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アシックス/09年比で20年生産委託先工場でのCO2排出量を43%

グリーン物流(環境) 2023.06.17

科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出量削減目標を策定 「サステナビリティレポート2015」を公開

国名: Japan
リリース日: 2016.07.07

 アシックスは、このたび、「サステナビリティレポート2015」(日本語版)を公開しました。
 同レポートでは、2015年度のサステナビリティ活動のほか、2011年に設定した中期サステナビリティ目標の成果、さらに2020年に向けた新中期サステナビリティ戦略についても報告しています

〇中期サステナビリティ目標達成事項
・生産委託先工場でのCO2排出量を43%、水の消費量を50%、固形廃棄物を17%削減(シューズ1足
 当たり、2009年比)。
・国際的な制限物質リスト管理団体である「Apparel and Footwear International RSL Management 
   Group (AFIRM)」の制限物質リスト(RSL)を業界でいち早く
採用。
・すべての主要1次委託先工場をアシックスのCSR・サステナビリティ基準によって監査し、当社基
   準に従った改善を実施。

〇2015年度の活動事例
 2015年度は、ステークホルダーの協力を得て、さまざまな中期サステナビリティ目標を達成しました。ステークホルダーと連携した活動の代表的な事例は以下の通りです。

≪生産委託先工場におけるCO2排出量削減≫
 当社は、経済産業省が推進する二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)に基づき、同省の委託事業としてマイクライメイトジャパン株式会社とともに、カンボジアとベトナムの当社生産委託先工場2ヵ所で、JCM実現可能性調査を行い、CO2を削減しエネルギー効率とエネルギー供給バランスを改善する仕組みの構築を目指しました。
 本調査の第一段階では、工場の監査を実施し、費用対効果が高いと見込まれる36種類のエネルギー効率化対策を特定しました。この対策を実行した場合、年間464トンのJCMに基づくCO2排出量削減が可能となります。当社は現在、監査を行なった生産委託先工場に結果を提示し、改善策の導入について協議しています。また、本監査結果は、ほかの生産委託先工場のCO2排出量削減とエネルギー効率改善にも活用していく予定です。

≪化学物質管理の強化≫
 当社は、AFIRM加盟企業として、同団体が初めて発行した制限物質リスト(RSL)の作成を支援しました。この制限物質リストは、サプライヤーが化学物質管理の知識や手法を確立したり、規制順守や分析検査を実施したりするにあたって、AFIRMメンバーとの共通基盤作りに活用できるものです。
 また、製品の化学物質管理に関する業界基準の統合に役立つほか、サプライヤーのコンプライアンス向上の効率化を図ることができます。
 当社は、同リストの適用を積極的に支援しており、AFIRM RSLを「アシックス化学物質管理・運用ガイドライン」の主軸要素として採用しています。

≪労働環境・労働慣行の継続的改善≫
 当社は、ベター・ワーク・プログラム(BW)およびベター・ファクトリーズ・カンボジア・プログラム(BFC)の日本で初めてのパートナーであり、労働条件の向上、労働安全衛生の推進、児童労働の防止など、カンボジア、ベトナム、インドネシアの生産委託先工場の継続的な改善に取り組んでいます。BWおよびBFCはILO(国際労働機関)とIFC(国際金融公社)の共同事業であり、工場の管理層や労働者向けのさまざまな研修やアドバイスを提供しています。
 当社は、国際的な労働基準に沿った独自の基準によって生産委託先工場を監査しているほか、工場管理者を対象にしたCSRに関する説明会を実施することで、製造現場での労働慣行の改善に努めています。2015年度は、すべての主要1次委託先工場の監査を完了し、当社基準の順守率は93%となりました。

〇2020年に向けた中期サステナビリティ戦略
 当社は、中期経営計画「ASICS Growth Plan(AGP)2020」およびマテリアリティ評価プログラムを基に、2020年に向けた中期サステナビリティ戦略を策定しました。 
 過去5年間の活動を通して、サステナビリティ目標の達成にはステークホルダーとの連携が重要であることが明確になりました。有益なパートナーシップの構築こそが、大きな成果を上げる唯一の方法であると考えています。本戦略の中では、CO2排出量削減について、「科学的根拠に基づいた目標設定計画(Science-Based Targets Initiative)※」に基づいた目標を掲げています。

≪2020年に向けたCO2排出量削減目標≫
・事業所におけるCO2排出量5%削減(2015年比)。
・生産委託先工場でのCO2排出量を10%削減(シューズ1足あたり、2015年比)。

 当社は、2015年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)に先駆け、「科学的根拠に基づいた目標設定計画」に基づき、科学的知見に基づいた温室効果ガスの排出量削減目標を策定しました。
 これまでに実施した製品のライフ・サイクル・アセスメント(LCA)により、事業所以外で大量の温室効果ガスが排出されていることを把握しています。COP21で設定された目標を達成するためには、裾野を広げたバリューチェーンでの温室効果ガス削減への取り組みが不可欠です。当社は、サプライヤーやステークホルダーと協力し、COP21の目標達成に努めます。

 なお、「サステナビリティレポート2015」は、GRI G4基準に則って作成しています。本レポートの英語版、ダイジェスト版も当社ウエブサイトでご覧いただけます。

日本語版:http://corp.asics.com/jp/csr/csr_reporting
英語版 :http://corp.asics.com/en/csr/csr_reporting

※CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、および世界自然保護基金(WWF)によ
 る国際行動計画。企業に対し、気候変動による深刻な脅威を回避するためにはどの程度CO2排出
 量を削減せねばならないかを示す。世界の気温上昇を産業革命以前の気温から2℃ 未満に抑制す
 る必要があるという科学的根拠に基づき、企業によるCO2排出量削減目標の設定をサポートする。

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