日本郵船/ゼロエミッション船への「ネクストブリッジソリューション」 アンモニアReady LNG燃料船が実際の設計へ グリーン物流(環境) 2023.06.17 ゼロエミッション船への「ネクストブリッジソリューション」 アンモニアReady LNG燃料船が実際の設計へ 2022年11月28日 実行可能・機能的・安全なコンセプト設計を完了 日本郵船株式会社株式会社MTIElomatic Oy社 日本郵船株式会社(以下「日本郵船」)、NYKグループの株式会社MTI(以下「MTI」)およびフィンランドの船舶技術コンサルタント会社Elomatic Oy(エロマティック・オーイー、以下「エロマティック」)の3社は、アンモニア燃料船に効率的に改造・転換することが可能なLNG(液化天然ガス)燃料船(以下「アンモニアReady LNG燃料船」)の建造を目指すプロジェクトで、新たにケープサイズバルカーと大型原油タンカー(VLCC)のコンセプト設計を行い、コンセプト設計のフェーズを完了しました。3社はアンモニアReady LNG燃料船を将来のゼロエミッション船実現への「ネクストブリッジソリューション」と位置付けており、今後は造船所や船舶用機器メーカーと実際の設計を進めます。 コンセプト設計とは船を建造する際の土台となる設計です。船の全長や船幅などの寸法、積荷量、航続距離、船速といった仕様を考慮し、最適な設計を行います。 日本郵船では、NYKグループの外航海運事業における温室効果ガス(GHG)排出量削減の長期目標を「2050年までのネット・ゼロエミッション達成」と定め、将来的にアンモニアや水素など、より環境負荷の低い船舶用燃料を使用するゼロエミッション船の投入を目指しています。まずは低炭素燃料であるLNG燃料をゼロエミッション船が実現するまでのブリッジソリューションの一つと位置付け、LNG燃料船の船隊整備を進めています。 更に日本郵船、MTI、エロマティックの3社は「ネクストブリッジソリューション」としてアンモニアReady LNG燃料船の建造を目指すプロジェクトを2021年9月に開始しました。従来は造船会社がコンセプト設計を行う形が一般的でしたが、本プロジェクトでは将来的なゼロエミッション船開発を目指し、日本郵船とMTI、そして船舶技術コンサルタント会社であるエロマティックが共同で設計を行います。本年3月にはプロジェクトのフェーズ1として、自動車専用船とポストパナマックスバルカーのコンセプト設計を完了しています。 2022年3月3日発表 : アンモニアReady LNG燃料船のコンセプト設計完了 今回、3社はフェーズ1.5としてケープサイズバルカーと大型原油タンカー(VLCC)のコンセプト設計を行いました。 アンモニアReady LNG燃料船の設計開発の課題として、主に以下の点が挙げられます。 1.アンモニアはLNGに比べて熱量あたりの燃料の体積が大きいため、同じ航続距離を走る船を建造するには、より容量の大きな燃料タンクや追加の燃料タンクが必要になる。 2.1により貨物の積載スペースが縮小し、積載できる重量が減少する。 3.タンクの大型化や追加タンクの設置により、船舶が転覆しないかを示す復元性や船体強度が影響を受ける。 4.アンモニアは毒性が高いため、アンモニア燃料タンクは国際条約や国内法に則った排気設計とする必要がある。またアンモニア燃料の補給の際には漏洩しない設計とする必要がある。 5.LNG燃料からアンモニア燃料への改造に追加の工期やコストが発生する。 今回のコンセプト設計ではこれらの課題を解決する案を模索し、燃料タンクの配置などの仕様を研究・検討しました。その結果、実行可能で機能的、かつ安全な特徴を備えたコンセプト設計を完了しました。 コンセプト設計の詳細 今回コンセプト設計を行ったアンモニアReady LNG燃料船では、従来のLNG燃料船と比べ、新造してからアンモニア燃料船に改造するまでの全体の費用をケープサイズバルカーでは12%、VLCCでは25%抑えることができると見込まれます。 今後3社はプロジェクトのフェーズ2として、コンセプト設計をもとに造船所や船舶用機器メーカーと実際のアンモニアReady LNG燃料船の設計を進めます。 