神戸製鋼/タイに線材製造拠点の設立を決定
タイにおける線材製造拠点設立の決定について
当社は、昨年6月にタイMillcon Steel Public Company Limited(以下、Millcon)との間で、タイにおける線材の圧延及び販売を目的とした合弁会社の設立に関する基本合意書(MOU)を締結し、共同で検討を進めてきましたが、この度、両社で「Kobelco Millcon Steel Co.,LTD」(以下、KMS)を設立する事を決定しました。近日中に正式契約を締結し、今月内の会社設立を目指します。
当社は、Millconが一昨年に買収したThai Special Steel Industry Public Company Limited※1(以下、TSSI)の資産を保有するMillcon Special Steel Company Limited(以下、MSS)に対してMSSが新たに発行する株式を引受けることによって資本参加し、MSSの社名をKMSに改称します。
<合弁会社の概要>
・会社名:Kobelco Millcon Steel Co., LTD.(略称 KMS)
・代表者:未定(当社から派遣予定)
・所在地:タイ国ラヨーン県(現 MSS)
・事業内容:特殊鋼及び普通鋼線材の圧延・販売
・生産能力:年産48万トン
・総投資額:67.9億バーツ(約241.0億円)
*MillconによるTSSI資産の買収費用を含む
・資本金額:28.3億バーツ(約100.5億円)
・出資比率:当社50%、Millcon50%
・稼働予定:
MSSは既に2015年9月から普通鋼線材の製造を開始
特殊鋼線材は2017年5月から製造開始予定
・従業員数:約300名(フル稼働時)
タイの自動車生産台数は、2015年実績の191万台に対して今後着実に拡大すると想定されており、また、インドネシアやマレーシアといったタイ以外のアセアン諸国においても、堅調な拡大が見込まれています。それに伴い、線材の需要についても拡大が見込まれており、そのような状況を踏まえ、当社はタイでの合弁事業による線材の製造拠点設立を決定したものです。
MSSは、2015年9月から既に商業生産を開始していますが、当社の資本参加によって特殊鋼線材の生産に向けた設備導入や準備作業を本格化させ、特殊鋼線材の製造を2017年5月から開始する予定です。
当社の線材事業は、これまでタイ、中国、米国やメキシコでの線材二次加工拠点の設立によって、拡大する海外需要に対応して参りましたが、線材圧延では唯一の海外製造拠点となるKMSの設立により、東南アジア地域における線材の現地供給体制が更に整うこととなります。当社は、線材から二次加工までのサプライチェーンを強化していく事で、高品質な製品のタイムリーな供給を行い、成長が見込まれる東南アジアの需要を捕捉していくことを目指して参ります。
※1 TSSI
1994年設立の線材単圧メーカーで、タイ南東部のラヨーン県に所在。経営不振により2007年から操業を停止していたが、2014年にMillconがその資産を買収した。
<株式会社神戸製鋼所の概要>
・社名:株式会社神戸製鋼所
・本社所在地:兵庫県神戸市
・代表者:代表取締役社長 川崎博也
・創立:1905年
・従業員数:36,420人(2015年3月末時点、連結ベース)
・主要事業:鉄鋼、溶接、アルミ、銅、機械、エンジニアリング、建設機械等
<Millconの概要>
・社名:Millcon Steel Public Company Limited
・本社所在地:タイ国バンコク市
・CEO:Sittichai Leeswadtrakul(シティチャイ・リースワドトラクル)
・設立:1998年
・従業員数:821人(2014年末時点・連結ベース)
・主要事業:鉄筋用棒鋼の製造・販売、コイルセンター(スリッター、シャー)事業等