NEWS

物流ニュース

佐渡汽船/3億500万円の経常損失を計上

決算短信 2023.06.17

平成28年12月期  決算短信〔日本基準〕(連結)

単位・百万円  

      売上高    営業利益   経常利益  当期純利益

28年12月期 10,959 △6.4  △172 -  △305 -  △529 -

27年12月期 11,706 △2.4  308 582.9  185 -   482 -

(注)包括利益 28年12月期 △509百万円 (-%) 27年12月期 529百万円 (-%)

(略)

① 事業の経過及び成果

当連結会計年度における我が国の経済は、日本銀行によるマイナス金利政策の導入、中国経済の減速、英国のE U離脱選択、米国大統領選挙など、市場の事前予想を覆す結果が続出しました。一方、原油価格及び為替の変動等 の影響を受け、一部には企業収益や雇用環境に改善が見られるものの、景気回復を実感できない企業も多く、引き 続き景気の先行きは不透明感を払拭できない状況で推移しました。とりわけ地方においては個人消費の低迷、人口 減少の継続及び人材不足が顕著であるなど、都心部における経済の回復基調を実感できない状況となっています。 旅客船業界におきましては、年初の原油価格下落により燃料油価格が値下がりに転じたものの、年後半の円高基 調や海事産業に従事する人材の確保の課題など、依然として懸念材料が山積しております。 このような状況のもと当社は、①安全運航の徹底、②お客様の減少傾向をとめる、③当社及びグループ企業の経 営の合理化の推進の3項目を重点課題とし、当連結会計年度の輸送量目標を旅客輸送人員で165万人、自動車航送 換算台数は23万台、貨物輸送トン数を17万トンと見込み、目標達成に向けて営業を強化し、積極的に事業を展開い たしました。 第1四半期(1月から3月まで)は、比較的穏やかな気象・海象によって欠航便数が前連結会計年度同期よりも 減少し、旅客輸送人員及び自動車航送換算台数ともに前連結会計年度同期を上回りました。一方、貨物輸送トン数 は、全体的な荷動きが低調に推移したことから、前連結会計年度同期を下回りました。 続く第2四半期(4月から6月まで)ですが、前連結会計年度は4月21日の新造船「あかね」(双胴船)就航に よる利便性の向上や話題性、加えて、開業初年度の北陸新幹線との相乗効果もあり、直江津航路の旅客・自動車航 送の輸送実績が大幅に増加しました。これに対し、当連結会計年度はその反動が見られたこと、また、繁忙期であ るゴールデン・ウィークが前連結会計年度よりも連休を取りにくい曜日配列であったこと、併せて同期間中は天候 不順が続いたことなどが影響し、旅客輸送人員及び自動車航送換算台数ともに前連結会計年度同期を下回りまし た。一方、貨物輸送トン数は、佐渡島内の人口減少に伴う生活物資輸送の減少等が影響し、前連結会計年度同期を 下回りました。 当社にとって最盛期となる第3四半期(7月から9月まで)は、第2四半期(4月から6月まで)に引き続き、 前連結会計年度の新造船「あかね」就航の反動で直江津航路が大きく減少したこと、当地方への影響は軽微であっ たものの、8月に4個の台風が我が国に上陸して旅行控えが顕著であったこと、併せて9月に前連結会計年度同期 はシルバーウイークで5連休があったことなどが影響し、旅客輸送人員及び自動車航送換算台数ともに前連結会計 年度同期を下回りました。また、貨物輸送トン数は、佐渡の人口及び観光客の減少に伴う生活物資輸送の減少、佐 渡島内の公共事業減少に伴う資材・鉄材等の輸送量減少が影響し、前連結会計年度同期を下回りました。 第4四半期(10月から12月まで)は、前連結会計年度は大口団体の来島がありましたが、それに代わる団体がな かったこと、引き続き前連結会計年度の「あかね」の新造船効果の反動があり、旅客輸送人員は前連結会計年度同 期を下回りました。これに対し、「マイカー・シニア得割」や「週末乗用車運賃特別割引」等の各種割引施策によ る乗用車航送が堅調に推移したこと、外国人団体によるバス航送が増加したことなどにより、乗用車とバスの増加 でトラックの減少分を補った結果、自動車航送換算台数は前連結会計年度同期を上回りました。また、佐渡島内の 人口減少に伴う生活物資輸送や公共工事の減少等に連動し、貨物輸送トン数が前連結会計年度実績を下回る状況で 推移しました。 当連結会計年度通期の旅客輸送人員は150万5,836人(前連結会計年度比3.3%減、5万1,353人の減少)、自動車 航送換算台数は20万9,678台(前連結会計年度比1.4%減、3,024台の減少)、貨物輸送トン数は15万9,710トン(前 連結会計年度比5.4%減、9,090トンの減少)となりました。 なお、航路別の旅客輸送人員及び自動車航送換算台数は以下のとおりです。 新潟航路は、カーフェリー輸送人員が87万7,400人(前連結会計年度比2.9%減、2万6,591人の減少)、ジェッ トフォイル輸送人員が45万4,116人(前連結会計年度比1.5%増、6,519人の増加)、合計133万1,516人(前連結会 計年度比1.5%減、2万72人の減少)、自動車航送換算台数は18万3,441台(前連結会計年度比0.5%減、840台の減 少)となりました。 直江津航路は、カーフェリー輸送人員が15万4,125人(前連結会計年度比16.2%減、2万9,694人の減少)、10月 の大手旅行会社による臨時便で設定したジェットフォイル輸送人員が65人(前連結会計年度は臨時便設定で130 人)、合計15万4,190人(前連結会計年度比16.2%減、2万9,759人の減少)、自動車航送換算台数は2万6,237台 (前連結会計年度比7.7%減、2,184台の減少)となりました。 寺泊航路は、運航期間の短縮もあり、高速船輸送人員は2万130人(前連結会計年度比7.0%減、1,522人の減 少)となりました。 以上の結果、当連結会計年度の営業収益は、10,959,037千円(前連結会計年度比6.4%減、747,852千円の減 少)、営業損失は172,609千円(前連結会計年度は308,686千円の利益)、経常損失は305,295千円(前連結会計年 度は185,717千円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は529,802千円(前連結会計年度は482,866千円の利 益)となりました。 報告セグメントの業績は以下の通りであります。