アンモニアReady LNG燃料ケープサイズバルカーのイメージ画像 アンモニアReady LNG燃料VLCCのイメージ画像 アンモニアReady LNG燃料ケープサイズバルカーの紹介映像 アンモニアReady LNG燃料VLCCの紹介映像 NYKグループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」(※)を2021年2月3日に発表し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めています。2022年3月24日には、2021年度のESG経営の具体的な取り組みと施策、超長期視点での持続可能な成長戦略を紹介する「NYKグループESGストーリー 2022」(※※)を発表しました。NYKグループはESG経営を力強く推し進めるべく、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進してまいります。 ※NYKグループESGストーリー当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースよりご覧いただけます。https://www.nyk.com/esg/esg-story/ ※※NYKグループESGストーリー2022「NYKグループESGストーリー」で掲げたESGの経営戦略への統合に向けた具体的な取り組みと、今年度の施策を紹介した資料。詳細は以下リンクよりご覧いただけます。https://www.nyk.com/news/2022/20220324_01.html 各社概要 【日本郵船株式会社】本社:東京都千代田区代表者:代表取締役社長 長澤仁志ウェブサイト:http://www.nyk.com/ 【株式会社MTI】本社:東京都千代田区代表者:代表取締役社長 石塚一夫株主:日本郵船株式会社100%ウェブサイト:https://www.monohakobi.com/ja/ 【Elomatic Oy】本社:フィンランド トゥルク市代表者:Patrik Rautaheimo CEOウェブサイト:https://www.elomatic.com/en/ 関連プレスリリース 2022年3月3日発表 : アンモニアReady LNG燃料船のコンセプト設計完了 2022年1月14日発表:LNG燃料ケープサイズバルカー建造発注 2021年9月9日発表:LNGからアンモニアへ燃料転換可能なネクストブリッジソリューション アンモニアReady LNG燃料船設計・開発プロジェクト始動
2022年11月28日 実行可能・機能的・安全なコンセプト設計を完了 日本郵船株式会社株式会社MTIElomatic Oy社 日本郵船株式会社(以下「日本郵船」)、NYKグループの株式会社MTI(以下「MTI」)およびフィンランドの船舶技術コンサルタント会社Elomatic Oy(エロマティック・オーイー、以下「エロマティック」)の3社は、アンモニア燃料船に効率的に改造・転換することが可能なLNG(液化天然ガス)燃料船(以下「アンモニアReady LNG燃料船」)の建造を目指すプロジェクトで、新たにケープサイズバルカーと大型原油タンカー(VLCC)のコンセプト設計を行い、コンセプト設計のフェーズを完了しました。3社はアンモニアReady LNG燃料船を将来のゼロエミッション船実現への「ネクストブリッジソリューション」と位置付けており、今後は造船所や船舶用機器メーカーと実際の設計を進めます。 コンセプト設計とは船を建造する際の土台となる設計です。船の全長や船幅などの寸法、積荷量、航続距離、船速といった仕様を考慮し、最適な設計を行います。 日本郵船では、NYKグループの外航海運事業における温室効果ガス(GHG)排出量削減の長期目標を「2050年までのネット・ゼロエミッション達成」と定め、将来的にアンモニアや水素など、より環境負荷の低い船舶用燃料を使用するゼロエミッション船の投入を目指しています。まずは低炭素燃料であるLNG燃料をゼロエミッション船が実現するまでのブリッジソリューションの一つと位置付け、LNG燃料船の船隊整備を進めています。 更に日本郵船、MTI、エロマティックの3社は「ネクストブリッジソリューション」としてアンモニアReady LNG燃料船の建造を目指すプロジェクトを2021年9月に開始しました。従来は造船会社がコンセプト設計を行う形が一般的でしたが、本プロジェクトでは将来的なゼロエミッション船開発を目指し、日本郵船とMTI、そして船舶技術コンサルタント会社であるエロマティックが共同で設計を行います。