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アスクル/経常利益は前年比3・4%増(平成29年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

平成29年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

単位・百万円  

      売上高    営業利益  経常利益  当期純利益

29年5月期 335,914 6.6   8,865 4.1  8,866 3.4  1,014 △80.7

28年5月期 315,024 13.8  8,517 24.4  8,574 23.2  5,255 30.3

(注) 包括利益 29年5月期 1,076百万円( △77.9%) 28年5月期 4,876百万円( 18.4%)

(略)

(1)当期の経営成績の概況

平成29年2月16日に発生した埼玉県入間郡三芳町にある当社物流センター「ASKUL Logi PARK 首都圏(以下、ALP 首都圏)」における火災事故により近隣住民の皆様、お客様、お取引様等多くの皆様に多大なご迷惑・ご心配をお 掛けいたしました。改めて心より深くお詫び申し上げます。 近隣住民の皆様をはじめとする当社グループに関わる全ての皆様に安心していただける様、他の物流センターの 防火設備点検の実施と、外部の専門家を含めた再発防止委員会および安全管理の専門組織を設置いたしました。引 き続き、再発防止委員会からの提言等に従い、一層安全・安心な物流センター体制の構築・運営を行ってまいりま す。 また、サービス面については、お客様のご不便を早期に解消すべく、平成29年9月末の通常サービスの復旧に向 け全社一丸となり真摯に取り組んでまいります。 当連結会計年度(平成28年5月21日から平成29年5月20日まで)におけるわが国経済は、雇用環境等に改善が見 られた一方、国際情勢の変化等による株価や為替の不安定な動向、個人消費の停滞感などにより、景気の回復は引 き続き足踏み状態が続いております。 売上高につきましては、第4四半期に火災事故の影響を大きく受け減速となりましたが、総じて堅調に推移し、 前期比6.6%の増収となりました。主要な事業であるeコマース事業では、BtoB事業は繁忙期にあたる3月に火災 の影響を若干受けたものの、前期比4.8%増収と着実に成長しました。事業開始以来高成長を続けていたBtoC事業 の「LOHACO(ロハコ)」は、最新設備が不十分な臨時センターでの出荷対応に追われるなど、火災事故の影響を強 く受けました。社員総出の出荷対応等により18.8%の増収を確保しました。 本業における利益については安定的に推移し、BtoB事業を中心に売上高の伸長と、為替の好影響や利益率の高 いプライベートブランド商品の拡充等により各商品カテゴリーで売上総利益率が改善し、差引売上総利益で64億27 百万円増加しました。これらにより火災の影響を受け増加した物流費用と「ALP首都圏」に代わる物流センターの賃 借料、「LOHACO」の売上拡大に向けた先行投資的な費用の増加の全てを吸収し、営業利益では増益となりました。 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,359億14百万円(前期比6.6%増)、営業利益88億65百万円(前期 比4.1%増)、経常利益88億66百万円(前期比3.4%増)となりました。火災損失112億50百万円を特別損失に計上し ましたが、火災事故に係る保険金49億29百万円を受領したことから、最終赤字は回避することができ、親会社株主 に帰属する当期純利益は、10億14百万円(前期比80.7%減)となりました。

