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EC倉庫委託が注目される理由とは?EC事業成功のカギを握るフルフィルメント・物流

EC市場の拡大とともに物流課題が深刻化しており、人手不足や配送コスト増加、多様な顧客ニーズへの対応といった課題を解決する手段の一つとして、EC倉庫委託・フルフィルメントサービスに注目が集まっています。EC事業成長のために必要な対策とは、倉庫委託にはどんなメリット・デメリットがあるのか、詳しく解説します。

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目次

  1. 拡大を続けるEC市場と物流の課題
  2. EC倉庫委託とは?フルフィルメントサービスで解決できること
  3. EC倉庫委託の定義と主なメリット
  4. フルフィルメントサービスの内容
  5. EC物流の課題を解決する倉庫委託・フルフィルメントサービス
  6. EC倉庫委託・フルフィルメントサービス導入のメリット・デメリット
  7. EC倉庫・物流会社の種類と選び方
  8. まとめ

拡大を続けるEC市場と物流の課題

国内のEC市場規模は、年率数%以上のペースで成長を続けており、令和5年のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、24.8兆円に拡大しています。
物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳では、「食品、飲料、酒類」、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」、「衣類・服装雑貨等」、「生活雑貨、家具、インテリア」の割合が大きく、これらの上位4カテゴリーが2兆円を超過するとともに物販系分野の73%を占めています。

出典:経済産業省ウェブサイト
https://www.meti.go.jp/press/2024/09/20240925001/20240925001.html

EC市場全体としては伸びている一方、消費者から求められるサービスレベルの高度化、多様なニーズへの対応、人材不足、人件費の高騰、配送料負担の増加など、EC事業者にとってフルフィルメント・物流まわりの課題は多く、対策が求められるでしょう。

ECフルフィルメント・物流を取り巻く課題

●人手不足と人件費の高騰によるオペレーションコスト増加
慢性的な人手不足は続いているためスタッフの確保が容易ではなく、加えて、人件費の高騰もあります。人材確保にかかるコストと人件費双方の理由でオペレーションコストが膨らむ傾向にあります。

●配送コスト負担の増加
燃料費や人件費の高騰が原因で、配送コストは年々増加の傾向です。配送料の値上げは消費行動に影響を及ぼし、カート放棄率が上昇するリスクもあるため、EC事業者は、送料無料キャンペーンや送料の一部負担などの施策による負担が大きくなっています。

●多様なニーズへの対応
即日配送や時間指定配送への需要が急増していますが、これを実現するための体制構築は多くの企業にとって課題です。また、社会的に持続可能性(サステナビリティ)への意識が高まり、環境に配慮した梱包材の使用など、取り組みにも関心が集まりやすくなっています。

●ラストワンマイル配送への配慮
都市部での個別配送が多くなることで、物流効率は悪化。配送ドライバー1人あたりの負担が大きくなっています。解決策として、再配達を減らすために、日時指定のほか、宅配ボックスや置き配、駅やコンビニ受取などの柔軟な対応も求められます。

●事業拡大に伴うオペレーションの煩雑さ
順調に顧客が増え、EC事業規模が拡大してくると、増加する取引量に対応するため、倉庫を拡張し商品数や在庫が増えます。扱うアイテム数が増えれば増えるほど、倉庫内でのオペレーションが煩雑になり、大きく作業効率が落ちる可能性やミスが発生しやすいリスクがあります。

●繁忙期と閑散期の波動
EC事業では繁忙期と閑散期における物流量・出荷量の増減の波(=波動)が大きく、波動対応も課題の一つでしょう。閑散期と繁忙期、それぞれに必要な体制が異なり、人材やスペースのコントロールが難しいところです。閑散期に合わせた場合、繁忙期に対応できる体制を早期に構築できなければ、配送遅延というリスクが発生します。一方、繁忙期に合わせれば、閑散期は無駄なコストが発生し続けるという点に注意が必要です。

EC倉庫委託とは?フルフィルメントサービスで解決できること

EC倉庫委託の定義と主なメリット

[EC倉庫委託の定義]
EC倉庫委託とは、EC事業者が商品の保管や物流業務を専門業者にアウトソースするサービスを指します。これにより、業務負担を軽減し、本来注力すべきマーケティングや商品開発にリソースを集中できます。

[主なメリット]
コスト削減
:自社倉庫の運営コスト・固定費を抑え、変動費化できる
業務効率化:プロフェッショナルな物流業者による作業でミスが減少
柔軟な対応:季節変動やセール時の需要急増にもスムーズに対応

フルフィルメントサービスの内容

フルフィルメントサービスは、EC物流における一連の業務を包括的に支援します。以下は主なサービス内容です。

1.受注処理
受注データの自動処理
:ECサイトと連携し、受注情報を処理。人的ミスを減らすために、迅速な対応を実現

2.ピッキング・梱包
ピッキングの最適化
:商品を効率的に取り出す仕組みを導入し、作業時間を短縮
梱包の品質管理:商品の安全性を保つ梱包材選定と、ブランドイメージ向上に寄与するパッケージデザインの提案

3.在庫管理
在庫の可視化
:倉庫管理システム(WMS)を活用し、在庫状況をリアルタイムで確認可能
在庫最適化:過剰在庫や在庫切れを防ぎ、適切な仕入れ計画をサポート

4.配送
配送業者との連携
:複数の配送業者を活用し、最適な配送方法を選択
顧客満足度向上:即日配送や時間指定など、多様なニーズに対応可能

5.返品・交換対応
返品プロセスの効率化
:商品状態のチェックから再販準備までを迅速に実施
顧客対応の代行:消費者からの問い合わせや交換手続きも専門業者がサポート

