ・海外生産拠点の強化・物流網の相互活用 ②お客様への対応力強化 ・3社各社の営業・販売ネットワークの相互活用 ・共同研究・開発による提案力強化 ③資機材等の調達コスト削減 ・原料輸送の効率化、副原料・燃料等の調達最適化 ・共通する資機材の集中購買等による合理化 なお、新日鐵住金の連結決算には山陽特殊製鋼の業績が、また、山陽特殊製鋼の連結決算には Ovako の業績 が、それぞれ反映されることとなります。 (略) 以下、詳細は下記アドレスを参照ください。 新日鐵住金株式会社による山陽特殊製鋼株式会社の子会社化等に関する契約の締結について