セグメント別の業績につきましては、以下のとおりです。

<eコマース事業>

当社グループは、「イノベーション(新受取りサービス「Happy On Time」とロボット導入)によりサービス進化 と物流効率化を実現」、BtoB事業は「ECテクノロジーと商材拡大によりすべての仕事場で圧倒的No.1へ」、B toC事業の「LOHACO」は「メーカーとの共創と認知度向上で第2世代のeコマースNo.1へ」を方針に掲げ、生産性の 高い最新鋭の物流拠点の新設、当社グループ独自の新受取りサービスの早期立ち上げ、メーカーとの共創によるデ ザイン性に優れた独自商品の展開を行いました。また、「LOHACO」の認知度向上のための積極的な販売促進策の実 行等が当社グループの成長戦略実現に大きく寄与するものと判断し、計画的に長期戦略投資を実施してまいりまし た。 BtoB事業につきましては、取扱商材数の拡大や販促効果によりお客様の購入点数が増加したこと等から、売上 高は増収となりました。商品の種類別でみると、店舗等で頻繁にご利用される日用消耗品や消耗紙、オフィスでご 利用される飲料等の生活用品の売上高が成長を牽引し、戦略分野である工場・建設現場・研究所でご利用されるM RO商材(注)と、メディカルサイトとアスクルWebサイトの統合によりお客様の利便性が図られ、医療・介護施設 向け商材の売上高も、それぞれ2桁伸長いたしました。従来からご購入いただいていた文具等の商材の売上も堅調 に推移したことで、売上高は順調に拡大し、前期比で133億84百万円増収の2,919億37百万円(前期比4.8%増)とな りました。 「LOHACO」につきましては、テレビCMの放映や積極的な販売促進策による新規ご利用者の獲得と、お客様から ご要望の多い商材の取り扱い開始による定期的なご利用の促進や購入点数の増加に注力した結果、売上高は順調に 拡大してまいりましたが、火災発生後は日々の出荷量に制限があり、前期比で61億70百万円増収の390億16百万円 (前期比18.8%増)に留まりました。

火災発生時点で「LOHACO」全体の取扱物量の62%を賄っていた「ALP首都圏」の機能を代行する新物流センターの 早期本格稼働は現在の最重要課題であり、従来通りにお客様がご不便を感じることなくお買い物が出来る様全力で 取り組んでおります。 以上の結果、eコマース事業合計の売上高は3,309億54百万円(前期比6.3%増)となりました。差引売上総利益 は、オフィス生活用品やMRO商材等の増収と売上総利益率の改善が寄与し、764億46百万円(前期比8.9%増)と なりました。 販売費及び一般管理費は、売上高の拡大に伴う通常掛かる物流費用等の増加に加え、火災発生後の費用増加が影 響しました。最繁忙期であることから、BtoBは通常配送サービス品質の維持、「LOHACO」は長期化していた配送 リードタイムの短縮によるお客様へのご不便の早期解消実現を最優先に、「ALP首都圏」に代わる物流センターの新 設と各物流センターでの夜勤対応等の臨時コストを掛けての出荷作業等を実施したことで地代家賃と物流費用が増 加しました。また、国内物流業者による取扱い総量規制等が行われている状況下において、当社独自の差別化戦略 としての「Happy On Time」の早期拡充に向けた自社配送体制の整備等や「LOHACO」の認知度向上の広告宣伝費の戦 略施策を実施した結果、前期比9.6%増加の670億79百万円となりました。 以上の通り、増収と売上総利益率の改善効果により、販売費及び一般管理費の増加を吸収したことと併せて、成 長基盤を確保するため、全社一丸となって一層の経営の合理化・経営体質の強化による費用削減を断行した結果、 当連結会計年度のeコマース事業における営業利益は、対前期比で増益となる93億67百万円(前期比4.0%増)とな りました。

<ロジスティクス事業>

流通プラットフォームを環境面でより強化する目的で前連結会計年度に子会社化した株式会社エコ配が寄与し、 売上高が増加しました。株式会社エコ配は労働環境の改善等による費用が増加し、引き続き営業損失の状況ではあ りますが、新規のお客様獲得など売上高の増加に全力をあげて取り組んでおります。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は44億1百万円(前期比36.8%増)、営業損失は4億69百万円(前期は営 業損失4億45百万円)となっております。 <その他> 前連結会計年度に子会社化した嬬恋銘水株式会社が寄与し、売上高が増加しました。当連結会計年度において製 造ラインを増設し、売上高は順調に拡大しております。販路の拡大と工場の稼働率を上げることで、早期の黒字化 に向けて取り組んでおります。 この結果、当連結会計年度の売上高は7億74百万円(前期比63.0%増)、営業損失は43百万円(前期は営業損失 47百万円)となっております。

(注) Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場等で使用される消耗品・補修 用品等の間接材全般を指します。

(略)

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