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商船三井/モーリシャスにおける海洋温度差発電の実証要件適合性等調査がNEDO事業に採択

グリーン物流(環境) 2023.06.17

モーリシャスにおける海洋温度差発電の実証要件適合性等調査がNEDO事業に採択
~沖縄県久米島での実証設備運営への参画に加え、海洋再生可能エネルギーの早期実用化を目指す~

2022年07月14日

株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)が株式会社ゼネシス(代表取締役社長:福島賢一、本社:東京都江東区、以下「ゼネシス」、註1)および国立大学法人佐賀大学(以下「佐賀大学」、註1)と共同で取り組むモーリシャスにおける海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion、以下「OTEC」)を核とした海洋深層水複合利用に関する実証要件適合性等調査が、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の2021年度「エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業(実証要件適合性等調査)」に採択されました。
当社は2022年4月より、ゼネシスが維持管理を行う沖縄県久米島での100kW級OTEC実証設備(図1)の運営に参画しており、国内で唯一存在する同設備への運営参画を通じてOTEC運営ノウハウを蓄積し、海洋再生可能エネルギーの早期実用化を目指します。

(図1)久米島における100kW級 OTEC実証設備

OTECは、海面における表層の温水と深海の冷水の温度差を利用して発電を行う仕組みで、水深600m以深の海域から海洋深層水を汲み上げ、表層水との温度差でエネルギーを取り出すものです。気象に左右されないため、安定的に発電量を予測できることが特徴です。さらに、発電で使用した海洋深層水でも十分低温であり、水質も変化しないため、水産や農業、空調利用など、様々な分野で二次利用することができ、持続可能な発電システムとして注目されています。
これまで、国内およびハワイや韓国、ナウル共和国などでも研究が進んでいるものの、まだ商用化には至っていない電源であり、当社は、これまで海洋事業を通じて培った知見やノウハウ、およびサプライチェーンのネットワークを活かし、久米島OTEC実証設備の運営、モーリシャスにおける実証要件適合性等調査を通じて、国内外においてOTEC発電を早期に事業化することを目指します。

当社は、チャーターしていたばら積み貨物船「WAKASHIO」が2020年7月にモーリシャス沖で座礁した事故を踏まえ、それ以降 現地の自然環境保護・回復プロジェクトや社会貢献活動(註2)を実施してきました。
モーリシャスは、2030年までに再生可能エネルギーの割合を60%まで引き上げるロードマップを策定しています。気候条件に左右されることなく24時間安定的な発電が可能なOTECは、インド洋に位置する島嶼国であるモーリシャスの地の利を十分に活用できることが期待されています。また、発電に利用した深層海水の各産業のへの二次利用を通じたOTEC実用化に伴う産業振興が見込めることから、本事業の提案に至りました。

当社は、OTECに加えて波力発電事業(註3)にも取り組んでおり、自然エネルギーとしてのポテンシャルの高い海洋再生可能エネルギーの早期実用化に向けて取り組んでいきます。

(註1) 共同提案者であるゼネシスおよび共同研究先である佐賀大学はOTECについて世界トップレベルの技術を有しており、世界の様々なOTECプロジェクトに参画しています。
ゼネシス:http://www.xenesys.com/index.html
佐賀大学:https://www.ioes.saga-u.ac.jp/jp/

(註2) 当社はモーリシャス環境・社会貢献チームを立ち上げ、マングローブやサンゴ礁の保護を始めとする自然環境保護・回復プロジェクト、現地政府等の公的機関や現地NGO(非政府組織)への基金の拠出等を通じた社会貢献活動を実施しています。さらに、現地における関係当局やモーリシャス地域社会との中長期的な連携・対応を目的に2020年10月にモーリシャス駐在員事務所を開設し、同国でのわずかな進出日系企業の中で唯一日本人駐在員を配置し、同国への貢献活動に注力しています。

当社のモーリシャス環境回復・社会貢献活動に関する特設ページ:
https://www.mol.co.jp/sustainability/incident/index.html

(註3) 当社の波力発電に関する取り組みは以下のプレスリリースをご参照下さい。

【商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」にあたる取り組みです。

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