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パナソニック/京都市、京都産業大学との「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」で 再配達率が43%から15%に減少

物流全般 2023.06.17

「大学のまち・京都」で宅配ボックスの実証実験を実施

「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」
再配達率が43%から15%に減少(※1)

アパートに設置された宅配ボックス、京都産業大学内に設置された公共用宅配ボックス
京都市、パナソニック株式会社、京都産業大学等は、2017年11月から2018年1月までの3箇月間にわたって宅配ボックスの実証実験「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」を実施しました。その結果、アパートでの再配達率が43%から15%に減少(※1)しました。

実証実験では、パナソニック製のアパート用宅配ボックス『COMBO-Maison(コンボ-メゾン)』合計39台を京都市内5箇所のアパート(合計106世帯)に設置するとともに、京都産業大学キャンパス内にも公共用の宅配ボックスを設置しました。

アパートでは、3箇所(66世帯)で7日間/月×3回の出口調査と、11名の利用者へのアンケートによる利用実態を確認し、再配達抑制効果などを調査したところ、再配達が43%から15%に減少し、CO2排出量の削減や宅配事業者の業務時間削減につながることが分かりました。
また、大学に設置した公共用宅配ボックスは、51名のモニターのうち29名が利用し、うち12名へのアンケートなどにより、利用実態やニーズを把握しました。実証実験期間中、112個の利用実績があり、キャンパス内の宅配ボックスが自宅以外で荷物を受け取る選択肢になり得ることが把握できました。

本プロジェクトは、京都市が主催し、パナソニック株式会社と京都産業大学及び宅配事業者が協力して実施したものです。日本一学生が集中する(※2)「大学のまち・学生のまち」京都(※3)において、インターネット通販等を利用する青少年世代に働きかけ、日中留守でも宅配便を受け取れる手段を提供することにより「環境にやさしいライフスタイル」への転換につなげようという産学公連携による試みでした。この実証実験を通じて、再配達の問題を多くの学生に知ってもらうとともに、解決策の一つとして、宅配ボックスを利用してもらえたことも成果と考えます。

※1:アパート3棟(66世帯)7日間/月×3箇月=21日間の累計での出口調査の結果より算出。
再配達率=再配達荷物を受け取り荷物総数で割算。実証実験前の数値は、宅配ボックスでの受け取り個数を再配達と換算して比較。
※2:平成29年度学校基本調査(速報値)(文部科学省)によると、人口に対する学生数(大学・短期大学の合計)の比率は、京都市が10.0%と政令指定都市の中で最も高い(2位は、福岡市で4.9%)。
※3:京都市には大学・短期大学が全部で39あり、人口の1割に相当する約15万人の学生が学ぶことから「大学のまち」「学生のまち」といわれている。
■プロジェクトの結果

■再配達の理由
18回の再配達の主な理由は、「大きすぎて入らなかった(9回)」「冷蔵品であった(2回)」「ボックスがいっぱいだった(2回)」「使い方不明(1回)」など。
大きすぎて入らなかったという理由が半分のため、大型サイズを追加することにより、再配達率は15%から8%に軽減可能になります。

※「COMBO-Maison(コンボ-メゾン)」大型タイプ(ミドルタイプ)を、2018年4月より発売
■CO2排出量と宅配事業者の業務時間の削減効果
アパート5箇所(106世帯3箇月間)に換算した場合、下記の削減につながったと考えられます。
CO2排出量の削減 → 約105kg(35kg/月)のCO2排出量の削減(※4)
宅配事業者の業務時間削減 → 約50時間(17時間/月)の業務時間削減(※5)

