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EC物流倉庫委託のメリット・デメリットとは?フルフィルメント効率化でEC事業の成長を加速!

EC事業が急速に成長する中、効率的な物流体制の構築が競争力を維持する鍵となっています。本記事では、EC物流倉庫の外部委託のメリットとデメリットを整理し、事業成長へつながるフルフィルメント効率化の秘訣を解説します。

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目次

  1. EC物流倉庫とは?フルフィルメントの業務を理解しよう
  2. EC物流倉庫の定義
  3. フルフィルメントの業務内容
  4. EC物流倉庫委託のメリット
  5. フルフィルメント効率化によるコスト削減
  6. EC事業の成長を促進
  7. 物流品質の向上
  8. EC物流倉庫委託で生じるデメリット
  9. 初期費用と毎月の費用発生
  10. 柔軟性に欠ける場合がある
  11. 現場とのコミュニケーションが重要になる
  12. EC物流倉庫の選び方
  13. EC事業の規模や特性に合った倉庫を選ぶ
  14. 費用体系を比較検討する
  15. 実績と信頼性で物流業者を選ぶ
  16. まとめ

EC物流倉庫とは?フルフィルメントの業務を理解しよう

EC物流倉庫の定義

EC物流倉庫とは、EC事業者が取り扱う商品を効率的に管理・保管し、注文から配送までの一連の流れをサポートする専用倉庫です。
近年、市場の拡大に伴い、EC物流倉庫の重要性が高まっています。迅速な配送や正確な在庫管理が求められる中、EC物流倉庫は単なる保管スペースにとどまらず、フルフィルメント業務の多くを担い、重要な役割を果たします。

[一般的な倉庫との違い]
・EC物流倉庫
:小口出荷が中心。高頻度の入出荷に対応し、短期間での配送が重視される。
・一般倉庫:大口出荷が中心。長期保管に適した設備や運用が行われる。

[EC物流倉庫が求められる背景]
・消費者の期待の変化
:即日配送や翌日配送など、迅速な対応が求められる。
・多品種少量化:商品バリエーションの増加により、柔軟な在庫管理が必要。
・コスト競争:配送コストの最適化が事業の競争力を左右する。

フルフィルメントの業務内容

フルフィルメントとは、EC事業において、ECサイトの注文受付・受注業務から、在庫管理、出荷、配送、返品・交換、顧客対応までの業務を包括的に指します。EC物流倉庫はこれらのプロセスを効率的に実行するための設備と仕組みを備えています。以下に主な業務内容を解説します。

●受注処理
受注処理は、フルフィルメント業務の出発点です。ECサイトの注文データは、倉庫管理システム(WMS)に取り込まれ、在庫確認や出荷準備が行われます。
多くのEC物流倉庫が、自社に合った倉庫管理システム(WMS)を導入しており、手作業よりも迅速かつ正確に処理し、出荷作業のプロセスに進みます。
また、各プロセスで情報を連携し、リアルタイムな在庫情報を獲得することが可能です。

●ピッキング・梱包
ピッキングと梱包は、倉庫内の効率性を左右する重要な工程です。
ピッキング作業では、商品リストに基づき、在庫から必要な商品を取り出します。最近の物流倉庫では、自動ピッキングマシンやロボットを活用したり、人ではなく商品が動いてくる自動倉庫設備など、さまざまな方法で自動化が進みつつあります。
梱包は、ピッキングされた商品を箱や袋に詰め、納品書等の同梱物をすべて入れ、配送ラベルを貼付する作業です。資材の選定やエコ対応も重要なポイントです。

●配送
配送は、顧客満足度に直結する重要なプロセスです。
EC物流倉庫では、配送業者と連携し、地域や配送スピードに応じて最適な配送方法を選択します。梱包を終えた商品は配送業者に引き渡され、顧客のもとへと届けられます。

●在庫管理
在庫管理は、販売機会損失を防ぐための基盤業務です。また、倉庫管理システム(WMS)を活用し、在庫の動きを正しく把握。過剰在庫や欠品リスクを最小化します。さらに、倉庫管理システムに蓄積されたデータをもとに、適切な補充計画を立てて在庫回転率を上げたり、倉庫内のロケーション移動をして、運営の効率化をはかります。

●返品・交換対応
返品や交換は、ECサイトの信頼性に大きく影響するため、迅速かつ正確な対応が求められます。商品の状態を検品し、再販売可能であれば良品在庫に戻します。不良品については、セール・アウトレット扱いまたは廃棄など適切に処理を行います。交換の場合は、新しい商品を用意し発送手配を行います。返品・交換対応は顧客との連携をスムーズに行うことで、顧客満足度や信頼感を高めます。

