帝人/パラ系アラミド繊維「テクノーラ」の生産を増強 SCM・製造拠点 2023.06.17 パラ系アラミド繊維「テクノーラ(R)」の生産増強について 帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:鈴木 純)は、松山事業所で生産しているパラ系アラミド繊維「テクノーラ」について、このたびグローバル市場における需要拡大に対応するため、製糸工程の増設などにより、生産能力を約10%増強することとしました。 パラ系アラミド繊維は、強度、弾性、耐衝撃性などに優れる高機能素材で、主として自動車用ゴム資材補強、コンポジット補強、土木建築資材、ロープ、ケーブル、防護衣料などに使用されており、今後も安定した市場成長が見込まれています。帝人グループは、松山事業所で生産する「テクノーラ」、テイジン・アラミドB.V.(http://www.teijinaramid.com/)(オランダ・アーネム市)が生産する「トワロン」の2種類のパラ系アラミド繊維を展開しており、世界市場において約2分の1を占めています。 中でも「テクノーラ」は、帝人が独自技術によって1987年に商業生産を開始したパラ系アラミド繊維で、耐衝撃性、耐疲労性、耐湿熱性、耐薬品性などにおいて特に優れた物性を有しています。その特性から、伝動ベルトやホースなどのゴム補強、地盤補強など、より過酷な条件下における用途の多様化が進み、近年はほぼフル稼働での生産を続けていました。 こうした中、「テクノーラ」の需要は2014年度以降もさらに拡大しており、「テクノーラ」でしか対応できない用途を中心に、引き続きグローバル市場において成長が予想されています。帝人は、こうした需要拡大や市場成長に対し、国内外での対応力を強化するため、帝人グループでアラミド繊維事業の中核を担うテイジン・アラミドと共同で拡販を図ることとし、このたびの生産増強を決定しました。 帝人グループは、成長コンセプトの1つとして「高機能複合材料による顧客価値の実現」を掲げており、特に高機能繊維においては、「インフラ・エネルギー」「セーフティー」「機能紙・フィルター」「モビリティ」を重点領域として、人々の安全で快適な生活に貢献するソリューションを提案しています。帝人は、このたびの「テクノーラ」の生産増強により、多様化するグローバル需要への対応力をますます強化していきます。 【生産増強の概要】 ・工場所在地:帝人株式会社 松山事業所(北地区)内 (愛媛県松山市北吉田町77番地) ・増強規模:現状対比 約10%増強 ・投資額:約15億円 ・着工時期:2016年6月 ・稼働時期:2017年10月(予定) 《参考》帝人のアラミド繊維について アラミド繊維は、一般的に高強力、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性などの特性を持つ高機能繊維の1つで、パラ系とメタ系の2種類に大別される。パラ系アラミド繊維は、特に強度、防弾・防刃性などに優れ、主として防護衣料、自動車のブレーキパッドなどの摩擦材やタイヤの補強材、光ファイバーケーブルの補強材などに使われており、今後も安定した市場成長が見込まれている。帝人グループは、愛媛県松山市で生産する「テクノーラ」と、オランダ・エメン市で生産する「トワロン」で、世界市場の約2分の1を占める。一方、メタ系アラミド繊維は、長期耐熱性や難燃性に優れ、耐熱フィルターやゴムベルト・ホースの補強材などの産業資材、および消防服などのユニフォームに使われており、帝人グループは山口県岩国市で「コーネックス」を生産している。2015年8月には、アジア・新興国における防護衣料の需要獲得推進を目指し、タイ・アユタヤ県にて、世界最高レベルの優れた熱防護性と安定した高い染色性を有する新規メタ系アラミド繊維「Teijinconex neo」の生産を開始した。