新日鐵住金/鋼管事業のパートナー仏社と戦略的提携を拡大 SCM・製造拠点 2023.06.17 フランス Vallourec社との戦略的提携の拡大について 新日鐵住金株式会社(以下、「新日鉄住金」)は、当社鋼管事業の重要な戦略パートナーであるフランス Vallourec S.A.社(以下「バローレック」)との間で、事業連携の深化を主体とする戦略的提携の拡大について、本日2月1日に合意しましたので、お知らせいたします。 1.事業連携の深化 新日鉄住金とバローレックは、これまで40年以上の油井管特殊継手 VAM(R)の協業や米国・ブラジル・アジア地域での共同拠点展開を通じて相互の事業強化を進めて参りましたが、今後は下記の通り、事業連携の大幅な深化、特にVAM(R)については部分提携から総合連携への発展を通じて両社のシナジーの拡大を図り、原油価格の低迷による厳しい環境下でもそれぞれの収益力を維持・向上できる事業体質を構築してまいります。 (1)油井管特殊継手 VAM(R)の強化 VAM(R)の新たな協業範囲については、従来の継手技術の研究開発だけでなく、製品化プロセス及び顧客サービスまでの総合的な協業へ拡大することとし、協業体制についても定期会議体から常設組織へ発展させ、新商品の開発を加速していくことで合意いたしました。また、商品開発の短期化に必要な試験設備及び要員の増強についても実施していくこととしました。油井管の継手分野においては、顧客の油井掘削条件の多様化が進展し、ニーズに合わせてカスタマイズされた様々な商品群とそれを油井の掘削現場で鋼管に装着・使用する上での種々の技術サポートが求められています。 この連携拡大により、個々の顧客ニーズに対し世界各地で極めてスピーディに応えられる体制を整えることで、油井管特殊継手 VAM(R)に対する顧客評価を更に高め、当社の収益力向上に繋げてまいります。 ※VAM(R)とは 新日鉄住金とバローレックが共同開発をしているシームレスパイプの特殊継手のブランド名。世界200カ所以上の継手加工・リペアショップ網による製品供給・サービス体制を有し、その高い継手性能とともに顧客の高い評価を得ています。 (2)ブラジルにおける共同シームレス鋼管事業の強化 新日鉄住金とバローレックは「Vallourec&Sumitomo Tubos do Brasil Limitada社」(新日鉄住金、住友商事(株)とバローレックの共同出資によるブラジル鋼管製造会社、以下「VSB」)と「Vallourec Tubos do Brasil S.A.社」(バローレックの完全子会社であるブラジル鋼管製造販売会社 Brasil S.A.社、以下「VBR」)の経営統合に合意し、上工程(高炉2基、製鋼1ライン)の設備統合や間接部門のスリム化等による収益力の強化を図っていくことと致しました。今後、独禁当局の許可を受けた上で、統合を実行してまいります。 なお、2社統合後もジェシアバ地区(現VSB)は新日鉄住金とバローレックが共同運営し、同地区のシームレス鋼管製造能力60万トン/年の内の1/2に相当する30万トン/年については、引き続き新日鉄住金が引き取り、販売する権利を有します。 <統合新会社概要(予定)> 会社名:Vallourec Solucoes Tubulares do Brasil S.A.(略称:VSB) 本社所在地:ブラジル国ミナスジェライス州ベロ・オリゾンテ 出資比率:Vallourec グループ 84.6%、新日鉄住金グループ 15.0%、住友商事 0.4% 発足時期:2016年中を目途 2.資本出資 鋼管専業のバローレックは、原油価格の低迷による事業環境の悪化に伴い、構造改革に着手することとしております。 同社は、構造改革遂行と収益回復までに要する資金について、新株予約権の全株主均等割当(以下、「ライツイシュー」)及び新日鉄住金とフランス公共投資銀行(Banque Publiqued’Investissement:以下、「Bpi フランス」)に対する強制転換社債の発行による総額1,000百万ユーロまでの資本増強を、同社株主総会(2016年4月6日開催予定)の承認を経て実施し、確保していく予定です。 新日鉄住金によるライツイシューと強制転換社債の引受総額は約350百万ユーロとなる見通しです。尚、ライツイシューの発行価格はバローレックの株主総会後に決定される予定です。強制転換社債は二つのトランシェに分かれており、株式への転換価格は一部は11ユーロ/株となり、もう一部はライツイシュー発行価格と同額となります。 新日鉄住金としては、戦略パートナーであるバローレックとの事業連携深化を通じて両社のシナジー拡大を図る観点から、当該資本増強をサポートすることを決定いたしました。新日鉄住金に対する転換社債の発行はライツイシューの実施後に行われ、独禁当局の許可を得た後に株式への転換が実施されますが、その場合の新日鉄住金のバローレックに対する出資比率は、結果として15%となる見通しです。尚、Bpi フランスも出資比率を15%まで引き上げる予定です。 新日鉄住金は、バローレックの出資比率15%を取得後に開催される最初の同社株主総会において選任される取締役(バローレックのSupervisory Boardのメンバー)1名を指名し、当該株主総会における承認を受けた同取締役の就任をもって2017年度よりバローレックを持分法適用会社とする予定です。