EC物流倉庫委託のメリット

フルフィルメント効率化によるコスト削減

物流倉庫を委託することで、事業運営にかかる固定費を削減し、事業コストの適正化につながります。以下に、特に効果が大きい3つのポイントを挙げます。

●人件費および人材募集にかかるコストの削減
倉庫運営には、多くの人的リソースが必要となります。特に繁忙期には臨時スタッフを雇うなどの追加コストが発生します。EC物流倉庫に委託すると、これらの業務がまるごと移管され、人件費の大幅な軽減とともに人材募集にかかる業務負担もなくなります。

●保管スペースの最適化とスケーラビリティ
自社倉庫を持つ場合、商品数の増減に応じてスペースが過剰または不足するリスクがあります。委託倉庫は、必要なスペースだけを柔軟に利用でき、倉庫運営のための設備投資も不要となるため、固定費を大きく抑えられます。

●配送料の割引・コスト交渉
物流倉庫業者は、複数のEC事業者の商品を取り扱うため、スケールメリットを生かして配送業者とのコスト交渉を行い、特別割引料金での配送が可能になります。

EC事業の成長を促進

EC事業者は物流倉庫を委託することで、物流の業務品質向上や効率化をはかることがでると同時に、それ以外の「コア業務」にリソースを集中できます。以下のように事業の成長機会を最大化します。

●コア業務へのリソース集中
出荷作業に時間をとられていた従業員は、商品の企画・開発やマーケティング活動など、売上に直結する業務に専念できます。
また、新しいブランド展開や新規チャネル(例えばライブコマース)など、事業開発に取り組む余裕が生まれます。

●カスタマーエクスペリエンス向上
物流倉庫の効率的な管理体制により、注文から配送までの時間が短縮されるほか、注文ステイタスの情報共有や配送の追跡、日時や場所の柔軟な配送選択などサービスレベルの向上が期待できます。安定したサービス品質により、顧客はECサイトやブランドへの信頼や満足度が向上し、リピーターとなる可能性が高まります。

●セールやイベントの波動*対応
EC物流倉庫は、EC事業者の販売戦略・マーケティング計画に基づいて、業務の運営体制を整え、セールやイベント時に発生する出荷波動にも対応します。
*波動=物流量・出荷量の増減による波のこと

物流品質の向上

物流専門業者に委託することで、業務品質が向上し、顧客体験をより良いものにすることができます。

●適切な保管・管理
物流業者は、商品特性に適した保管・管理方法を熟知しています。温度管理が必要な食品や壊れやすい商品の取り扱い、シリアル番号管理など、商品に合った対応を行い、品質を維持します。

正確なピッキング・梱包
注文ミスや梱包ミスは、顧客満足度を損なう大きな要因です。多くのEC物流倉庫では、倉庫管理システム(WMS)を活用して、ミスに気づける仕組みがあり、正確なピッキングと梱包が可能です。

スピーディな配送
物流倉庫では、受注から配送まで効率的な管理体制があり、例えば午前に受けた注文を午後には配送キャリアへ引き渡し、配送先のエリアによって翌日または翌々日に顧客のもとに届きます。また、土日祝日も稼働し、曜日によるバラツキを出さずに、出荷業務の安定化がはかれます。

EC物流倉庫委託で生じるデメリット

物流業務を専門業者に委託することで多くのメリットが得られる一方で、課題や注意点も存在します。本章では、EC物流倉庫を委託する際の代表的なデメリットを解説し、具体的な対処法を提案します。

初期費用と毎月の費用発生

委託を開始する際には初期費用がかかり、また、毎月、出荷量に対して一定割合での費用が継続的に発生します。これには以下のようなコストが含まれます。

・初期費用:システム導入費用や倉庫内のレイアウト設計費
月額費用:保管料、ピッキング料、梱包料、システム利用料、管理費など

[なぜデメリットなのか?]
自社で倉庫を運営する場合、初期投資や固定費は必要ですが、長期的にはコストが下がる可能性があります。委託する場合には、出荷量に応じてランニングコストが継続的に発生します。特に売上が安定しない初期のEC事業者の場合には、固定費にしているほうが、計画を立てやすいこともあるでしょう。

