国土交通省/国際海事機関、世界の全海域での船舶燃料油の硫黄分規制を2020年から強化 グリーン物流(環境) 2023.06.17 国際海事機関、世界の全海域での船舶燃料油の硫黄分規制を2020年から強化~ 国際海事機関第70回海洋環境保護委員会の審議結果について ~ 平成28年10月31日 国際海事機関(IMO)は、第70 回海洋環境保護委員会を平成28年10月24日から28日まで英国ロンドンで開催し、(1)船舶燃料油の硫黄分濃度規制の強化を2020年から開始すること、(2)燃料消費実績報告制度を導入すること、を決定しました。 今次会合の主要な審議事項は以下のとおりです。 1.船舶燃料の硫黄分濃度規制の開始時期の検討IMOでは、2008年に大気汚染防止対策として船舶からの硫黄酸化物(SOx)排出削減のため、その燃料油中の硫黄分濃度の規制を導入しました。この規制では、船舶の燃料油中に含まれる硫黄分を段階的に削減していくものであり、一般海域(全海域)と指定海域(北海・バルト海等)に分けて規制値を設定しています。今次会合では、IMOが設置した専門家部会による世界の船舶燃料油の需給予測に基づき、一般海域における燃料油中硫黄分の規制値(現行3.5%以下)を0.5%以下に強化する時期を2020年か2025年のいずれが適切かを審議した結果、日本を含む多数国が支持した2020年からの開始を決定しました。2020年からは、全ての船舶がこの規制に適合する燃料油を使用するか、同等の効果のあるLNG等の代替燃料油の使用、または排気ガス洗浄装置を使用する必要があります。 2.燃料消費実績報告制度の導入IMOでは、2013年に船舶から排出される温室効果ガス(CO2)削減対策として、新造船の温室効果ガス排出性能を段階的に強化する規制(※)を他の輸送モードに先だって導入しました。更にIMOでは、現存船を含めた燃料消費実績を「見える化」するための議論を進めてきました。燃料消費実績報告制度は、我が国より提案したもので、総トン数5,000トン以上の国際航海に従事する全ての船舶を対象に、運航データ(燃料消費量、航海距離及び航海時間)をIMOに2019年から報告する制度(各船舶の燃料消費実績を「見える化」することで、船舶からの温室効果ガス削減を促す)で、今次会合において、同制度を導入するための条約改正案が採択されました。(※)EEDI規制:新造船のCO2排出量を設計建造段階において「一定条件下で1トンの貨物を1マイル運ぶのに排出すると見積もられるCO2グラム数」としてインデックス化し、船舶の性能を差別化するもの 第70回海洋環境保護委員会の開催概要については別添をご覧ください。 添付資料 MEPC70結果プレスリリース(PDF形式:158KB) MEPC70結果別添(ご参考)(PDF形式:403KB)