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EC事業のフルフィルメントとは?業務内容や3PLとの違いを解説

多くのEC事業者が導入・活用しているフルフィルメントの外部委託サービスの業務内容や、3PLとの違いを解説します。

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目次

  1. ECにおけるフルフィルメントとは
  2. フルフィルメントの業務内容とは
  3. 3PLとは?フルフィルメントとの違い
  4. 3PLとは
  5. フルフィルメントと3PLとの違い
  6. どのような事業に3PLが向いているのか?
  7. フルフィルメントの今後の課題と展望
  8. フルフィルメントの内製化のメリットとデメリット
  9. 内製化のメリット
  10. 内製化のデメリット
  11. 顧客体験向上のためのフルフィルメント施策
  12. フルフィルメントの自動化と最新技術の活用
  13. まとめ

EC事業運営において、人的リソース不足や業務品質などの課題がありませんか。
その課題解決の一つが、フルフィルメントの外部委託サービスを利用することです。すでに多くのEC事業者が導入・活用しているフルフィルメントサービスの内容や、3PLとの違いを解説します。

ECにおけるフルフィルメントとは

近年のEC市場発展に伴い、「フルフィルメント」という言葉を目にする機会が多くなっているかと思います。

EC事業におけるフルフィルメントとは、注文を受けてから商品が顧客の手元に届くまでの一連の業務を指します。具体的には、注文の受け付け、在庫管理、梱包、出荷、そして顧客対応までの全てを含むプロセスです。フルフィルメントは、顧客体験に大きく影響する重要な業務であり、ECサイトの成長に伴ってその重要性がますます増しています。

フルフィルメントの目的は、効率的に商品を配送するだけでなく、正確さや迅速さも求められます。顧客にとっては、注文した商品が期日内に問題なく届くことが当然とされるため、ここでの失敗がEC事業者の評判や売上に大きな影響を与えることがあります。

近年、フルフィルメントがフルフィルメントサービスを指していることもあります。これはECで必要な業務をトータルもしくは部分的にアウトソーシングするサービスを指します。EC事業運営における業務範囲は多岐に渡るため、フルフィルメントサービスを利用することで、効率的にアウトソーシングができるほか、業務効率化、業務品質の向上、コア業務への専念といったメリットも期待できることから、注目を集めています。

フルフィルメントの業務内容とは

フルフィルメントの業務は多岐にわたりますが、主に以下のような内容が含まれます。

●入荷、検品
ECで販売する商品が物流倉庫に入荷した後、種類や数量に誤りがないかどうかを確認する作業です。近年はハンディターミナルで商品についたバーコード読み取るなどのシステム化が行われています。

●保管・在庫管理
検品が終わった商品は、棚入れという倉庫に整理した状態で保管する作業を行います。在庫の管理は、商品が適切に保管され、必要に応じて迅速に出荷できるようにするために非常に重要です。効率的な在庫管理は、商品が欠品したり、過剰在庫に悩むことを防ぎ、コストを削減する手段でもあります。

●注文処理
ECサイトを通じて顧客からの注文を受け付け、正確にデータとして管理するプロセスです。情報システムが整っていることにより、在庫の過不足を防ぎ、注文を受けてから迅速な出荷準備が可能となります。

●ピッキング・検品
ピッキングは、出荷指示があった商品を倉庫にある在庫から必要な数量だけ取り出す作業です。ピッキングについても近年ロボット化が進んでいます。そして、ピッキングした商品に誤りはないか、破損や異物混入がないか、食品の場合賞味期限が切れていないかなどを確認するため、検品作業を行います。

●流通加工
ピッキング後は、必要に応じて、商品付加価値を向上させる流通加工という作業を行います。例えば、商品の組み立て作業、箱詰め、ラッピング包装、値札・ラベル貼付などがあります。

●梱包と出荷
商品を段ボール箱などで梱包した後、出荷業務を行います。商品の梱包は、商品が破損せずに顧客の元に届くように丁寧に行われます。また、SDGsの観点からも、環境に配慮した梱包資材を選ぶことが推奨されています。出荷業務は、適切な配送業者の選定や、顧客のニーズに合わせた配送スピードの調整などが求められます。

