ヤマトホールディングス/経常利益は前年比60・7%増(平成29年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)) 決算短信 2023.06.17 平成29年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 単位・百万円 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 29年3月期第1四半期 341,876 3.9 7,433 80.0 7,666 60.7 3,661 91.8 28年3月期第1四半期 328,932 1.5 4,130 △16.3 4,770 △11.2 1,908 △14.9 (注)包括利益 29年3月期第1四半期 3,228百万円 (55.0%) 28年3月期第1四半期 2,083百万円 (△19.5%) (略) (1)連結経営成績に関する定性的情報 当第1四半期における経済環境は、企業業績は底堅さを維持したものの、海外経済の減速や円高の進行、株価の不 安定な動きなどを背景に、企業の景況感や個人消費は先行きが不透明な状況にあります。労働需給に関しても逼迫し た状態が継続し、引き続き厳しい経営環境となりました。このような環境の中、ヤマトグループは長期経営計画 「DAN-TOTSU経営計画2019」および中期経営計画「DAN-TOTSU3か年計画 STEP」の達成 に向けて、高品質で効率的な物流ネットワークの構築、また、グループの経営資源の融合による高付加価値モデルの 創出に取り組みました。 デリバリー事業においては、「宅急便コンパクト」、「ネコポス」のご利用窓口拡大に取り組んだことに加え、通 販事業者様への拡販を進めたことなどにより、取扱数量が増加し、収益が好調に推移しました。 ノンデリバリー事業においては、グループ各社の強みを活かした既存サービスの拡充に取り組むとともに、グルー プ横断的に連携してお客様の課題解決に当たるソリューション営業を積極的に推進しました。 (略) <ヤマトグループ全体としての取組み> ① ヤマトグループは、各事業が一体となって付加価値の高い事業モデルを創出し、日本経済の成長戦略と、国際 競争力の強化に貢献する「バリュー・ネットワーキング」構想を推進しています。また、事業の創出・成長の 基盤となる健全な企業風土の醸成に取り組んでいます。 ② 「バリュー・ネットワーキング」構想の推進に向けては、ヤマトグループのネットワークを活かした高付加価 値モデルの創出に取り組んでいます。国内外のお客様の様々なニーズに対応するために、既存のラストワンマ イルネットワークに加え、「羽田クロノゲート」、「厚木ゲートウェイ」、「沖縄国際物流ハブ」といった革 新的なネットワーク基盤を、より効果的に活用しています。 ③ 健全な企業風土の醸成に向けては、引き続き輸送体制の整備やITによる業務量の見える化など、業務の効率 性・信頼性を向上させる施策を推進するとともに、改めて社員教育を徹底し、お客様との約束を守る体制の構 築に重点的に取り組みました。さらに、環境施策や安全施策、地域社会の活性化に向けた取組みなど、ヤマト グループの事業活動に結びついたCSR活動を積極的に推進しました。 ④ 海外市場に対しては、ASEANを中心とした日本・東アジア・欧州・米州の5極間でのクロスボーダー輸送活発 化に向け、地域間の連携と各地域の機能強化に取り組みました。また、国際間物流における小口コールドチェ ーンの拡大に取り組むことで、高付加価値な小口輸送ネットワークの構築を推進しています。 ⑤ 通販市場を中心としたお客様の利便性向上に向けては、フランスの大手郵便関連機器製造事業者と共同で、オ ープン型宅配ロッカーインフラの構築、運用を行う合弁会社「Packcity Japan株式会社」を設立するなど、お 客様がより手軽に荷物を受け取れる環境の整備に取り組みました。 ⑥ 労働需給の逼迫などの外的なコスト環境の悪化に対しては、業務量に連動したコスト管理を徹底するととも に、生産性向上施策の推進など、コストリダクションへの取組みを積極的に行いました。 <事業フォーメーション別の概況> ○デリバリー事業 (略) ① デリバリー事業は、お客様にとって一番身近なインフラとなり、豊かな社会の実現に貢献するために、宅急便 を中心とした事業の展開に取り組んでいます。 ② 成長が見込まれる通販市場に対しては、小さな荷物をリーズナブルな料金で手軽に送ることができる「宅急便 コンパクト」、「ネコポス」の拡販を進めるとともに、複数のフリマサイトとの連携強化や発送窓口拡大を進 めるなど、ご利用されるお客様の利便性向上に取り組みました。また、大手コミュニケーションアプリと連携 を強化し、お届け予定日時の事前通知や荷物問い合わせサービスなどをより手軽にご利用いただけるサービス の拡充に取り組みました。 ③ 法人のお客様については、お客様の経営課題を的確に把握し、その課題に沿ったソリューション提案を積極的 に推進しました。また、グループの経営資源を活用した付加価値の高い提案を行い、収益性の向上に取り組み ました。 ④ 地域活性化に向けた事業としては、複数の自治体や企業と連携し、買い物困難者の支援、高齢者見守りなど、 住民へのサービス向上に取り組みました。また、農水産物をはじめとする生鮮品を鮮度を保ったままスピーデ ィーにアジア圏へ配送することで、地域産品の販売拡大を支援するなど、地元産業の活性化につながる取組み を推進しました。 ⑤ 営業収益は、「宅急便コンパクト」、「ネコポス」のご利用窓口拡大に取り組んだことに加え、通販事業者様 への拡販を進めたことなどにより、取扱数量が増加し2,656億28百万円となり、前年同期に比べ4.2%増加しま した。営業利益は2億13百万円となり、前年同期に比べ29億2百万円改善しました。 ○BIZ-ロジ事業 ① BIZ-ロジ事業は、宅急便ネットワークをはじめとした経営資源に、ロジスティクス機能、メンテナンス・ リコール対応機能、医療機器の洗浄機能、国際輸送機能などを組み合わせることにより、お客様に革新的な物 流システムを提供しています。 ② 通販業界に向けたサービスとしては、お客様のご要望に応じて、受発注処理から在庫の可視化、スピード出荷 などの多様な物流支援サービスをワンストップで提供しています。当第1四半期においては、前期から新しく 取り組んだ企業間物流関連サービスの取扱いが増加したことなどにより、収益が好調に推移しました。 ③ メディカル事業者様に向けたサービスとしては、医療機器のローナー支援(保管・洗浄・配送)をはじめとす る、物流改革の支援サービスを展開しています。当第1四半期においては、既存のお客様を中心にご利用が拡 大し、収益が堅調に推移しました。 ④ 国際間物流に向けたサービスとしては、海外のECモール大手様と連携し、海外のお客様が注文した日本の商品 をスピーディーにお届けするサービスを開始するなど、グローバルなビジネスを展開する事業者様の支援に取 り組みました。 ⑤ 営業収益は、メンテナンス・リコールサービスが前期の反動で伸び悩んだものの、企業間物流関連サービスが 好調であったことなどにより261億71百万円となり、前年同期に比べ1.1%増加しました。利益面では、前期の 海外輸送における特需の反動減の影響などにより11億95百万円となり、前年同期に比べ2.2%減少しました。 ○ホームコンビニエンス事業 ① ホームコンビニエンス事業は、お客様の便利で快適な生活の実現に向けて、ヤマトグループの全国ネットワー クを活用し、生涯生活支援事業や法人活動支援事業に取り組んでいます。 ② 個人のお客様に向けては、大型家具・家電の配送サービス「らくらく家財宅急便」や引越関連サービスなど、 日々の生活を支援するサービスを展開しています。当第1四半期においては、お部屋の清掃や整理収納、不用 品の買取りなど日常のお困りごとを解消する「快適生活サポートサービス」の拡販を積極的に進め、着実に利 用が広がりました。 ③ 法人のお客様に向けては、ヤマトグループと工事会社のネットワークを融合し、住宅設備などの配送・設置か ら工事・保守までをワンストップで提供する「テクニカルネットワーク事業」をはじめとする事業支援サービ スを展開しています。当第1四半期においては、産直品などの調達サービスやオフィスサポートサービスの拡 販に積極的に取り組みました。 ④ 営業収益は、快適生活サポートサービスの利用が好調に推移したことなどにより123億77百万円となり、前年 同期に比べ2.0%増加しました。