対策としては、費用構造を明確化し、無駄なコストが発生しないように計画を立て、サービス内容とコストのバランスが最適な業者を選びます。

柔軟性に欠ける場合がある

委託倉庫では、業者のシステムや運用ルールに従う必要があり、自社で全てをコントロールする場合に比べて、柔軟性に欠けることがあります。
例えば、「急な配送スケジュールの変更や特殊な梱包が必要な場合、対応が難しい」「販促キャンペーンの特典商品を同梱する際、オペレーション変更に時間がかかる」といったことがあります。

自社倉庫であれば、自分たちの裁量で柔軟に変更可能ですが、委託の場合には、複数のEC事業者の対応を行う物流業者の業務プロセスに依存するため、スピード感や自由度が制限される場合があります。

対策の例としては、業者ごとに得意分野や対応力が異なるため、カスタマイズ性が高い業者を選んだり、特別な対応が必要な場合に備え、契約時に業務範囲や追加料金、スケジュールを明確にすることで柔軟性を確保します。

現場とのコミュニケーションが重要になる

委託を成功させるには、物流現場との密なコミュニケーションが不可欠です。在庫数の共有ミスや配送トラブルが発生した場合、迅速なリカバリー対応が求められます。情報共有がうまくいかなければ、業務効率の低下が起こりやすくなります。

対策としては、倉庫管理システム(WMS)や受注管理システム(OMS)を通じて、リアルタイムに在庫や配送状況を可視化すること、チャットツールなども活用しながら、スムーズな連携を図ることです。

EC物流倉庫の選び方

EC事業の規模や特性に合った倉庫を選ぶ

自社の事業特性にマッチした倉庫を選ぶことが、物流業務の効率化と品質向上につながります。以下の視点から最適な倉庫を検討しましょう。

●取扱商品数やサイズ
商品の種類やサイズ、在庫量に応じて適切な倉庫を選ぶことが重要です。
アパレルやアクセサリーなど、小型商品を扱う場合は、保管スペースを効率的に利用できる倉庫を選びます。
家具や家電など、大型商品の場合、搬出入設備が整っている倉庫が必要です。

●配送エリア
主な顧客層がどのエリアに集中しているかを考慮し、配送に適した立地の倉庫を選びましょう。
全国配送:主要都市に拠点を持つ物流業者を選ぶと、配送コストを抑えられる場合があります。
地域限定配送:特定エリアに集中した顧客層がある場合、その地域に近い倉庫が有利です。

●必要なサービスレベル
自社が提供する顧客体験に必要なサービスレベルを明確にしましょう。
スピード重視:翌日配送や即日出荷が必要な場合、システム連携や当日出荷が可能な倉庫を選ぶ。
365対応:土日祝も出荷対応可能な倉庫を選ぶ。
特殊対応:温度管理が必要な食品や特殊梱包が必要な商品に対応できる倉庫を選定。

費用体系を比較検討する

物流倉庫にかかる費用は、多くのEC事業者にとって重要な検討ポイントです。費用の内訳を理解し、複数の業者を比較検討することが重要です。

●初期費用
システム導入費用や契約時の手数料が発生する場合があります。初期費用が高額な場合は、導入後のコスト削減効果を考慮し、費用対効果を評価しましょう。

●月額費用
保管料やシステム利用料など、部分的に固定的なコストがかかります。在庫量が変動する場合は、柔軟な料金体系を採用している業者が適しています。

●従量課金
ピッキング料や梱包料、出荷ごとの課金があるので、必要最低限かかるコストとオプション料金は何かを理解しておくと良いでしょう。

実績と信頼性で物流業者を選ぶ

物流業務はEC事業の基盤となるため、信頼性の高い業者を選ぶことが不可欠です。業者の実績や提供サービスを確認し、安心して任せられるかを見極めましょう。

●顧客事例
物流業者がこれまでに担当した企業や業界事例を確認します。自社と同規模、または同業種の事例がある場合、スムーズな業務移管が期待できます。

●セキュリティ対策
顧客情報や在庫商品の保管において、セキュリティが適切に確保されているか確認します。例えば、監視カメラの設置や入退室管理システムの導入状況を確認します。

●サポート体制
トラブル時の迅速な対応や、定期的な状況報告を受けられる体制が整っているかをチェックします。

まとめ

倉庫委託は、EC事業者にとって大きな可能性を秘めていますが、デメリットも存在します。業務の効率化やコスト削減を実現するためには、信頼できるパートナーを見つけ、適切な運用体制を構築することが重要です。本記事を参考に、自社に最適な倉庫委託の活用を検討してみてください。

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