EC物流の課題を解決する倉庫委託・フルフィルメントサービス

人手不足と作業負担の軽減、人件費の削減

課題:
倉庫内作業(ピッキング、梱包など)や配送業務の人手不足が深刻化。特に繁忙期には対応が追いつかず、配送遅延やクレームが発生する事態にも。

倉庫委託・フルフィルメントサービスを利用すると、倉庫運営をそのまま専門業者に任せられます。物流業務における専門知識とWMSや自動化の技術を取り入れながら、作業の効率化を行い、繁忙期の出荷波動にも迅速な出荷を実現します。

在庫管理の効率化と正確性

課題:
商品数が増えてきて、在庫管理のミスや在庫切れが発生しやすい。
売れ筋商品の欠品が起きてしまい、在庫不足が問題に。
一部の商品は、過剰在庫になっていて、動かないまま放置状態。

倉庫委託先が使用する倉庫管理システム(WMS)を利用することで、正確な在庫状況を把握することが可能になります。また、システムに蓄積したデータを可視化、分析することで需要予測がしやすくなり、適正在庫の維持にも役立ちます。

配送まわりの負担増加

課題:
配送に関する問い合わせ対応が非効率。翌日配送や日時指定など、配送サービスに伴い出荷業務の調整が必要となり、負担が増大。

倉庫業者にフルフィルメント・物流業務を委託した場合、配送業者とも連携し効率的な出荷業務の運営を行うため、翌日配送や時間指定にも対応できるようになります。さらには、置き配やコンビニ受取など柔軟な配送を実現し、カスタマーエクスペリエンス向上にもつながります。

返品・交換対応の負担

課題:
EC事業では、返品や交換が避けられず、これらの処理に多くの時間とコストがかかる。
顧客対応の品質低下がリピート率に悪影響を及ぼすリスクも。

倉庫業者は返品された商品の検品、再梱包、在庫復帰までを一括で処理します。また、返品商品を確認でき次第、新しい商品を発送します。さらに、CS業務も委託している場合、社内の負担は大幅に軽減することができます。

EC倉庫委託・フルフィルメントサービス導入のメリット・デメリット

メリット

●業務負担の軽減
物流業務を専門業者に任せることで、EC事業者は販売促進や商品開発などのコア業務にリソースを注力できます。

●コストの柔軟化
自社倉庫運営にかかる固定費(人件費、設備費用)を削減し、委託費用は変動費として管理可能。繁忙期の対応力も強化できる上に、閑散期は売上に比例したコストとなり、事業全体で費用を抑えやすくなります。

●スピードと正確性の向上
委託先倉庫・フルフィルメントサービス事業者の経験や技術活用により、迅速かつ正確な物流対応が可能です。

●カスタマーエクスペリエンスの向上
丁寧な梱包や迅速な配送、スムーズな返品対応により、サービスへの安心感・満足度を向上させ、リピート購入に繋がります。

●スケールメリットの活用
委託業者のネットワークを活用することで、大規模な配送や複数拠点での在庫管理が可能になります。複数拠点で運営することで、配送費を大きく抑えられるケースもあります。

デメリット

●コスト負担の増加
サービス利用料として、配送費のほか、保管費・作業費の料金がまとまってかかるため、割高に感じるかもしれません。業者の料金体系を詳細に確認し、自社の物流量にあったプランかどうか、不要な作業やオプションが無いか、などの確認が重要です。

●コントロールの難しさ
委託先とのコミュニケーション不足や運用方針が正しく伝わらない、あるいは業者の運営方針に柔軟性が無いなどの原因で、顧客対応がスムーズにいかないことがあります。また、在庫の欠品や配送ミスが発生した場合にも、自社で直接確認できず、顧客を待たせクレームが長引くリスクが生じます。

●ブランド価値の一部が委託先に依存する
梱包や配送体験が顧客のブランド印象に影響するため、委託先の品質管理が重要です。コストを考慮する一方で、ブランドコントロールのために必要なパッケージ開発や業務品質が安定しているかを見極める必要があります。

●業者の切り替えが難しい
サービス導入以降に他のサービスに移行する場合、システムや業務フローの変更、移行のプランニングと業務マネジメントを行う必要があり、時間とコストがかかります。例えば、切替え作業でトラブルが発生した場合、一時的に業務が停止してしまうリスクがあります。

EC倉庫・物流会社の種類と選び方

●信頼できる業者選び
業界実績や導入企業数、その企業の配送レビューなども参考に、信頼できるパートナーを選びましょう。
チェックリスト:システム連携対応、1日の対応件数、トラブル対応の体制など

●費用対効果の明確化
サービス料金だけで判断するのではなく、運用開始後、業務効率化による事業の利益向上が見込めるか、継続してコスト適正化ができるかどうかが重要です。

●適切な契約内容の設定
契約内容に明確な品質基準や対応範囲を盛り込み、定期的なレポーティングが行われるように依頼します。

●自社の商品・物流量に合った業者を選択
小規模からスタートした場合でも、事業拡大に合わせてプランを見直す柔軟性を持つことが重要です。

まとめ

EC市場の競争が激化する中、顧客満足度を高めるためには、迅速かつ正確な配送が不可欠です。EC倉庫委託・フルフィルメントサービスを活用した場合、人手不足も解消し配送品質も向上します。
また、固定費を変動費化できるため、事業運営におけるキャッシュフロー改善に役立つということ、事業拡大への柔軟性、季節変動やセール時の需要急増にも対応できる柔軟な物流体制が構築可能になることもあり、注目されているのです。

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