ア 海運

旅客・航送部門においては、昨年就航した新造高速カーフェリー効果の反動や、繁忙期における天候不順及び 台風上陸などにより、減少傾向に歯止めをかけることができず、輸送量・売上高ともに前年実績を下回りまし た。また、貨物部門においては、観光客及び佐渡島内の人口減少に伴う生活物資輸送や公共工事の減少等に連動 し、輸送量、売上高ともに減少しました。 費用面においては、原油価格の下落による船舶燃料費の減少等が影響し、通年では前年実績を下回りました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は7,382,125千円(前年同期比6.0%減)、セグメント損失(営業損失)は 198,543千円(前年同期は232,162千円のセグメント利益(営業利益))となりました。

イ 一般貨物自動車運送

当連結会計年度においては、佐渡島内の人口減少に伴う生活物資輸送や公共工事の減少が影響し、売上高は前 年よりも減少しました。一方、費用面では原油価格の下落による燃料費の減少がありました。 当連結会計年度の売上高は1,589,743千円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益(営業利益)は21,926千円 (前年同期比6.5%減)となりました。

ウ 売店・飲食

当連結会計年度においては、観光客数の減少に伴い売店・飲食部門ともに不振であったことから、セグメント 全体の売上高も減少しました。 当連結会計年度の売上高は1,045,842千円(前年同期比13.0%減)、セグメント損失(営業損失)は14,521千 円(前年同期は6,431千円のセグメント損失(営業損失))となりました。

エ 観光

当連結会計年度においては、観光客及びビジネス客数の減少に伴って売上高は減少しました。 当連結会計年度の売上高は735,982千円(前年同期比7.9%減)、セグメント損失(営業損失)は22,522千円(前 年同期は1,254千円のセグメント利益(営業利益))となりました。

オ その他

当連結会計年度においては、売上高は増加した反面、セグメント利益(営業利益)は減少しました。 当連結会計年度の売上高は205,345千円(前年同期比3.8%増)、セグメント利益(営業利益)は9,474千円(前年 同期比65.3%減)となりました。

② 次期の見通し

平成29年12月期の見通しにつきましては、平成28年の訪日外国人旅行者数が2,000万人を突破するなど、引き 続きインバウンドへの期待も見込めること、また、シニア層の活発な旅行意欲の継続などにより、旅行需要は堅 調に推移するものと予想されます。 このような状況のもと、当社は平成29年12月期の重点課題として、①「安全運航の徹底」、②「お客様の減少 傾向をとめる」、③「貨物部門の効率化と赤字航路の見直し」の3項目を掲げ、輸送量目標を旅客輸送人員で 154万人、自動車航送換算台数は21万5千台、貨物輸送トン数を15万9千トンと設定し、経営トップが主体的に 取り組むことで役職員一同協力一致し、積極的に事業展開してまいります。 以上のことから通期の見通しとしましては、連結売上高11,842,854千円、連結営業利益238,492千円、連結経 常利益109,838千円、親会社株主に帰属する当期純利益54,427千円を見込んでおります。
③ 中期経営計画等の進捗状況

ア.増送・増収対策

a) 外部コンサルタントによる営業強化に向けた提言を踏まえ、団体セールスでは「選択と集中」、個人観光 客誘致ではホームページでのFacebookやInstagramの開設により、佐渡のホットな情報をタイムリーに提供 するなどで、情報発信を強化しました。

b) 佐渡専門の旅行会社として、佐渡の特性やイベント目的のテーマ別の主催旅行を企画して新規顧客開拓に 努めるとともに、お客様サービスのレベルを外部組織による客観的な評価を受け、その結果更なるステップ アップを目指し、お客様の満足度を向上させることでリピーター化に向けた取り組みを実施しました。

c) 訪日外国人団体セールスを強化し、現地エージェントとの商談会に参加することで台湾・中国からの誘致 拡大を推進するとともに、ホームページや館内サインの多言語化を実施しました。

 イ.費用削減対策

物流改革室を中心に貨物輸送の一本化による業務体制の見直し、効率的な人員配置、輸送用具等の共有化によ る費用の削減に取り組みました。また、窓口業務の合理化・省人化及びお客様の利便性向上のため、航送車乗船 のスマート化として「らくらくチェックイン」に加え、「トラックらくらくチェックイン」システムを導入しま した。 ウ.グループ再編対策 該当事項はありません。 今後も佐渡汽船グループ全体として、さらなる合理化・効率化に努め、より一層収益構造の見直しを図るこ とで、財務内容の改善に努めてまいります。

(略)

Translate »