豊田通商グループのエレクトロニクス商社、株式会社ネクスティ エレクトロニクス（本店：東京都港区、代表取締役社長：柿原 安博、以下：ネクスティ エレクトロニクス）は、高精度屋内位置測位システムに強みをもつZEROKEY Inc.（本社：カナダ、創業者兼CEO：Matthew Lowe、以下:ZEROKEY）と、2022年12月に販売代理店契約を締結しました。

１．背景と目的
工場、倉庫、オフィスなどの屋内施設では、衝突防止や作業効率化の観点から、人、フォークリフト、ロボットなどの、より正確な位置情報の取得が求められています。屋外ではGPS衛星を使って位置測位が出来ますが、屋内ではGPS衛星の信号を受信することが出来ず、代替となる技術が必要とされています。

屋内測位の主な手法には、UWB※1、Bluetooth、Wi-Fi、RFID※2などがありますが、これらはキャリブレーション※3が困難で２次元の座標情報しか取得できません。一方、ZEROKEYの高精度屋内位置測位システム（米国特許取得済）は、独自の超音波技術を活用し、GPSと類似したシステムを超音波で構築することで、サブセンチメートルクラス※4の高精度な位置測位を3次元で実現することができます。例えば、倉庫や工場など屋内の大空間においては、最大20メートルまで離れた観測点を、最高1.5ミリメートルの精度で観測できます。また、独自のキャリブレーション技術により、設置や調整と立ち上げを、従来の技術に比べて非常に短期間で行うことができます。ネクスティ エレクトロニクスの技術サポート力と、ZEROKEYの持つ技術力を組み合わせることで、今後、日本への販売拡大を目指します。

2.　今後の展開
ZEROKEYが提供する高精度位置測位システムは、AGV※5やAMR※6を無軌道化することで、工場内の設備配置やAGVなどの軌道の自由度を向上させたり、人や物をトラッキングすることで、熟練の作業員と搬送機械の動線を分析して作業を効率化するなど、今後さまざまなケースでの活用が期待されています。既に日本国内では、工場内での物流や設備検査の分野で実証実験が始まっています。

ネクスティ エレクトロニクスは、国内で唯一の販売代理店として、お客さまのニーズや環境に合わせた機器の配置設計から運用のサポートまでを提供し、豊かな社会づくりに貢献していきます。

※1 Ultra Wide Band：超広帯域無線技術
※2 Radio Frequency IDentification：電波を用いて非接触でデータを読み書きする技術
※3 キャリブレーション：測定器で標準通りの値を得るために、標準器などを用いてその機器の偏りを計測したり、正しい値になるよう調整したりすること
※4 サブセンチメートルクラス：1センチメートルよりも高い精度で測定できること
※5 Automatic Guided Vehicle：無人搬送車
※6 Autonomous Mobile Robot：自律走行搬送ロボット

■ユースケース

■調印式

左：ZEROKEY 創業者兼CEO Matthew Lowe、右：NEXTY社長 柿原 安博

【会社概要】
■ネクスティ エレクトロニクスについて
会社名：株式会社ネクスティ エレクトロニクス
所在地：東京都港区港南2-3-13 品川フロントビル

ネクスティ エレクトロニクスは、豊田通商グループのエレクトロニクス事業の中核企業として、カーエレクトロニクスの分野においてトップクラスの規模を誇ります。同分野で培った自動運転技術、つながる技術などの最先端技術を、他の産業分野に積極的に転用するなど、技術・商材を核として、幅広い分野でお客さまや世の中のニーズに応え、社会課題のソリューションを提供しています。また、豊田通商グループのグローバルネットワークを最大限活用し、地域や分野を超えた最適なソリューションを提供しています。

詳細につきましては、以下をご覧ください。
ネクスティ エレクトロニクス HP: https://www.nexty-ele.com/

■ZEROKEYについて
会社名：ZEROKEY Inc.（ゼロキー）
所在地：カナダ

高精度な位置測位を可能とする超音波センサーを使った屋内測位のソリューションサプライヤーです。 ZEROKEY の製品は、今まで難しかった空間において、3次元(X、Y、Z軸)の座標情報の取得が可能で、工場や倉庫、建設 現場など、高精度な空間認識が必要なケースにおいて、最適な位置測位のソリューションとして期待されています。 詳細につきましては、以下をご覧ください。 ZEROKEY HP : https://zerokey.com/