神戸製鋼所/スウェーデン Quintus社を買収 SCM・製造拠点 2023.06.17 スウェーデン Quintus社の買収について 2017年4月13日 株式会社神戸製鋼所 当社は、等方圧加圧装置※1(略称:IP装置)の世界トップメーカーであるスウェーデンのQuintus Technologies AB(略称:Quintus社)をその親会社である米国ファンドのMilestone Partners社から4月5日に買収いたしました。買収額は、US$115million(約130億円)であり、当社100%出資の完全子会社と致します。 IP装置は、金属やセラミック、カーボンなどの素材を高圧・高温(又は常温)環境下において等方圧で加圧焼結または成形する装置であり、航空機部品や発電用タービンブレード、半導体関連素材などの高機能製品に幅広く適用されています。 Quintus社は世界のIP装置市場において、トップメーカーであり、今後伸張が期待される航空宇宙分野を中心に、欧州・米国で圧倒的なプレゼンスを発揮しています。今回の買収により、当社は世界市場をターゲットにさらなる事業拡大を目指します。 当社機械事業部門の中期経営計画においては、IP装置事業を含む産業機械事業の更なる高収益化を目指しています。当社IP装置事業は、産業機械事業部のメニューの中では、比較的高収益な事業ですが、日本を始めアジア市場を中心に直近5ヵ年で平均約30億円の売上高に留まっており、更なる市場拡大が課題となっていました。 今回のQuintus社買収により、新たな製品群と成長市場を獲得でき、事業の大幅な拡大が期待できます。更に、製造メニューの相互移管や購入品の共同調達等による生産効率化・コストダウンを実施するなどのシナジー効果も期待できます。これらを基に当社IP事業は、グルーバル市場をターゲットに今後もさらなる拡大を目指して参ります。 ※1 等方圧加圧装置等方圧加圧装置(Isostatic Press)は被処理体の全ての部位を均等に加圧するプレスの一種で、均質性、強度、耐久性などに優れた高品質の製品を作ることができる。圧力媒体にガスを利用する熱間等方圧プレス(通称:HIP)と液体を利用する冷間等方圧プレス(通称:CIP)に大別される。 買収企業の概要 会社名: Quintus Technologies AB 所在地: スウェーデン ヴェストマンランド ヴェステロース市 製造場所: スウェーデン、米国 従業員: 188名 代表者: Jan Soderstrom(CEO) 設立年: 1940年(旧ABB社高圧装置部門) 事業内容: IP装置及びSMF装置の製造・販売・サービス 売上高: [15年度] 59億円、[16年度] 70億円 大型HIP装置