日立造船/NACが中国の使用済み核燃料管理プログラム向け輸送用キャスクを4基受注 物流全般 2023.06.17 NACが中国の使用済み核燃料管理プログラム向け輸送用キャスクを4基受注 Hitz日立造船株式会社の子会社であるNAC International Inc.(アメリカ、以下、NAC)は、このほど、中国のChina National Nuclear Corporation Everclean Co., Ltd.(以下、CNNC-E)および China National Nuclear Energy Industry Corporation(中国北京以下、CNEIC)より、加圧水型原子炉における高燃焼度使用済み核燃料輸送キャスクおよび付帯設備を受注しました。 中国では、2020年までに同国内の原子力発電の総発電量を58,000MWまで引き上げることを計画しており、2015年7月現在、30基の原子力発電設備が運転され、21基が建設されている状況です。また原子力発電の拡大を進めるために、同国は使用済み核燃料の貯蔵・輸送計画に取り組んでいます。 本契約は、NACが高燃焼度使用済み核燃料輸送キャスクであるNAC-STC輸送キャスク4基の設計および付帯設備の供給を請け負うものです。また本契約によってCNNC-EおよびCNEICは、輸送キャスク事業をNACの実績ある技術によって拡大することで、高い競争力を得ることが可能となります。NAC-STC輸送キャスクは、同国の商用原子炉で発生する現在の使用済み核燃料に対応するだけでなく、将来的に同国の大規模な使用済み核燃料の輸送を支えます。 契約範囲は、NACによる、高濃縮で短冷却による高燃焼度燃料のために最適化したNAC-STC輸送キャスクの設計、製作、エンジニアリングおよびライセンス取得が含まれており、これらの新たなシステムは、中国・広東省深圳市の大亜湾原子力発電所から発生する使用済み核燃料の輸送を行うCNNC-Eをサポートするものになります。なお、CNNC-Eは、将来的に同国の他の商用原子炉から発生する潜在的な使用済み核燃料の輸送のために、これらのシステムを活用することを計画しています。 NACのCEOであるKent Cole(ケント・コール)は、次のように述べています。「重要な国家プログラムにおいて、当社のNAC-STC輸送キャスクが選ばれたことは、当社が使用済み核燃料貯蔵・輸送技術のリーディングカンパニーであり、その堅実で信頼性の高い技術の積極的な提供等が認められたのです。私達は、CNNC-Eの重要なプロジェクトに参加できること、プロジェクトが成功することを楽しみにしています。当社は30年以上の実績を持ち、また先進的で高効率でもある輸送キャスクのノウハウは、中国にとって安心・安全で効率的な使用済み核燃料管理計画を実行することにおいて大きな強みとなるでしょう」 当社グループは、使用済み核燃料の輸送・貯蔵容器であるキャスク・キャニスタにおいて合計700基以上の納入実績があります。2013(平成25)年にはNACが当社グループに加わり、キャスク・キャニスタのコンサルティングから設計・製造・輸送に関わる一体型ソリューションを提供できる体制が整いました。今後も、キャスク・キャニスタ事業を通じ、原子力発電の安全性向上のため継続して技術開発を進め、豊かな未来へ積極的に貢献していきます。 なお、本件の概要は以下のとおりです。1.発 注 者:China National Nuclear Corporation Everclean Co., Ltd. China Nuclear Energy Industry Corporation2.機 種:NAC-STC輸送キャスク4基