日本精密/ベトナム第4工場を竣工 SCM・製造拠点 2023.06.17 ベトナム第4工場の竣工に関するお知らせ この度、昨年9月に着工いたしましたベトナム第4工場が竣工いたしましたので、お知らせいたします。 記 1.内容 当社は創業以来、腕時計関連の部品製造を中心に精密部品加工業として業務拡大してまいりました。1994年3月にベトナム工場を設立し、日本企業として最も早くASEANへ進出した先駆者であり、長年にわたる生産技術の移管や現地技術者の育成により、高い技術力と高品質製品の供給を可能としております。高い技術力を背景に、常に顧客ニーズを的確に捉え、市場に無い構造・デザイン・技術を積極的に提案し、多くの採用に結び付けている点も、顧客から高い信頼を得ている要因と考えております。 近年、国内大手時計メーカー各社は、訪日外国人客の増加やブランドマーケティングの成功により中・高級腕時計の販売が好調に推移しており、今後も高付加価値化製品の増産を進めたい意向を持たれています。時計関連部品においては、付加価値化の源泉は素材、加工技術、表面処理となりますが、当社は上述のように素材選定から精密金属加工、表面処理までの高い技術とノウハウを有しております。特に表面処理技術については、顧客の高いご評価を従来からいただいておりますが、さらなる高付加価値ニーズに応えるため、昨年秋に最新・高付加価値の表面処理技術DLC(ダイヤモンドライクカーボン)の設備を自社で独自開発し設備導入も開始いたしました。こうしたことから、顧客からの受注が近年増加しております。 今後も、高級品向け製品の需要はさらに高まる見込みですが、一方では、これまで時計関連部品の製造の中心であった中国において、現在メーカーの廃業・撤退が相次いでおります。背景といたしましては、第2次産業における慢性的な人手不足や熟練工の高齢化等の要因に加え、近年では企業オーナーの高齢化・後継者不足の問題も顕著となってきております。こうした構造的な問題下では、今後の中国メーカーにおいては新たな設備投資や老巧設備の更新は見込めず、大手腕時計メーカーの需要量を満たすことが難しいと考えられます。他方、安定供給体制を確立している当社に対しては、さらに増産要請が高まるものと予想されます。 しかしながら、そうした需要増に対して、高付加価値の鍵となる表面処理の設備能力が、当社ベトナム第2工場の設備では不足する見込みであり、また、老巧化も進み現在以上の設備導入が困難であるため、当社では新たに第4工場を建設することとし、昨年秋に着工し、このたび竣工することとなりました。 第4工場は表面処理工程の専用工場として使用いたします。7月中旬より第2工場の現在設備を移管し、サンプル生産を行った後、7月下旬~8月初旬には本格操業を開始する予定です。また、今後は顧客の需要に応じた追加設備の導入も検討し、表面処理工程の集約化と処理能力の向上を見込んでおります。さらに、従来の第2工場が、加工~研磨等の工程を行う第1工場、3工場から約400mと非常に離れた場所にあったのに対し、このたびの第4工場は第1工場に隣接し、両工場間を渡り廊下で繋いでおります。これにより生産効率についても向上することを見込んでおります。 第4工場の設備設置は1階部分のみとし、上階はオートバイが2000台規模で駐車可能な駐車場といたしました。駐車場に向かう建物側面のスロープは両面に2スロープ用意し、約2700名に増加した工場員が、短時間でスムーズに駐車して始業できるようにするなど、細かい点にも配慮した工場となっております。 当社といたしましては、このたびの第4工場の建設により表面処理能力を増強し、また、併せて生産効率の向上を図ることにより、ベトナム工場における高付加価値製品の増産と、それによる当社グループの収益拡大を図ってまいりたいと考えております。 2.日程 (1)竣工:平成28年6月 (2)操業:平成28年8月上旬 3.今後の見通し 平成28年5月13日付で発表いたしました連結業績予想に対する影響はございません。 以上