アンリツ/業界初の完全自動試験でIEEE802.11ax 機器の 生産性向上・生産コスト削減を実現 物流システム 2023.06.17 業界初の完全自動試験で、IEEE802.11ax 機器の 生産性向上・生産コスト削減を実現 2018/01/24 MT8870A用IEEE 802.11axソフトウェアの販売を開始 アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、ユニバーサルワイヤレステストセット MT8870Aの測定規格を拡充。新たに、IEEE 802.11ax [※1]機器の評価を可能とするソフトウェアを開発。1月24日から販売いたします。 今回開発したソフトウェアは、次の3種類です。 •WLAN 802.11ax 送信測定 MX887033A •WLAN 802.11ax 波形ファイル MV887033A •フル自動測定プログラム これらを実装することで、MT8870Aを、IEEE 802.11ax規格に準拠した機器の量産試験用測定器では、業界初のターンキーシステム[※2]として使用できます。最大16台のIEEE 802.11ax機器のRF送受信特性[※3]を完全自動かつ世界最高水準の速度で評価できるとともに、測定を自動化するための制御プログラムの開発が不要となり、生産性向上、コスト削減に貢献いたします。 アンリツはすでにMT8870Aで従来の無線LAN規格であるIEEE 802. 11a/b/g/n/ac/pに対応した測定機能を提供しています。今回、11axに対応したことにより、各種無線LAN規格を網羅した効率的な試験ソリューションを提供いたします。 [開発の背景] IEEE 802.11ax は、クライアント密度の高い環境(オフィス、スタジアム、駅など)における平均スループット改善を目的とした次世代無線LAN規格です。現在、IEEE802.11ax TaskGroup(TG)で仕様策定が進められており、2019年の国際標準化が見込まれています。11axは、スマートフォン、タブレット端末、AR/VR機器などのモバイル型の端末機器や車載器などへの応用が期待されています。そして、これらの機器は11axなどの無線LAN以外のセルラー規格もサポートしているため、機器ベンダは無線LAN機能とセルラー機能を効率的に試験する事が重要な課題となっています。アンリツは、すでにユニバーサルワイヤレステストセット MT8870Aで、各種セルラー規格とIEEE 802. 11a/b/g/n/ac/p規格の試験を完全自動で評価できるソリューションを提供しています。11axについても、この取り組みを基盤に、お客さまで制御プログラムを開発することなく、自動かつ世界最高水準の速度で、最大16台の無線LAN機器の評価を可能としました。 [製品概要] ユニバーサルワイヤレステストセットMT8870Aは、各種無線通信機器、モジュールの量産用測定器です。本体シャーシに4つの高性能テストユニットを搭載できます。それぞれのユニットで最大4台の試験対象機器の並列測定を独立して行えます。これにより、最大16台の通信機器、モジュールを同時に評価できます。今回開発したソフトウェア(WLAN 802.11ax 送信測定 MX887033AとWLAN 802.11ax 波形ファイル MV887033A、フル自動測定プログラム)を実装することにより、IEEE 802.11axテスト仕様に準拠した試験(送信電力、周波数、変調[※4]精度、受信感度など)が、自動かつ高速で行えます。 [主な特長] ■生産性向上が可能 最大16台のIEEE 802.11ax機器を同時かつ業界最高水準の速度で測定できます。完全自動測定が可能であり、生産性向上に寄与します。 ■制御プログラムの開発コスト削減が可能 IEEE 802.11axの評価では、試験対象機器を制御(RF信号の出力や周波数の切り替えなど)するためのプログラム開発が必要とされています。フル自動測定プログラムを使用することにより、制御が行え、コスト削減に寄与します。 ■信頼性に優れた評価が可能 WLAN 802.11ax測定ソフトウェアは、お客さまと協業し、実際のチップセットとの相互接続試験を重ねながら開発しており、信頼性に優れています。 ■有効活用に寄与 MT8870Aは、すでに2G/3G/LTE/LTE-Advanced/NB-IoT/Category M、無線LAN/Bluetooth、GPS、FMの評価を可能としています。今回、IEEE 802.11axに対応したことにより試験範囲を拡大するとともに、複数の無線システムを同時に試験するマルチスタンダード試験によりコスト低減に寄与します。 [対象市場・用途] ■対象市場:IEEE 802.11axチップセットベンダ、モジュールベンダ、完成品ベンダ■用途 :IEEE 802.11ax対応機器・デバイスの物理層(RF)試験 [用語解説] [※1]IEEE 802.11ax次世代型無線LAN規格。現在普及している「IEEE 802.11ac」の次世代規格として策定化が進められている規格で、11acのフル仕様(11ac wave2)との比較で40%の高速化、さらに混雑した通信環境での通信に関しては約4倍の平均スループットを実現する。 [※2] ターンキーシステム用途に合わせた作り込みや追加開発などが不要で、すぐに稼働できる製品。 [※3] RF送受信特性RFはRadio Frequencyの略であり、送信信号のパワーや変調精度、受信感度などを差す。 [※4] 変調無線通信システムでは、情報を電気信号に変換して伝送する。変換した電気信号を電波に乗せるための処理を変調と呼ぶ。