※4:国土交通省調査 宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会 報告書 2015年より算出
(再配達1回あたりの排出CO2 0.46kg)×(削減再配達33回)÷(出口調査世帯66戸)×(対象モニター世帯106戸)÷(調査日数21日)×(実験期間90日)
※5:国土交通省調査 宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会 報告書 2015年より算出
宅配便1個の配達に係る作業時間とは宅配便配達に係る、仕分け、積み降ろし、車両の運転、車両から消費者への配達、資材整理等を含む時間
(宅配便1個の配達に係る作業時間 約0.22時間)×(削減再配達33回)÷(出口調査世帯66戸)×(全モニター世帯106戸)÷(調査日数21日)×(実験期間90日)
■総評
○京都市
実証実験を通じて、宅配再配達の問題を多くの学生に知ってもらうとともに、解決策の一つとして、宅配ボックスを利用してもらえたことが成果ではないかと考えています。
今後も、すでにある様々なサービスの中から、自分の生活にあったものを利用して再配達の削減に取り組んでいただき、環境にやさしいライフスタイルへの転換のきっかけとなればいいと考えています。
○パナソニック
戸建て住宅(とくに共働き世帯)だけでなくアパートでも再配達は大きな課題であること、宅配ボックス「COMBO(コンボ)シリーズ」が再配達問題の切り札の一つとなることが実証できたと考えています。
今回の実証実験における一番の課題は「大型サイズの荷物が入れられない」というものでした。そこで、新製品として「大きめの容量を確保した ミドルタイプ」を4月に発売します。これによって15%だった再配達率をさらに下げることができると考えています。
当社は、我々の最終的な目標である、人が生活するすべての建物に宅配ボックス設置を目指し、CO2削減、労働力削減に貢献できるよう努めていきます。
○京都産業大学
社会問題に発展している「再配達問題」と「労働時間の問題」、そして、それに伴う「CO2排出問題」に対し、産学公が連携して実証実験を行ったことは非常に意義があると思っています。
本学は1965年に、宇宙物理学者の荒木俊馬が、当時では珍しい”産学公連携”を提唱して開学した大学です。今回のように、行政・企業・大学がむすびつき、社会に新しい価値をうみだす取り組みこそ、本学が創設以来50年以上にわたって大切にしてきたものであります。
今後もこのような取り組みには積極的に協力し、社会に貢献していきたいと考えています。
■アパート用宅配ボックス利用モニターの主なご意見
再配達にストレスを感じていたが無くなった
・宅配ボックス設置前は、不在票がポストに入っていると、再配達を依頼するという手間があり、ストレスを感じていた。しかし、宅配ボックス設置後はストレスを感じることが無くなりました。
・大学とアルバイトで家を空ける時間が多く、宅配便を1回で受け取ることがなかなか難しいので、宅配ボックスがあると便利だと感じた。
荷物の時間を気にせず外出できるようになった
・通販を利用する回数が増え、気軽に外出できるようになりました。
・以前は少し出かけている間に荷物が来ないか心配だったが、宅配ボックスが設置されてからは気にすることがなくなった。
・荷物が届く時間を気にしなくなりました。
・再配達の時間設定は2時間毎で、待っている時間がもったいないなと感じるときもあった。宅配ボックスのおかげで時間を有効活用できるようになりました。
大きいサイズなどさらなる工夫も欲しい
・もう少し大きいサイズのボックスが1~2個あったら、さらに嬉しいです。
・入らないサイズのものもあったので、大きさの違う宅配ボックスがあると嬉しい。
・宅配事業者が一度部屋まで来てチャイムを鳴らすという手間は減っていない部分もあると思う。宅配事業者の手間を減らすためのさらなる工夫があると良いと感じた。
■プロジェクトの概要
・プロジェクト名称:「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」
・実施期間:平成29(2017)年11月8日(水)~平成30(2018)年1月31日(水)
・実施場所:京都市内のアパート(5箇所)及び京都産業大学内
・主催:京都市
・協力:パナソニック(株)、京都産業大学、ヤマト運輸(株)、佐川急便(株)、日本郵便(株)
・モニター製品:
アパート・・・パナソニック社製 アパート用宅配ボックス『COMBO-Maison(コンボ-メゾン)』
ハーフタイプ CTNR4630R(L) 希望小売価格105,500円(税抜) ステンシルバー色 共有6錠タイプ
ハーフタイプ CTNR4830R(L) 希望小売価格111,500円(税抜) ステンシルバー色 共有8錠タイプ
京都産業大学・・・パナソニック社製 公共用宅配ボックス (実証実験用)
・モニター対象:
アパート・・・設置協力いただくアパート(5箇所、106世帯)に居住の学生・単身者
京都産業大学・・・京都産業大学の学生、職員等
■調査内容
・アパート
3箇所66世帯で、7日間/月×3回(11月、12月、1月)出口調査を実施
モニター学生11名にアンケート調査を実施
・京都産業大学
学生と職員のモニター数51名、うち利用者29名の利用ログデータ、および、宅配事業者による
未納品荷物調査より把握。また、モニター学生と職員12名にアンケート調査を実施
■実証実験特設サイト
http://sumai.panasonic.jp/exterior/takuhai/combo/project2017/

 

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