●配送
商品が顧客に届くまでの配送プロセスもフルフィルメントの一部です。配送業者との連携や、配送トラッキングの提供によって、顧客の安心感を高めることができます。また、顧客が商品の受取時間や受取場所を選択できることは、利便性も向上しながら、社会問題となっている再配達率の削減にもつながります。

●返品・交換対応
返品や交換のプロセスも重要な業務の一つです。商品を発送した後、顧客からの問い合わせの内容に応じて、返品や交換処理を行います。顧客が満足する形になるよう迅速に対応することで、リピート購入の促進や、ブランドロイヤルティの向上につながります。

3PLとは?フルフィルメントとの違い

最近よく耳にするEC事業者が行うアウトソーシングの概念は複数あり、違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。
フルフィルメントとよく混同される概念に「3PL」(Third Party Logistics)があります。3PLは、企業が物流業務を外部の専門業者に委託するサービスのことを指します。フルフィルメントと3PLは似た部分もありますが、それぞれに特徴や役割の違いがあります。

3PLとは

3PLとは、「Third(3rd) Party Logistics」の略称で、「物流(Logistics)」を「第三者(Third(3rd) Party)」企業に委託する行為、もしくは物流業務の受託サービスを指します。

3PL業者は、配送、在庫管理、梱包、出荷といった物流に関する業務全般を担当します。物流戦略の企画立案から行い、その物流戦略計画に基づく形で業務を実行してもらうため、包括的に委託するのが特徴です。

フルフィルメントに含まれる、これらの業務を自社で行う代わりに、専門業者に委託することで、企業は自社のコア業務に集中することができます。また、物流のプロフェッショナルとして、より効率的かつコスト削減を実現することが期待できます。

フルフィルメントと3PLとの違い

3PLとフルフィルメントは、どちらも包括的に業務を委託する点で似ていると感じるかもしれません。
フルフィルメントは、EC事業者自身が行うことも、外部に委託することもできますが、3PLはあくまで外部委託を指します。つまり、フルフィルメントはEC事業者が自社で運営する内部プロセスも含む広い概念であるのに対し、3PLはその一部を外部に依存する形態です。

一方で、フルフィルメント業務は、3PLに委託されることが多く、特に規模が大きくなったり、複数の国でEC展開を行う場合、3PLの活用が有効です。3PL業者は、広範囲なネットワークや、実運用に適した倉庫管理システム(WMS)を持っていることが多く、EC事業者が自社で物流業務を行うよりも高いパフォーマンスを発揮することがあります。

どのような事業に3PLが向いているのか?

3PLの導入は、以下のような事業に特に適しています。

●急成長しているEC事業者
急激な成長に伴い、在庫や配送の業務量が増加する場合、3PLを導入することで、スムーズなスケーリングが可能です。

●グローバル展開をしている企業
複数国でビジネスを展開する場合、各国の物流網や規制に詳しい3PL業者のサポートが必要です。

●固定費を削減したい企業
自社で物流を行う場合、倉庫や運営スタッフの確保、システムの導入など、一定の固定費がかかります。3PLを活用することで物流コストを変動費化し、固定費の削減ができます。

フルフィルメントの今後の課題と展望

フルフィルメント業務は、EC事業の拡大に伴って今後も重要性を増す分野です。しかし、物流業界全体としての課題も多く、労働力不足や配送の遅延、持続可能な物流手法の導入などが求められています。

特に、サステナビリティを重視した物流が今後のトレンドとなり、環境に優しい梱包材の使用やカーボンフットプリントの削減を目指した配送方法が注目されています。また、AIやロボットを活用した自動化の導入により、物流の効率化が進むことも期待されています。

フルフィルメントの内製化のメリットとデメリット

多くのEC事業者は、自社でフルフィルメントを行うか、3PLに委託するかを判断する際に、内製化のメリットとデメリットを比較検討します。ここでは、それぞれの側面を詳しく見てみましょう。

