日本ゼオン/特殊架橋タイプ水素化ニトリルゴムの増産を決定 SCM・製造拠点 2023.06.17 特殊架橋タイプ水素化ニトリルゴムの増産を決定 日本ゼオン株式会社(本社・東京都千代田区、社長・田中 公章)は、特殊架橋タイプ水素化ニトリルゴム(以下特殊架橋タイプZetpol®)の事業拡充に向け、同社川崎工場の乾燥能力を増強することを決定しました。完工時期は2019年9月を予定しております。特殊架橋タイプZetpol®は主に自動車の重要保安部品に採用が進んでおり、本増強は需要増に対応するものです。 水素化ニトリルゴム(以下Zetpol®)は、耐油性の高いニトリルゴムを水素化することにより耐熱性を高めた特殊ゴムで、高岡工場(富山県)、川崎工場(神奈川県)、Zeon Chemicals L.P.テキサス工場(米国)の3拠点で製造されています。このうち川崎工場では、旧来のZetpol®より耐熱性を10℃以上向上させた特殊架橋タイプZetpol®を生産しており、高温領域で使用されるフッ素ゴムからの代替需要を中心に採用が進んでいます。また、ガラスコード処理や繊維処理剤向けを中心に開発が進んでいるZetpol®ラテックスも川崎工場で生産しています。特殊架橋タイプZetpol®は高いガスケット耐熱性が評価され、ガスケット、オイルシール、燃料系ホース等に使われており、Zetpol®ラテックスはダウンサイジングターボ*1エンジンに搭載される油中タイミングベルトの芯線処理剤*2として主に使用されています。ゼオングループは、これからもハイパフォーマンスな特殊合成ゴムを提供することで、自動車産業の発展に貢献してまいります。 *1 ダウンサイジングターボ: 自動車の燃費向上を目的として、エンジンの排気量を小さくする際に、動力性能を確保するために使用されるターボチャージャーやスーパーチャージャーなどの過給機 *2 油中タイミングベルト芯線処理剤: オイルが付着するエンジン内部での使用を可能とする高耐油性のタイミングベルトに、寸法安定性や 耐屈曲性を付加するために用いる繊維や鋼線状の芯体を接着させる処理剤 Zetpol® 製造プラント(川崎工場)