日本冶金工業/川崎製造所熱延工場における火災事故原因と再発防止策ならびに操業再開予定を公表 SCM・製造拠点 2023.06.17 川崎製造所熱延工場における火災事故の原因と再発防止策 ならびに操業再開予定について 平成29年5月14日に発生した川崎製造所熱延工場の火災事故により、お客様、お取引先様をはじめ、関係各位に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことにつきまして、改めて深くお詫び申し上げます。弊社では、消防当局及び設備メーカーと連携協議し、原因究明及び再発防止策検討に取り組んでまいりました。このたび、発災部位を特定し、消防当局に火災発生に関わる改善報告書および完了報告書が受理されましたので、本件事故の原因と再発防止策ならびに操業再開予定についてご報告致します。 記 1.火災の発生原因 (1)調査内容 現地調査、残留品調査、火災発生時の操業データ解析、再現試験等により、原因究明を行いました。 (2)発生原因 仕上げ圧延機の圧延ロール用の電動機へ電力を供給、制御するために使用されていた変換器盤内のオイル入りコンデンサの密閉性が破壊され、オイル漏れが生じたことよってアークとともに可燃性ガスが発生しました。この結果、可燃性ガスが爆発しコンデンサオイルに引火して、変換器盤内および電気室内の電気品・ケーブル等の延焼に至ったものです。 設備メーカーの報告書によれば、コンデンサの密閉性が破壊された原因は、取付け・取り扱い時の端子部への過大応力、または、単品不良等によるものと推定されております。 2.再発防止策 (1)熱延工場電気室の対策 変換器盤に新たに採用するコンデンサは、油量が格段に少ない(従来比1/1000程度の油量)コンデンサとし、火災発生の可能性を極小化します。また電気室内には、発火を早期に検知するため変換器盤に煙感知器を設置するとともに、監視カメラおよびガス消火設備を設置し、監視強化・早期対応を可能とします。さらに万が一の延焼を防ぐため、盤間隔離壁を設置することによって、当該電気室の火災事故の再発防止に万全を期すことと致します。 (2)全工場への展開 本件事故が発生した変換器盤と同じ方式のものは他にはありませんが、本対策を踏まえ、川崎製造所内の各電気室に必要な対策の展開を推進致します。 3.操業再開予定 仕上圧延機の稼働による全面的操業再開は、従来10月中旬を目標としておりましたが、復旧作業の前倒しを進めた結果、9月下旬を見込んでおります。 弊社と致しましては、本件事故を真摯に受け止め、お客様、お取引先様、その他関係者の皆様からの信頼を回復することができるよう、今後も再発防止に取り組んでまいります。 以上