営業利益は、平日稼働率の向上などに取り組んだ結果54百万円となり、前年 同期に比べ1億19百万円改善しました。 ○e-ビジネス事業 ① e-ビジネス事業は、お客様の業務プロセスの効率化や潜在的な課題の解決に向けて、情報機能に物流機能、 決済機能を融合させたソリューションプラットフォームビジネスを積極的に行っています。また、グループの 事業成長を加速させるため、従来のITにとどまらず、AIやIoTなどを用いた新技術の活用を推進しておりま す。 ② 商品の受注・出荷業務を支援するサービスとしては、出荷情報の処理や伝票印字、荷物追跡などの業務を包括 的にサポートする「Web出荷コントロールサービス」を提供しています。当第1四半期においては、通販市場 の成長などを背景に、既存大口のお客様を中心にサービスのご利用が拡大しました。 ③ 通信機器事業者様など、製品の個体管理を必要とするお客様に向けては、シリアル入出庫管理、在庫管理など の情報機能に、製品へのデータの落し込みや一部加工などのサービスを合わせて提供する「セットアップ・ロ ジソリューション事業」を展開しています。当第1四半期においては、通信機器事業を展開するお客様のご利 用が堅調に推移しました。 ④ 営業収益は、「セットアップ・ロジソリューション事業」における取扱いが拡大したことなどにより108億58 百万円となり、前年同期に比べ5.1%増加しました。営業利益は19億73百万円となり、前年同期に比べ13.4% 増加しました。 ○フィナンシャル事業 ① フィナンシャル事業は、通販商品の代金回収、企業間の決済、および車両のリースなど、お客様の様々なニー ズにお応えする決済・金融サービスを展開しています。 ② 決済サービスに関しては、主力商品である「宅急便コレクト」の提供に加えて、ネット総合決済サービス 「クロネコwebコレクト」や、電子マネー決済機能の利用拡大を推進しています。当第1四半期においては、 「宅急便コレクト」をご利用のお客様に対し、「クロネコwebコレクト」、「クロネコ代金後払いサービス」 のご利用を促進し、お客様に幅広い決済サービスを提供するとともに、収益性の向上に取り組みました。ま た、電子マネー関連サービスについては、引き続き「マルチ電子マネー決済端末」のレンタルサービスの拡販 に取り組みました。 ③ リース事業では、トラックを中心としたファイナンス・リースに加え、期間満了後の買取り、再利用に繋げる オペレーティング・リースなど、グループのネットワークと車両に関するトータルソリューション提案を推進 しました。 ④ 営業収益は、リース事業が順調に推移したことなどにより186億26百万円となり、前年同期に比べ7.4%増加し ました。利益面では、主力の「宅急便コレクト」の取扱いが伸び悩んだことに加え、貸倒引当金繰入額が増加 したことなどにより19億8百万円となり、前年同期に比べ13.6%減少しました。 ○オートワークス事業 ① オートワークス事業は、物流・流通事業者様へ「車両整備における利便性の向上」、「整備費用の削減」とい う価値を提供するため、「24時間365日営業・お客様の稼働を止めないサービス」を展開しています。さら に、「物流施設、設備機器の維持保全や職場環境改善」や、これらの資産を対象に「お客様のリスクマネジメ ントに繋がる最適な保険提案」という機能を付加することで、お客様の事業運営に係るワンストップサービス を実現しています。 ② 当第1四半期においては、定期的にお客様のもとへ訪問する「リペアワークス」の営業を積極的に行うなど、 取扱いの拡大に向け取り組みました。 ③ 営業収益は、燃料販売単価下落の影響などにより60億87百万円となり、前年同期に比べ5.3%減少しました。 営業利益は10億71百万円となり、前年同期に比べ0.4%減少しました。 ○その他 ① 「JITBOXチャーター便」は、複数の企業グループのネットワークを用いたボックス輸送を通じて、お客 様に「適時納品」や「多頻度適量納品」という付加価値を提供しています。当第1四半期においては、既存の サービスが好調であったことにより、着実にご利用が拡大しました。 ② その他の営業利益は、ヤマトホールディングス株式会社がグループ各社から受け取る配当金などを除いて4億 80百万円となり、前年同期に比べ10.8%増加しました。 (略)