ツァイニャオの物流・自動化システムなどの最新テクノロジーを導入したネスレの直販用スマート物流センターは、40台の無人搬送車（AGV）を導入することで、手作業によるピッキングの大幅な削減と生産性の最大化を目指しており、作業効率は従来比4倍にまで高まる見込みです。また、ツァイニャオのスマートサプライチェーンは、ネスレが市場の変化により柔軟に対応することも可能にします。

直販用スマート物流センター開設の発表イベントに参加したツァイニャオとネスレ幹部（写真出典：アリババグループ）

　2,000平方メートルの広さを誇る同物流センターでは、無人配送車が製品を梱包ラインに運ぶことで、約6,000件の注文が入る閑散期でさえも、20人余りのスタッフの労働時間を削減することができます。無人配送車を導入することで、同物流センターのスタッフは毎日平均2万歩もの移動を削減することができます。

　また、同物流センターは、ネスレの直販分野の事業拡大とともに、中国市場におけるEコマース事業全体の注文処理も支援します。中国の地方政府による新型コロナ感染症対策により、今年に入ってから中国全土で多くの倉庫が閉鎖されました。今後、ネスレは注文処理を同物流センターに移行し、特定の地域における需要増加にも対応していきます。

ネスレの中国初となる直販用スマート物流センターに導入された無人搬送車（写真出典：アリババグループ）

　同物流センター開設の発表イベントにて、ネスレ中国サプライチェーン・調達部門のシニアバイスプレジデントであるTony Domingo氏は下記のように述べました。

　「ツァイニャオとの協業により、必要な場面では人間の力も活用しながら高い効率性、対応力、回復力を持ったサプライチェーンを構築することができます。不確実な外的要因があるなかも、高い回復力と安定性を維持できることが、弊社がツァイニャオとの協業に最も大きな価値を見出している点です」

　ツァイニャオのCEOであるWan Linは、「長期的な目線で、包括的かつ持続可能なサプライチェーン構築を行い、ネスレの事業を支援できるよう努力して参ります」と、同発表イベントにて意気込みを述べました。