本年3月にはプロジェクトのフェーズ1として、自動車専用船とポストパナマックスバルカーのコンセプト設計を完了しています。 2022年3月3日発表 : アンモニアReady LNG燃料船のコンセプト設計完了 今回、3社はフェーズ1.5としてケープサイズバルカーと大型原油タンカー(VLCC)のコンセプト設計を行いました。 アンモニアReady LNG燃料船の設計開発の課題として、主に以下の点が挙げられます。 1.アンモニアはLNGに比べて熱量あたりの燃料の体積が大きいため、同じ航続距離を走る船を建造するには、より容量の大きな燃料タンクや追加の燃料タンクが必要になる。 2.1により貨物の積載スペースが縮小し、積載できる重量が減少する。 3.タンクの大型化や追加タンクの設置により、船舶が転覆しないかを示す復元性や船体強度が影響を受ける。 4.アンモニアは毒性が高いため、アンモニア燃料タンクは国際条約や国内法に則った排気設計とする必要がある。またアンモニア燃料の補給の際には漏洩しない設計とする必要がある。 5.LNG燃料からアンモニア燃料への改造に追加の工期やコストが発生する。 今回のコンセプト設計ではこれらの課題を解決する案を模索し、燃料タンクの配置などの仕様を研究・検討しました。その結果、実行可能で機能的、かつ安全な特徴を備えたコンセプト設計を完了しました。 コンセプト設計の詳細 今回コンセプト設計を行ったアンモニアReady LNG燃料船では、従来のLNG燃料船と比べ、新造してからアンモニア燃料船に改造するまでの全体の費用をケープサイズバルカーでは12%、VLCCでは25%抑えることができると見込まれます。 今後3社はプロジェクトのフェーズ2として、コンセプト設計をもとに造船所や船舶用機器メーカーと実際のアンモニアReady LNG燃料船の設計を進めます。 アンモニアReady LNG燃料ケープサイズバルカーのイメージ画像 アンモニアReady LNG燃料VLCCのイメージ画像 アンモニアReady LNG燃料ケープサイズバルカーの紹介映像 アンモニアReady LNG燃料VLCCの紹介映像 NYKグループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」(※)を2021年2月3日に発表し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めています。2022年3月24日には、2021年度のESG経営の具体的な取り組みと施策、超長期視点での持続可能な成長戦略を紹介する「NYKグループESGストーリー 2022」(※※)を発表しました。NYKグループはESG経営を力強く推し進めるべく、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進してまいります。 ※NYKグループESGストーリー当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースよりご覧いただけます。https://www.nyk.com/esg/esg-story/ ※※NYKグループESGストーリー2022「NYKグループESGストーリー」で掲げたESGの経営戦略への統合に向けた具体的な取り組みと、今年度の施策を紹介した資料。詳細は以下リンクよりご覧いただけます。https://www.nyk.com/news/2022/20220324_01.html 各社概要 【日本郵船株式会社】本社:東京都千代田区代表者:代表取締役社長 長澤仁志ウェブサイト:http://www.nyk.com/ 【株式会社MTI】本社:東京都千代田区代表者:代表取締役社長 石塚一夫株主:日本郵船株式会社100%ウェブサイト:https://www.monohakobi.com/ja/ 【Elomatic Oy】本社:フィンランド トゥルク市代表者:Patrik Rautaheimo CEOウェブサイト:https://www.elomatic.com/en/ 関連プレスリリース 2022年3月3日発表 : アンモニアReady LNG燃料船のコンセプト設計完了 2022年1月14日発表:LNG燃料ケープサイズバルカー建造発注 2021年9月9日発表:LNGからアンモニアへ燃料転換可能なネクストブリッジソリューション アンモニアReady LNG燃料船設計・開発プロジェクト始動