宇部興産/中国企業にジメチルカーボネート技術を供与し製造・販売の合弁会社を設立 SCM・製造拠点 2023.06.17 DMCライセンス及び高純度DMC合弁会社設立について 2016年3月16日 宇部興産株式会社(本社:山口県宇部市、社長:山本謙。以下「宇部興産」)と中盐安徽红四方股份有限公司(本社:中国安徽省合肥市、董事長:朱枫。以下「中塩紅四方」)は、宇部興産のジメチルカーボネート(以下「DMC」)技術を供与するためのライセンス契約を締結いたしました。中塩紅四方は安徽省合肥市に年産10万tのDMC製造設備を建設し、2017年末に稼動予定です。宇部興産がDMC技術をライセンス供与するのは、本案件が初めてとなります。 また、宇部興産と中塩紅四方は、DMC製造設備に合わせて、年産1万tの高純度DMCの製造・販売等を行う合弁会社を設立することに合意いたしました。合弁会社は中塩紅四方からDMCの一部を引き取って高純度化し、江蘇省張家港市にあるUBEグループのリチウムイオン電池(LIB)用電解液工場(AET Electrolyte Technologies(Zhangjiagang)Co.,LTD)に供給すると共に、中国市場の電解液メーカーへ販売します。 高純度DMCはLIBの電解液の主要溶剤の一つで、需要が大幅に拡大しています。電気自動車(EV)の普及を積極的に推進している中国に合弁で生産拠点を設けることにより、宇部興産は重要市場に品質・コスト面で競合優位性のある高純度DMCの供給体制を構築します。 宇部興産のC1ケミカルライセンス戦略 宇部興産は石炭由来の合成ガス(一酸化炭素(CO)と水素(H2)の混合ガス)を原料に、ジメチルオキサレート(以下「DMO」)を経由しエチレングリコール(以下「MEG」)を製造する技術を積極的にライセンス展開しています。2012年12月に新疆天業集団(中国新疆ウイグル自治区)でライセンス第1号設備が稼動して以来、その品質と稼動実績が広く認知され、現在までに中国企業と9件のライセンス契約を締結しました(ライセンス合計能力:DMO 390万t、MEG 180万t)。 DMCとDMOは共に宇部興産独自の気相ナイトライト技術(パラジウム触媒による酸化反応)により製造されます。製造工程で使用する触媒を変えることにより、同じ原料からそれぞれの製品を製造することが可能です。中塩紅四方は、宇部興産からのライセンスにより、DMO 60万tおよびMEG 30万tの設備もDMC設備と同地区に建設中です。 中国では産炭地を中心に大規模な石炭化学プロジェクトがいくつも進められています。宇部興産の気相ナイトライト技術は石炭化学で生成するCOとメタノールを主原料としていることから、中国ではMTO技術(メタノールからオレフィンを製造する技術)と並び、石炭化学の川下展開のための最重要技術と認識されています。 宇部興産は今後も積極的に石炭原料の化学工業向けライセンスを推進すると共に、高いコスト競争力が見込まれる天然ガス原料の化学プロジェクトにも対象を広げ、ライセンス活動をグローバルに展開、加速する方針です。 合弁会社の概要 会社名 中盐安徽红四方宇部新材料科技有限公司(CNSG Anhui Hong Sifang & UBE New Material Technology Co., Ltd.) 所在地 中国安徽省合肥市(中塩紅四方の敷地内) 資本金 2,450万人民元 出資比率 中塩紅四方 50%、宇部興産 40%、その他 10% 董事長 罗 斌(Bin Luo) 設立時期 2016年末 事業内容 高純度DMCの製造・販売等 DMO-MEGプロセス DMCプロセス