日立物流/誰とでもビジネスを行うことが出来るグローバル人財に向けて(2018年度 入社式 社長挨拶) 物流全般 2023.06.17 2018年度 入社式 社長挨拶 (要旨) 2018年度入社式の冒頭に行われた中谷社長挨拶の要旨は、以下のとおりです。 ■はじめに皆さん、こんにちは。社長の中谷です。皆さんは本社が京橋に移転して初めての新入社員であり、日立物流グループを代表して、心から歓迎いたします。現在、ありとあらゆる方面から、物流が注目されています。「IoT」「AI(人工知能)」「ロボティクス」といった技術のブレイクスルーや、「フィンテック」「シェアリングエコノミー」といった、社会におけるサービス・手段・価値観の多様化が進んでいる中で、当社グループは、”機能としての物流”をコアとしながらも、事業・業界を超えた協創領域の拡大を図り、新たなイノベーションの実現に向けた施策を推進しています。 ■会社が考える皆さんのキャリアプラン現在、当社グループは、日立物流本体で約2,000名、グループ会社を含めると約50,000名の従業員がおりますが、皆さん34名はグループの中核となって、将来、会社をリードすることを期待されており、そして実現しなければいけない人財ですので、自覚を持って将来を見据えた行動をお願いします。まず、当社グループは、物流という機能を「現場」を通じてお客さまに提供し、顧客満足を糧にして事業を営んでいる会社であります。そこで、皆さんには、以下の経験を積んでいただきたいと考えています。 ①最初に、我々の力の源泉である「現場」への理解を深めてもらいます。現場を実際に経験し理解を深めた後に、日本のみならず海外グループにおける実際の「現場運営」を担ってもらいます。②そして、次のステップですが、同じく国内外グループを問わず、早い時期に経営に近いところでマネジメントを学び、「現場・組織を束ねた事業運営」を担ってもらいます。③その上で、物流領域にとどまらない、新たなビジネスモデルを創造してもらうことになります。 皆さんが創造するビジネスモデルにより会社は変わっていくでしょう。「昔、この会社の事業領域は物流だけだったな。」となるぐらいの変革があっても良いと思います。また、そのような変革なしには社会の変化に適応できないと確信しています。 ■皆さんに期待すること (誰とでもビジネスを行うことが出来るグローバル人財に向けて)当社グループのめざす姿は、グローバルサプライチェーンでの『ソリューションプロバイダ』であり、その事業フィールドは国内外に広がっていくとともに、今後は物流領域にとどまらない異業種の人たちとのさまざまな協業・交流が必要となってきます。そのためにも、皆さんには是非グローバルな人財になってほしいと思います。もちろん海外勤務をすることだけがグローバルとは考えておりません。国と産業のボーダーを超えて、地球上のどんな場所でも、誰とでも、一緒にビジネスを行うことができる人財。これをグローバルな人財と位置づけております。このために、皆さんに3つのことをお願いしたいと思います。 1つ目は「文化・価値観の違いを感じ、その背景を理解し尊重すること」です。文化・価値観の違いを感じ、その上で、なぜその人たちはそう考えるのか理解しようとすることが大切であり、相手を尊重、尊敬することが大切です。2つ目は「物事を論理的に捉え、組み立て、きちんと相手に説明すること」です。例えば、日本人だけの「当たり前」がどこでも通用するわけではありません。文化・価値観が異なるところにおいては、きちんと論理的に説明して、相手に納得してもらうことが大切になってきます。3つ目は「摩擦を恐れずに発言し、粘り強くコミュニケーションを図ること」です。日本人を例にすれば、とかく摩擦を恐れがちで、言いたいことを言わないということがよくあります。これでは相手に納得してもらうことはできません。論理的に説明するとともに、相手に納得してもらい動いてもらうためには、摩擦を恐れず、粘り強くコミュニケーションを図ることが重要になってきます。 ■まとめ(『未知に挑む。』)ブランドスローガンである『未知に挑む。』について、当社の歴史と私の体験を踏まえてお話したいと思います。ご存知のように当社は日立製作所の物流子会社として創業しました。40年前に私が入社したときは、売上高700億円、従業員6,000人の規模で、日立グループのみの物流を行っていました。その後、海外展開を加速させると同時に3PL事業を通じて日立グル―プ以外のビジネスを増やし、さらには国内外でのM&Aによって、現在の事業規模は当時の約10倍となっています。これらの決断をした経営者の先見の明は大いに評価しておりますが、現実には、順風満帆ではなく、まさに“未知に挑む”連続であり、数々の失敗とそこからの学びによって、今日のビジネスモデルに至っています。私自身、20代のほとんどを重量物輸送のエンジニアとしてアフリカで過ごし、30代は当社が初めて挑戦した船舶事業に携わるなど、当社の誰も経験値を持たない仕事をさせてもらいました。“未知に挑む”がゆえに失敗のリスクはあります。実際、私も何度も失敗したこともありましたが、当社の文化は失敗を許容し、それを糧として次につなげる文化であり、新たな次の機会も与えてもらったことも事実です。この文化は不変ですので、皆さんも安心して新たなことに挑んでください。 当社グループは、大よそ110の企業体が29の国と地域で事業を展開しており、各企業体が特徴ある物流サービス、ビジネスモデルを持っていますが、これらの事業と物流領域を超えた分野での協業によって、新たな価値を創造し、世界に挑みます。それこそが、事業指針である『協創で世界に挑む』 ということであり、ブランドスローガンである『未知に挑む。』ということです。 全世界の従業員の力を結集し、ロジスティクスを超えてビジネスを新しい領域に導いていく。それには皆さんの力が必要です。大いに期待しています。 [参考] 2018年度新入社員34名 以上