内製化のメリット

●コントロール性
自社でフルフィルメントを行う場合、在庫管理から配送までのすべてのプロセスをコントロールできます。これにより、カスタマーサービスや配送スピードにおいて独自の基準を設けることができ、顧客に対して高品質な体験を提供することが可能です。

●柔軟性
急な需要変動にも迅速に対応できる柔軟性が内製化の大きな利点です。特に、プロモーションやセール時期には、適切な在庫配置や発送スピードの調整が求められます。

●ブランドイメージの強化
フルフィルメントの内製化により、ブランド独自の梱包デザインや付加サービスを実現し、顧客に強い印象を残すことができます。特に、ブランドの一貫した体験を提供することが重要な高級ブランドやニッチ市場では、内製化が有効です。

内製化のデメリット

●コストとリソースの負担
内製化は設備投資や人員確保に多くのコストがかかります。特に、規模が拡大するにつれて、物流施設やシステムの維持管理が難しくなるため、中小規模の事業者にとっては大きな負担となり得ます。

●効率の低下
専門知識を持たない企業が自社でフルフィルメントを行うと、運営が非効率になる可能性があります。これは、配送遅延や在庫不足、人的ミスの原因となり、結果的に顧客満足度の低下につながります。

●スケーラビリティの限界
成長段階にあるEC事業者が、急激な需要増加に対応するためには、倉庫やシステムの拡張が必要です。しかし、適切なインフラが整わないまま成長を続けると、スケーラビリティに限界が生じ、顧客へのサービスが低下する可能性があります。

顧客体験向上のためのフルフィルメント施策

フルフィルメントは単に商品の配送を行うだけでなく、顧客体験全体を向上させる重要な要素になります。ここでは、具体的な施策について紹介します。

●パーソナライズドな体験の提供
現代のEC顧客は、個別対応されたサービスを求めています。注文後の確認メールや配送状況の通知をパーソナライズすることはもちろん、ギフト包装や手書きのメッセージを追加するなど、細かな配慮が顧客満足度を大きく向上させます。

●リアルタイム追跡システムの導入
商品がどこにあるのかをリアルタイムで確認できるトラッキングシステムは、現代のEC事業において必須の機能です。これにより、顧客は安心して商品を待つことができ、配送遅延やトラブル時にも迅速な対応が可能となります。

●環境に優しい配送と梱包
サステナビリティへの関心が高まる中、環境に配慮した梱包材や配送方法を採用することは、ブランドのイメージ向上につながります。再利用可能な素材やCO2排出量を抑えた配送方法を採用することで、環境配慮型の企業としての評価が高まり、顧客に好印象を与えることができます。

フルフィルメントの自動化と最新技術の活用

EC市場の成長に伴い、フルフィルメントの自動化やAI技術の導入が注目されています。自動化は業務の運営効率を大幅に向上させ、人的ミスを減少させる手段として非常に有効です。

●ロボットによる倉庫作業の自動化
ピッキングやパッキング、仕分けなど、倉庫内のさまざまな作業にロボットの導入が進んでいます。人からロボットに代わることで、24時間体制稼働を実現することも可能であり、顧客から注文を受けてから出荷するまでの作業スピード向上とコストの抑制効果が期待できます。

●AIによる需要予測と在庫管理
AIを活用した需要予測は、販売データやトレンドをもとにより正確に予測し、最適な在庫配置を可能にします。これにより、在庫不足や過剰在庫を防ぎます。

●AIコミュニケーションツールの活用
煩雑な業務もAIやチャットボットを活用しながら、自動化することにより顧客対応の業務効率化を行い、未来の売上に繋がる顧客対応に集中します。

まとめ

フルフィルメントは、物流業務だけでなく、決済業務や顧客対応まで幅広く対応する、EC事業における顧客体験の質を左右する非常に重要な業務です。
正確で迅速なフルフィルメント業務は、顧客の満足度を高め、ビジネスの成長を支える要素となります。3PL活用は、特に急成長やグローバル展開をしている企業にとって有効な手段であり、効率的なEC事業運営をサポートします。今後も、フルフィルメントは時代とともに進化が求められていくことが予想されます。

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