東京 — グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーであるボッシュの日本法人、ボッシュ株式会社(東京都渋谷区)は2022年9月20日、栃木工場において電動ブレーキブースター「iBooster」の生産を開始しました。同工場では、日本の自動車メーカーの小型車への要望に対応した派生製品「iBooster compact」の生産も、同時に開始しています。

電動化および自動化の進展に伴い、ハイブリッドおよび電気自動車などの低負圧・無負圧に対応し、優れたエネルギー回生と快適なブレーキ制御を担う電動ブレーキブースターへの需要が高まりを見せています。ボッシュはiBoosterの世界生産台数を、現在の年間800万台から2026年には1,100万台まで拡大し、そのうち約6割を日本の自動車メーカー向けに納入する予定です。このような背景から、ボッシュではiBoosterの最大の顧客である日本の自動車メーカーからの要望に迅速かつ柔軟に対応することができるよう、iBoosterを栃木工場で製造することを決定しました。iBoosterは、負圧を必要とせず、ペダルフィーリングのカスタマイズ、衝突被害軽減ブレーキの性能向上、優れた回生効率、そして自動運転下における冗長性など、高性能なブレーキ性能を実現する新しい電動ブレーキブースターです。なお、ボッシュは今回の生産開始に対して、製造設備費として30億円を投じています。

ロバート・ボッシュGmbHのシャシーシステム コントロール事業部にて製造担当役員を務めるウルリヒ・シュミットは、日本におけるiBooster生産開始に対して次のように述べています。「ボッシュでは、世界自動車生産台数のうち約30%の生産を担う日本の自動車メーカーおよび日本市場を、非常に重要視しています。日本の自動車メーカーから需要が高いiBoosterの生産を日本で開始することは、ボッシュの日本市場に対する強いコミットメントの表れです」

栃木工場は1990年の設立以来、四輪向け横滑り防止装置(ESC)や四輪、二輪向けアンチロックブレーキシステム(ABS)など、ブレーキ関連製品の製造で長きにわたる実績を有しています。また、iBoosterの製造には、ドイツと同様の最先端の自動化技術を導入することで、生産性ならびに品質の向上を図ります。

iBooster生産開始の記念式典を実施
ボッシュは同日、iBoosterの生産開始を記念して、栃木工場で式典を実施しました。式典では、ウルリヒ・シュミットをはじめ、ボッシュ株式会社代表取締役社長クラウス・メーダー、専務執行役員シャシーシステム コントロール事業部長の松村 宗夫が登壇。約80名の従業員が出席し、iBoosterの生産開始を祝うスピーチや鏡開きが行われました。

松村はiBoosterの生産開始に伴い、次のように語っています。「次世代の主力製品となるiBoosterを日本で製造できることを、大変誇りに思います。日本に製造拠点を構えることで、お客様との技術的なコミュニケーションもこれまで以上に密なものとなり、よりご要望に即した製品の開発が可能となります。従業員一丸となって、日本の自動車産業の発展に貢献してまいります」

ボッシュでは2013年に他社に先駆けて電動ブレーキブースターの第1世代を市場投入しました。2022年末までの世界累計出荷台数は2,200万台となる見込みで、20以上の自動車メーカーに採用されています。

【栃木工場 概要】

所在地: 栃木県那須塩原市北赤田1588-1
操業開始: 1990年4月
主要生産品: iBooster、横滑り防止装置(ESC)、四輪、二輪向けアンチロックブレーキシステム(ABS)、センサー
従業員数: 517名(2022年7月1日現在)

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